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答弁本文情報

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平成十九年七月十日受領
答弁第四五七号

  内閣衆質一六六第四五七号
  平成十九年七月十日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員逢坂誠二君提出経済財政改革の基本方針二〇〇七に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員逢坂誠二君提出経済財政改革の基本方針二〇〇七に関する質問に対する答弁書



一について

 御指摘の「経済財政改革の基本方針二〇〇七」(平成十九年六月十九日閣議決定。以下「基本方針二〇〇七」という。)の二ページの「戦後レジーム」とは、戦後の「憲法を頂点とした、行政システム、教育、経済、雇用、国と地方の関係、外交・安全保障などの基本的枠組み」を指す。

二について

 政府としては、「二十一世紀の時代の大きな変化についていけなくなっている」戦後レジームを、原点にさかのぼって大胆に見直し、「活力とチャンスと優しさに満ちあふれ、自律の精神を大事にする、世界に開かれた「美しい国、日本」」を目指すこととしている。

三について

 PDCAは、「目標」(Plan)、「実行」(Do)、「評価」(Check)及び「反映」(Action)それぞれの英語の頭文字を並べたものであり、これら一連の取組を通じて、施策の効果的かつ計画的な遂行を図るものである。

四について

 電磁的記録が保存されている媒体の耐用年数は、当該媒体の性質や保管状況等により異なるものと認識している。
 いずれにしても、各府省の保有する電磁的記録を含めた行政文書については、「行政文書の管理方策に関するガイドラインについて」(平成十二年二月二十五日各省庁事務連絡会議申合せ)において、保存期間が満了する日まで必要に応じ記録媒体の変換を行うなどにより、適正かつ確実に利用できる方式で保存することとされている。
 また、「紙をベースとした既存の手続の見直し」は、オンラインによっても申請できるようにするとともに、添付書類の見直し等の措置を講じることによって、国民等利用者がオンライン申請による利便性を実感できることを意図したものであるが、手続がオンライン化されても、基本的には、引き続き従前の書面による手続を行う方法も可能であり、このことによって御指摘のような不利益が国民に及ぶことはないと考える。

五について

 債務調整とは、一般的には、債権者と債務者の間において、債務の減免や期限の猶予等を行うことをいう。

六について

 債務調整については、総務省の「新しい地方財政再生制度研究会」報告書(平成十八年十二月八日)において、「地方行財政制度の抜本改革が進展した場合における地方財政の規律強化に向けた再生ツールの選択肢として評価できる」としつつ、それを導入する場合には、様々な課題があり、「地方分権改革と同時並行的に議論を進めていく必要がある」と指摘されている。これを踏まえ、現在総務省に設置している「債務調整等に関する調査研究会」において、債務調整を導入する場合の具体的な検討を深めているが、これと併せて、今後の地方分権改革に伴う地方行財政制度の抜本的改革の議論と並行的に考え方を整理する必要があることを述べているものである。

七について

 国境措置の対象品目の絞り込みや関税率の引下げに当たっては、国内農林水産業等への影響を十分踏まえつつ、農林水産業等の構造改革の努力を損なうことのないよう、構造改革によるその体質強化の進捗状況に留意するとの考えを示したものである。

八及び十について

 WTO交渉やEPA交渉において、攻めるべきは攻め、守るべきは守るとの方針の下、我が国として最大限の利益を得られるよう、政府一体となって取り組んでいるところであり、妥結後の影響が発生する具体的な場合について言及することは困難である。また、北海道庁が昨年十一月に発表した「日豪FTAによる北海道への影響について」は、一定の仮定の下に行った試算であり、実際の妥結内容を前提としたものではないと理解している。

九について

 仮にWTO交渉やEPA交渉の妥結内容によって影響が発生する場合であっても、農林水産業等の構造改革の推進に資する取組として所要の措置を計画的に講じていく考えを示したものである。

十一について

 WTO交渉やEPA交渉の妥結以前の段階において、具体的な措置について申し上げることは困難である。

十二について

 農業振興地域の整備に関する法律(昭和四十四年法律第五十八号)第八条第二項第一号に規定する農用地区域である。

十三について

 十二についてでお答えした「農業上重要な地域」における耕作放棄地の面積は、「平成十八年農業資源調査」によれば、約十五万三千ヘクタールとなっている。また、全国の耕作放棄地の面積は、「二〇〇五年農林業センサス」によれば、約三十八万六千ヘクタールとなっている。基本方針二〇〇七においては、この農業上重要な地域を中心に、全国における耕作放棄地ゼロを目指すこととしている。

十四について

 今後の税制改革については、基本方針二〇〇七において、「平成十九年秋以降、税制改革の本格的な議論を行い、平成十九年度を目途に、社会保障給付や少子化対策に要する費用の見通しなどを踏まえつつ、その費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合う観点から、消費税を含む税体系の抜本的改革を実現させるべく、取り組む」こととしている。
 御指摘の「安定財源」についても、こうした取組の中で検討していくことになると考えている。

十五について

 御指摘の基本方針二〇〇七の二十八ページの「国民への説明責任を徹底する」とは、予算編成の原則を示したものであり、特に具体的な手段を念頭に置いたものではないが、予算編成に当たっては、財政健全化の基本的な考え方や、予算の重点化・効率化の内容等を「予算編成の基本方針」において明らかにするなど、国民に対する説明責任を果たしてまいりたい。

十六について

 国の役割を本来果たすべきものに重点化し、内政に関しては広く地方公共団体が担うことを基本として、国と地方の役割分担を見直し、現在の都道府県に代わる広域自治体として道又は州を置くものである。

十七について

 道州制の導入は、現行の都道府県制度の下における地方分権改革の成果を踏まえることとしており、国と地方の役割分担の抜本的見直しを基本とし、これに沿って事務権限の再配分やそれぞれの組織の再編、またそれにふさわしい税財政制度を実現できるものであるからである。

十八について

 長年にわたる保険料の納付実績を着実に年金給付に結び付けるためには、年金記録が適切に管理されることが必要である。しかしながら、社会保険オンラインシステムによって管理している基礎年金番号が付されていない又は基礎年金番号に統合されていない年金手帳記号番号に係る記録(以下「未統合の記録」という。)が五千万件あることや社会保険庁が昨年八月以降実施している年金記録相談の特別強化体制において、社会保険庁や市町村(特別区を含む。)が保有する記録にはないが被保険者等が保有する領収書等により、当該者の年金記録の訂正を社会保険庁において行った件数が、昨年十二月末までに五十五件生じている状況等を踏まえれば、これを放置することは、年金記録に対する国民の信頼を損ねることになると認識している。これに対しては、未統合の記録の統合等行うべきことはすべて行うとの方針の下に速やかに対策を講じることが必要であり、このため、年金記録をめぐる諸問題に係る対応策を基本方針二〇〇七に記載したものである。
 なお、年金記録をめぐる諸問題については、現在、政府部内において、事実関係の調査を行っているところである。また、本年六月十四日より開催されている総務大臣の下に置かれた年金記録問題検証委員会において、今回の問題の発生の経緯、原因、責任の所在等について検証を行っており、その結果も踏まえ、政府として適切に対処することとしている。

十九から二十一までについて

 日本経済は、物価が持続的に下落するという意味でのデフレ状況にはないが、再びデフレ状況に戻る可能性を排除できないことから、デフレから脱却したとまでは判断していない。政府として、海外経済の動向などにみられるリスク要因を考慮しつつ、このデフレ状況に戻る可能性がないかどうか、注視していく必要があると認識している。

二十二について

 政府としては、守るべきものはしっかりと守るとの方針の下、日豪EPA交渉に取り組んでいくこととしているが、守るべきものが何かを具体的に明確にすることについては、交渉の帰趨に関する予断を招き、我が国の交渉上の立場を損なうおそれがあることから回答を差し控えたい。



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