答弁本文情報
平成十九年七月十日受領答弁第四七九号
内閣衆質一六六第四七九号
平成十九年七月十日
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員辻元清美君提出政府の「日本のミサイル防衛計画」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員辻元清美君提出政府の「日本のミサイル防衛計画」に関する質問に対する答弁書
一の1について
一般論としては、テロリストによるものであるか否かにかかわらず、弾道ミサイルは遠距離にある目標を攻撃することが可能である。また、テロリスト等の非国家主体による大量破壊兵器及びその運搬手段の取得・使用について、各国で懸念が共有されているところである。
イージス艦による迎撃については、これまで米国において実施された迎撃試験において、米国政府の発表によれば十一回中九回成功しているものと承知している。また、ペトリオット・ミサイルPAC−三については、平成十五年の米国等によるイラクに対する武力行使の際に現地に展開し、迎撃範囲内のすべての弾道ミサイルの迎撃に成功したとの発表が米国政府によりなされたと承知している。さらに、弾道ミサイル防衛システムについては、我が国としても独自に分析を行っており、これら過去の試験等の結果にかんがみれば、当該システムの技術的信頼性は高く、我が国の領域に飛来する弾道ミサイルの迎撃に成功する確率は相当に高いものと考えている。しかしながら、当該確率については、発射される弾道ミサイルの種類、発射場所及び着弾場所等様々な要素によっても変化するものであるなどの事柄の性質上確たる数値をお示しすることは困難である。
我が国が今般導入する迎撃ミサイルであるSM−三については、射程約千キロメートル級の弾道ミサイルに対処し得るよう設計されており、我が国から遠距離にある他国へ向かうような弾道ミサイルは、高々度を高速度で飛翔するため、このような弾道ミサイルを撃墜することは技術的に極めて困難である。
現在、我が国が導入を進めている弾道ミサイル防衛システムは、あくまでも我が国を防衛することを目的とするものであり、弾道ミサイル等が我が国に向けて飛来することを確認した上で、迎撃することとしている。