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答弁本文情報

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平成二十年三月二十八日受領
答弁第一九四号

  内閣衆質一六九第一九四号
  平成二十年三月二十八日
内閣総理大臣 福田康夫

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員平岡秀夫君提出新貸金業法の影響に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員平岡秀夫君提出新貸金業法の影響に関する質問に対する答弁書



1について

 消費者向け大手貸金業者を中心に、個人向けの貸付金利について二十パーセント以下に引き下げる動きが見られ、新規与信審査の厳格化により、新規借入申込件数に対する貸付契約の成立割合である新規成約率は、消費者向け大手貸金業者四社で平成十八年三月において六十三・八パーセント、平成十九年三月において四十三・八パーセント、平成二十年一月において三十二・六パーセントと低下してきていると承知している。
 また、消費者向け大手貸金業者四社の貸付残高は、主として過払金返還請求の増大や貸倒れの増加により、平成十八年三月末時点五兆九千四百四十四億円、平成十九年三月末時点五兆四千百八十七億円、同年十二月末時点四兆九千四百九十九億円と減少してきていると承知している。
 上限金利の引下げ等を内容とする貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律(平成十八年法律第百十五号)の完全施行の施行期日は、平成十九年十二月十九日から二年半以内で政令で定める日であるが、政府としては、前述の新規成約率の低下は、貸金業者がそれまでの間に利息制限法(昭和二十九年法律第百号)の上限金利以下の貸付金利の下でのビジネスモデルの構築を図っていく動きを踏まえたものであると承知しており、引き続き、貸金業者の貸付動向について注視していきたいと考えている。

2について

 無登録で貸金業を営むいわゆるヤミ金融についての直接的な把握は困難であるが、金融庁、財務局及び財務支局並びに都道府県に寄せられた貸金業の無登録営業に係る苦情・相談件数については、平成十五年度において二万六千二百三十一件、平成十六年度において一万七千二十二件、平成十七年度において二万三百六十四件、平成十八年度において一万九千七十五件(うち四月から十二月までにおいて一万四千八百十八件)、平成十九年四月から十二月までにおいて一万千五百三十一件となっている。
 政府としては、平成十九年四月二十日に、多重債務者対策本部により決定された「多重債務問題改善プログラム」にのっとり、いわゆるヤミ金融の撲滅に向けた取締りの徹底、監督当局による警察への積極的な情報提供や被害相談を受けた場合の無登録業者への電話による警告の実施などに引き続き取り組んでまいりたい。

3について

 「多重債務問題改善プログラム」においては、既存の借り手を対象とした債務整理や生活再建のための相談を受ける窓口の整備・強化、当該相談を前提としたいわゆるセーフティネット貸付けの提供等の施策に国、地方公共団体及び関係団体が一体となって取り組むことが示されており、これらの関係者において当該プログラムに基づく取組が進められていると認識している。

4について

 貸金業者数は、昭和五十八年の貸金業の規制等に関する法律(昭和五十八年法律第三十二号)の施行以後、昭和六十一年三月末の四万七千五百四業者をピークに趨勢的に減少傾向にあり、特に平成十六年の貸金業の規制等に関する法律及び出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の一部を改正する法律(平成十五年法律第百三十六号)の施行以後大幅に減少し、平成十九年三月末において一万千八百三十二業者、直近では、平成二十年一月末において九千八百十九業者となっている。
 また、最近の都道府県知事登録の貸金業者に対する行政処分のうち、高金利を処分事由とする行政処分の件数は、平成十八年度において二百件、平成十九年度(平成二十年三月十八日まで)において百八十六件となっている。
 政府としては、引き続き、貸金業者数の推移を迅速に把握するとともに、都道府県監督当局等とも連携を図りながら、貸金業者が法令を遵守するよう適切に監督してまいりたい。

5について

 貸金業者に対する過払金返還請求権については、消滅時効の対象であり、その時効期間が十年であるとする司法判断(最高裁判所昭和五十五年一月二十四日第一小法廷判決、民集三十四巻一号六十一頁)が示されていると承知している。

6及び7について

 民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百九条は、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」と、会社法(平成十七年法律第八十六号)第四百二十九条第一項は、「役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。」と規定しているところであるが、具体的な私人間の法律関係の取扱いについてお答えすることは差し控えたい。



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