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平成二十年三月十八日受領
答弁第一五四号

  内閣衆質一六九第一五四号
  平成二十年三月十八日
内閣総理大臣 福田康夫

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員古本伸一郎君提出税源移譲による『住宅ローン減税』への影響に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員古本伸一郎君提出税源移譲による『住宅ローン減税』への影響に関する質問に対する答弁書



一、六、十三及び十四について

 平成十八年度税制改正において講じられた平成十九年における所得税から個人住民税への税源移譲は、地方分権の一層の推進を図るため、国・地方の三位一体改革の一環として、所得税から個人住民税所得割へ約三兆円の税源を移し替えるものであり、所得税と個人住民税所得割に係る新税率については、いずれも平成十九年中から適用することとしたものである。その際、個々の納税者の税負担の年額について、年間の所得等が変動しない場合には、税源移譲の前後で所得税と個人住民税所得割を合わせた税額が基本的に変わらないよう制度設計したところである。
 平成十八年以前に入居し、税源移譲実施前から所得税の住宅ローン控除(租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第四十一条第一項に規定する住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除をいう。以下同じ。)の適用を受けている者(以下「平成十八年以前入居者」という。)については、税源移譲の実施に伴い所得税負担が減少することから税源移譲実施後に引き続き適用される所得税の住宅ローン控除の控除額が減少する場合がある。平成十八年以前入居者については、入居時点の所得税制度に基づく所得税の住宅ローン控除の控除額の適用を想定していることに配慮し、税源移譲実施後においても当該控除額に相当する税負担の軽減効果を確保するため、平成十八年度税制改正において、個人住民税の住宅ローン控除の特例(地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)附則第五条の四に規定する個人の道府県民税及び市町村民税の住宅借入金等特別税額控除をいう。以下同じ。)が講じられているところである。
 他方で、税源移譲実施後の平成十九年に入居した者又は平成二十年に入居した若しくは入居する者(以下「平成十九年以後入居者」という。)は、入居時点の所得税制度を前提として住宅の取得等をするものであり、平成十八年以前入居者と同列に論じることは適当ではなく、個人住民税の住宅ローン控除の特例は講じられていない。
 なお、平成十九年以後入居者については、平成十九年度税制改正において、所得税の住宅ローン控除の特例(租税特別措置法第四十一条第三項に規定する住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除をいう。以下同じ。)を創設し、中低所得者層の計画的な持家取得を促進する観点から、控除期間を十年から十五年とするなど、所得税の住宅ローン控除を拡充したところである。

二から五までについて

 平成二十年二月二十二日の衆議院財務金融委員会においては、平成十九年に入居した者に対して税源移譲前住宅ローン控除(税源移譲実施前の所得税制度に基づく所得税の住宅ローン控除をいう。以下同じ。)及び所得税の住宅ローン控除等(所得税の住宅ローン控除又は所得税の住宅ローン控除の特例をいう。以下同じ。)をそれぞれ適用したと仮定した場合の適用期間全体にわたる減収額累計について質問があり、税務統計における実績値を基に、借入金残高、借入期間、所得金額等について一定の前提を置いて機械的に試算した結果、税源移譲前住宅ローン控除による減収額累計を七千百億円程度、所得税の住宅ローン控除等による減収額累計を六千五百億円程度、差引六百億円程度と見込んだところである。この機械的試算によれば、六百億円程度の差額の内訳は、給与収入四百万円超七百万円以下の階級において五百億円程度、給与収入四百万円以下の階級において百億円程度となるが、お尋ねの一定の属性をもつ平成十九年以後入居者への影響については、その借入金残高、借入期間、所得金額等によって区々となることから把握することは困難である。
 一、六、十三及び十四についてで述べたように、平成十九年以後入居者は、入居時点の所得税制度を前提として住宅の取得等をするものであり、平成十八年以前入居者と同列に論じることは適当ではないと考える。

七について

 平成十八年度税制改正において講じられた税源移譲及び個人住民税の住宅ローン控除の特例並びに平成十九年度税制改正において講じられた所得税の住宅ローン控除の特例については、政府広報においては政府広報ホームページ、新聞、雑誌等、総務省においては総務省ホームページ、広報誌「総務省」等、財務省においては財務省ホームページ、パンフレット等、国税庁においては国税庁ホームページ、「確定申告の手引き」等により、国民各層へ周知を図っている。

八について

 一、六、十三及び十四についてで述べたように、平成十九年以後入居者については、平成十九年度税制改正において、所得税の住宅ローン控除の特例を創設し、中低所得者層の計画的な持家取得を促進する観点から、控除期間を十年から十五年とするなど、所得税の住宅ローン控除を拡充したところである。

九について

 給与所得者に係る二年目以後の各年の所得税の住宅ローン控除等については、租税特別措置法第四十一条の二の二の規定により、確定申告の手続を行わず、年末調整の段階で適用を受けることができることとされている。

十について

 個人住民税の住宅ローン控除の特例については、当該特例の適用を受けようとする個人住民税所得割の納税義務者が、原則として当該年度の初日の属する年の三月十五日までに、個人住民税の住宅ローン控除の特例に関する事項を記載した申告書(以下「特例申告書」という。)を、当該年度の初日の属する年の一月一日現在における住所所在地の市町村長に提出した場合に限り、適用することとされている。なお、特例申告書は、税務署長を経由して市町村長に提出することも可能であり、提出の方法については、郵送によることも可能である。

十一について

 七についてで述べたように、個人住民税の住宅ローン控除の特例については、平成十九年七月から現在までの間に、政府広報においては政府広報ホームページ、新聞、雑誌等、総務省においては総務省ホームページ、広報誌「総務省」等により、国民各層へ周知を図ってきている。また、都道府県及び市区町村においても総務省と全国地方税務協議会が共同で作成したポスター及びリーフレットの掲示及び配布のほか、大半の市区町村において個人住民税の住宅ローン控除の特例の適用対象となり得る者に対するリーフレットの送付を行うなど、国民各層への周知を実施していると承知している。なお、財務省においては財務省ホームページ、パンフレット等、国税庁においては国税庁ホームページ、「確定申告の手引き」等により、国民各層へ周知を図っている。
 また、個人住民税の住宅ローン控除の特例については、当該年度の初日の属する年の三月十五日までに特例申告書を提出しなかった場合でも、個人住民税の納税通知書が送達される時までに特例申告書を提出したときは個人住民税の住宅ローン控除の特例が適用されることから、提出期限後も引き続き個人住民税の住宅ローン控除の特例の適用対象者で特例申告書を提出していない者に対する周知を図っていくこととしている。さらに、個人住民税の納税通知書が送達される時までに特例申告書が提出されなかったことについて、市町村長においてやむを得ない理由があると認めるときは、個人住民税の住宅ローン控除の特例を適用できることとする内容を含む「地方税法等の一部を改正する法律案」を今国会に提出しているところである。

十二について

 十についてで述べたように、個人住民税の住宅ローン控除の特例の適用を受けるためには、毎年度、当該年度の初日の属する年の一月一日現在の住所所在地の市町村長に対し特例申告書を提出することが必要となるが、この特例申告書の提出については、地方税法の規定に基づく他の申告書の提出の場合と同様、基本的に納税者の負担により行っていただくものである。

十五について

 七についてで述べたように、平成十八年度税制改正の内容及び平成十九年度税制改正の内容については、政府広報等により国民各層へ周知を図っている。
 なお、一、六、十三及び十四についてで述べたように、平成十九年以後入居者については、平成十九年度税制改正において、所得税の住宅ローン控除の特例を創設し、中低所得者層の計画的な持家取得を促進する観点から、控除期間を十年から十五年とするなど、所得税の住宅ローン控除を拡充したところである。



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