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答弁本文情報

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平成十九年七月十日受領
答弁第四七六号

  内閣衆質一六六第四七六号
  平成十九年七月十日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員阿部知子君提出「社会福祉士試験漏洩疑惑」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員阿部知子君提出「社会福祉士試験漏洩疑惑」に関する質問に対する答弁書



1について

 お尋ねの「漏洩疑惑」の意味するところが必ずしも明らかではないが、厚生労働省としては、本年二月五日の匿名の電子メールにより、日本社会事業大学において昨年十二月十九日から同月二十二日まで実施された学内模擬試験解説講座(以下「解説講座」という。)のテキストにおいて、本来公表されない社会福祉士試験委員(以下「試験委員」という。)が担当する出題分野(以下「担当分野」という。)の一部が当該試験委員の氏名とともに記載されていること等について、また、本年三月二十六日のマスメディアからの取材を通じて、第十九回社会福祉士試験の問題が漏洩していた可能性があること等の具体的な情報があることについて、それぞれ承知したところである。

2の(1)及び3について

 厚生労働省としては、社会福祉士試験の実施に関する事務を行う財団法人社会福祉振興・試験センター(以下「試験センター」という。)に対し、本年二月七日に、解説講座で配布された冊子を入手し、問題がないか検証するよう指示を行い、同年三月二十六日に、御指摘の「D教授」及び「C教授」への事情聴取を行うよう指示を行ったところである。
 御指摘の「D教授」に対しては、本年三月十六日に、試験センターの理事長が試験センターの事務所において事情聴取を行っており、厚生労働省は、同月二十六日に当該事情聴取の結果について報告を受け、社会福祉士試験を担当する部局の職員各一名が、同年四月五日及び同月十四日に日本社会事業大学において、さらに、同年六月七日に電話で、それぞれ事情聴取を行ったところである。
 また、御指摘の「C教授」に対しては、本年三月二十九日に、試験センターの理事長が国際電話で事情聴取を行っており、厚生労働省は、同日に当該事情聴取の結果について報告を受けたところである。
 これらの事情聴取は適切に行われたものと考えているが、これらの事情聴取に要した時間については、正確な記録が残っていないため、お答えすることは困難である。

2の(2)について

 試験委員の氏名については、社会福祉士試験を実施する前に公表しており、第十九回社会福祉士試験においては、試験委員の氏名や問題の出題基準については、解説講座の前に公表されていたところである。
 また、御指摘の「D教授」に事実関係を確認したところ、担当分野については、これらの公表された情報及び一般的に明らかな試験委員の学術的な専門領域に基づき推測したものとの回答を得ており、当該回答が虚偽のものであると証するに足る事実は把握していない。

2の(3)について

 各試験委員の担当分野については公表していないため、お尋ねの解説講座のテキストにある第十五回社会福祉士試験及び第十六回社会福祉士試験の担当分野の記載が正しいか否かについては、お答えすることは差し控えたい。
 御指摘の「D教授」が解説講座のテキストにおいて、「D教授」が試験委員を務めていた第十五回社会福祉士試験及び第十六回社会福祉士試験の担当分野の一部を記載したことについては、一般的に明らかな試験委員の学術的な専門領域から容易に担当分野を推測することが可能であることから、社会福祉士及び介護福祉士法(昭和六十二年法律第三十号)第十六条第一項に規定する秘密保持義務に違反するものと断定することまではできないものと考えている。
 また、御指摘の「D教授」に対する事情聴取については、2の(2)についてで述べたとおりである。

2の(4)について

 試験問題の作成過程については公表していないため、学生の証言の内容が正しいか否かについては、お答えすることは差し控えたい。厚生労働省としては、2の(1)についてで述べたとおり、社会福祉士試験を担当する部局の職員一名が、本年六月七日に電話で御指摘の「D教授」に対して事情聴取を行い、解説講座の中で御指摘の学生の証言のような発言をしたか否かについては記憶が定かでないが、試験問題の作成過程について、御指摘の「A教授」、「B教授」及び「C教授」から情報提供を受けたことはないとの回答を得ており、当該回答が虚偽のものであると証するに足る事実は把握していない。

4の(1)から(3)までについて

 厚生労働省は、御指摘の平成十八年十二月二十五日付けの文書について、日本社会事業大学から事前の相談は受けていない。同大学は、解説講座について、厚生労働省に報告する義務はないが、厚生労働省としては、同大学から本年三月二十六日に、解説講座のテキストにおいて担当分野の一部が記載されていたこと、同大学が御指摘の「D教授」に確認したところ、一般的に明らかな試験委員の学術的な専門領域に基づく推測で担当分野の一部を記載したとの回答が得られたものの、対外的に誤解を生むおそれがあったために当該文書を郵送したこと等の報告を受けたところである。

5について

 厚生労働省としては、この答弁書でこれまでに述べたとおりの対応を行ったほか、試験センターから、漏洩していた可能性があるとの指摘のあった第十九回社会福祉士試験の問題と解説講座の問題との比較を行った結果、漏洩はないものと考えられる旨の報告を受けていることから、現時点において、お尋ねのような更なる調査を行うことは考えていない。



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