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答弁本文情報

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平成十九年六月二十六日受領
答弁第三九三号

  内閣衆質一六六第三九三号
  平成十九年六月二十六日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員前田雄吉君提出国際協力銀行が二〇〇五年三月三十一日にマレーシアのパハン・セランゴール導水事業に対し行った円借款融資に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員前田雄吉君提出国際協力銀行が二〇〇五年三月三十一日にマレーシアのパハン・セランゴール導水事業に対し行った円借款融資に関する再質問に対する答弁書



一のイ)、ロ)及びニ)について

 「パハン・スランゴール導水計画」(以下「本計画」という。)の総事業費の内訳に関しては、公正な入札の実施に影響を及ぼすおそれがあること等から、お答えすることは差し控えたい。また、現在、マレーシア政府がコンサルティング・サービスに係るコンサルタントの選定作業を行っているところであり、融資の開始時期は確定していない。

一のハ)について

 衆議院議員前田雄吉君提出国際協力銀行が二〇〇五年三月三十一日にマレーシアのパハン・セランゴール導水事業に対し行った円借款融資に関する質問に対する答弁書(平成十九年五月十八日内閣衆質一六六第二一八号)の一の(イ)から(エ)までについてで述べた詳細設計についてはダム及び取水堰関連工事を、施工監理についてはトンネル、ダム及び取水堰関連工事をそれぞれ対象としている。

二のイ)からハ)までについて

 御指摘の「外務省発表」とは、外務省ホームページに掲載された「マレーシアに対する特別円借款「パハン・スランゴール導水計画」の供与について」と題する記事資料を指すものと思われるところ、同記事資料においては、「調達手続きについては第三者機関等による定期的・事後的監査を実施すること」とされているが、これは、調達手続が終了した段階で第三者機関である監査人等による監査を行うことを述べたものであり、御指摘のように、コンサルティング・サービスに係るコンサルタントの選定前に第三者機関を設置することとはされていない。

二のニ)及びホ)について

 現在、マレーシア政府がコンサルタントの選定作業を行っていること等から、その過程についてお答えすることは差し控えたい。

二のヘ)について

 国際協力銀行において、マレーシア政府の行うコンサルタント選定のための招請状、プロポーザル評価結果等と国際協力銀行のコンサルタント雇用ガイドラインとの整合性を確認しているものと承知している。

二のト)について

 特定企業の事業実績に係る評価等について、日本政府の考えを示すことは適切ではないため、お答えすることは差し控えたい。

三のイ)及びロ)について

 ケラウダムの導水量のすべてがクアラルンプールを含むスランゴール州に向けたものであるが、ダム堤の高度が海抜九十メートルから海抜八十五メートルに引き下げられたことにより、当該導水量は、一日当たり二十二億六千万リットルから十八億九千万リットルに減少することになるものと承知している。

三のハ)及びニ)について

 現在想定されている導水量は、当初想定されていた導水量より減少するものの、相応の水需要には対応できる見通しであると承知している。

三のホ)について

 水需要に係る数値は、マレーシア政府から公表しないことを条件に提供された情報であるため、お答えすることは差し控えたい。

三のヘ)について

 ケラウダムによる湛水面積は、二千三百五十四ヘクタールとなる予定であると承知している。

三のト)について

 ラクム森林保護地域の湛水面積は、千六百十ヘクタールから千五十七ヘクタールに減少し、減少後の面積は同保護地域全体の約六パーセントとなるものと承知している。テムアンのオランアスリ居住地(耕作地等を含む。)の湛水面積は、七十八ヘクタールから三十五ヘクタールに減少し、減少後の面積は当該地域全体の約三十五パーセントとなるものと承知している。また、チェウォンのオランアスリ居住地(耕作地等を含む。)の湛水面積は、当初も現在も零ヘクタールであると承知している。

四のイ)について

 御指摘の書簡において示されている環境面等の影響に関しては、マレーシア政府が環境影響評価を適切に実施し、我が国政府及び国際協力銀行の職員の出席を得たモニタリング会合を通じて住民に対して説明しており、マレーシア国民に対する説明責任は適切に果たされていると考えている。

四のロ)について

 モニタリング会合は、マレーシア政府の主催により、本計画について、住民、NGO等と協議することを目的として開催されているものであると承知している。

四のハ)及びニ)について

 モニタリング会合の開催に際しては、マレーシア政府が、本計画によって影響を受ける地域の住民代表、本計画に関心を有するNGO、日本政府及び国際協力銀行に案内を送付しており、過去三回のモニタリング会合も同様の方法で関係者の参加を募ったものと承知している。

四のホ)及びヘ)について

 過去三回のモニタリング会合では、本計画の現状、住民の移転計画、本計画に関する環境配慮等について議論が行われ、住民及びNGOからは、環境管理計画の実施見込み、補償金の水準等に関心が示された。これらの関心事項については、マレーシア政府より適切に説明がなされたものと承知している。

四のト)について

 国際協力銀行は、オブザーバーとして参加しているものと承知している。

四のチ)について

 過去三回のモニタリング会合においては、それぞれ住民及びNGOからは約十名程度が参加したものと承知している。

四のリ)について

 過去三回のモニタリング会合のうち、最初の会合にオランアスリの代表者一名が参加したものと承知している。

五のイ)及びロ)について

 国際協力銀行においては、関係者間の会合において、オランアスリの代表者から移転の意向があることを直接確認し、また、テムアンにおける国際協力銀行と同代表者との面会においても移転は村民の意向に従い行われることを直接確認しているものと承知している。また、マレーシア政府がオランアスリに対し、冠水面積、ダム堤の高度の変更及び移転計画の概要を説明し、署名前には移転するか否かを選択できる権利があることを適切に説明したものと承知している。

五のハ)について

 チェウォンのオランアスリが移転対象候補になったのは、二千三年三月のことと承知している。

五のニ)について

 チェウォンのオランアスリの居住区は、本計画の水没地域ではないため、当初は移転対象候補に含まれていなかったものと承知している。

五のホ)について

 チェウォンに関する社会調査は、マレーシア政府より依頼されたマレーシア国民大学が二千三年九月までに実施したものと承知しているが、同調査報告書が公開されているか否かについては、承知していない。

六について

 日本政府は、日頃からマレーシアに関して幅広く情報収集を行っているが、マレーシアにおいて我が国が供与する円借款を理由として報道の自由が規制されていることを示す情報はない。



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