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平成十九年八月三十一日受領
答弁第一九号

  内閣衆質一六七第一九号
  平成十九年八月三十一日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員長妻昭君提出安倍総理大臣の「消えた年金」問題に関する発言等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員長妻昭君提出安倍総理大臣の「消えた年金」問題に関する発言等に関する質問に対する答弁書



一について

 御指摘の発言については、政治家個人として行われたものと承知しており、政府としてお答えする立場にない。

二の1及び2について

 御指摘の安倍内閣総理大臣の指示については、本年二月十四日に衆議院厚生労働委員長に対し、「国民年金・厚生年金の納付した保険料の記録が消滅する事案等に関する予備的調査(松本剛明君外四十二名提出、平成十八年衆予調第四号)についての報告書」が提出され、社会保険オンラインシステムによって管理している基礎年金番号が付されていない又は基礎年金番号に統合されていない年金手帳記号番号に係る記録(以下「未統合の記録」という。)が約五千万件あることが報告され、この報告について、実態を詳しく精査するよう、厚生労働省に対して行われたものである。
 社会保険庁においては、年金記録の問題について、年金記録の相談の状況及び結果から実態の把握に努めるとともに、本年五月十一日に、年齢階層別の未統合の記録のデータを公表したところである。
 また、本年七月二十五日の第一回年金業務・社会保険庁監視等委員会及び同月二十六日の同委員会委員による社会保険業務センター視察において、社会保険庁長官等に対し、約五千万件の未統合の記録の精査について聴取が行われ、その内容はまだ十分検証できていないとの回答があったところであるが、これは、精査する項目等について詳細を検討中であるため、具体的な作業については準備中であるという趣旨で回答したものである。

二の3について

 御指摘の意見具申及びそれを踏まえた総務大臣の厚生労働大臣に対する勧告は、厚生労働省に対する内閣総理大臣の指示にかんがみて、社会保険庁の対応が十分でないとの認識に至ったため、厚生労働省において詳細な作業工程を示すことを求めたものである。お尋ねの精査の具体的な項目については、その作業工程の中に盛り込まれるものであり、意見具申及び勧告においては明示していない。

二の4について

 社会保険庁においては、本年七月五日に年金業務刷新に関する政府・与党連絡協議会において取りまとめた「年金記録に対する信頼の回復と新たな年金記録管理体制の確立について」に基づき作業を進める一環として約五千万件の未統合の記録についての精査を行う旨を明らかにしたところであり、「隠蔽体質」及び「かばい続ける」との御指摘は当たらない。
 なお、村瀬社会保険庁長官は、日本年金機構法(平成十九年法律第百九号)の成立等により、社会保険庁改革に一定の道筋が示されたことを契機に、本年八月三十一日付けで退官したところである。

三について

 社会保険庁及びその所管する独立行政法人と株式会社損害保険ジャパン及びその子会社(以下「損害保険ジャパン等」という。)との間には、取引関係はなく、また同庁が所管する公益法人と損害保険ジャパン等との間には、自動車保険契約等が存在している。また、同庁においては、平成十九年八月一日現在において、株式会社損害保険ジャパンより三名を非常勤職員として配置している。

四について

 社会保険庁職員による年金保険料の着服及び年金給付金の不正受領に係る事案のうち未公表となっているもの、市町村職員等による年金保険料の着服に係る事案のうち未公表となっているもの並びに会計検査院法(昭和二十二年法律第七十三号)第二十七条に基づく報告を行っていなかった事案について、現在調査中であり、現時点でお答えすることは困難である。

五について

 お尋ねについては、昨年八月から社会保険庁において実施している年金記録相談の特別強化体制において受けた相談の中で、本年三月末までの事例として把握できたものについて、一か月以内に公表できるよう努めてまいりたい。

六について

 社会保険事務所における被保険者記録が記されたマイクロフィルム及び紙台帳の保管状況並びに市町村が保有する国民年金被保険者名簿の保管状況については、社会保険庁のホームページにおいて本年八月二十三日現在の状況を掲載しているところである。
 また、社会保険庁のマイクロフィルム記録や市町村が保有する国民年金被保険者名簿等の記録と、社会保険オンラインシステムにおいて管理する記録の突合せ作業を計画的に実施し、その進捗状況を半年ごとに公表することとしているところであるが、現在、その実施に当たっての具体的な手法等について検討しているところであり、現時点では、お尋ねの「人・モノ・カネ」等についてお答えすること及びお答えできる時期を示すことは困難である。

七について

 年金記録問題検証委員会(以下「検証委員会」という。)は、その判断により、社会保険庁に対して検証に必要と考えられる資料の要求を行っているところであるが、資料要求の項目など、検証委員会における調査・検証の進め方の詳細については、検証委員会の性質上、その事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある等の理由から、お示しすることはできない。

八の1について

 厚生年金基金を脱退したことにより企業年金連合会に移換された納付記録のうち、厚生年金基金の加入期間が十五年未満の件数については、平成十八年度末で約二千六百二十一万四千件となっている。
 また、厚生年金基金が解散したことにより企業年金連合会に移換された納付記録の件数については、平成十七年度末で約二百二十二万八千件となっている。

八の2及び3について

 御指摘の「請求漏れ」の意味するところが明らかでないため、お答えすることは困難であるが、企業年金連合会が支給する年金たる給付は、老齢厚生年金の一部を代行するものであり、受給が可能な年齢以後において裁定の請求が行われていない原因としては、単に請求を忘れている場合のほか、受給が可能な年齢以後において、個人の選択により、裁定の請求を行わない場合や厚生年金の裁定が行われていないため、裁定の請求を行っていない場合なども含まれていると考えられる。
 社会保険庁においては、厚生年金基金加入員期間を有する受給権者に係る裁定を行った場合は、住所情報など必要な情報を企業年金連合会に対し提供しており、これを受けて、企業年金連合会においては、当該受給権者に対し裁定請求書を送付している。さらに、企業年金連合会においては、受給が可能な年齢以後の裁定の請求を促す観点から、五十九歳十一か月に到達した者又は六十五歳に到達した者のうち、それぞれ社会保険庁から住所情報などの提供を受けていない者に対し、裁定請求書を送付している。

八の4について

 八の2及び3についてで述べたとおり、社会保険庁においては、厚生年金基金加入員期間を有する受給権者に係る裁定を行った場合は、住所情報など必要な情報を企業年金連合会に対し提供している。
 企業年金連合会が郵送する裁定請求書については、五十九歳十一か月に到達した者に郵送するもの以外にも様々なものがあり、あて先不明で返却された割合についてはそれを区別して集計していないため、お尋ねについて、現時点でお答えすることは困難である。なお、平成十八年度に企業年金連合会が送付したすべての裁定請求書のうち、返戻されたものの割合は約十九パーセントである。

九の1及び2について

 御指摘の「請求漏れ」の意味するところが明らかでないため、お答えすることは困難であるが、確定拠出年金における老齢給付金については、受給が可能な年齢以後において、個人の選択により、七十歳までの間、受給を開始することなく運用指図を行うことが可能であり、受給が可能な年齢以後において裁定の請求が行われていない原因としては、単に請求を忘れている場合のほか、個人の選択により受給を開始することなく運用指図を行っている場合などが含まれていると考えられる。
 このため、確定拠出年金の記録関連運営管理機関においては、受給が可能な年齢以後の裁定の請求を促す観点から、受給が可能となる年齢に到達する前等に、加入者等に対し、裁定請求の手続に関するお知らせを送付している。



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