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答弁本文情報

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平成二十年五月十三日受領
答弁第三二〇号

  内閣衆質一六九第三二〇号
  平成二十年五月十三日
内閣総理大臣 福田康夫

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員保坂展人君提出カネミ油症問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員保坂展人君提出カネミ油症問題に関する質問に対する答弁書



(1)について

 カネミ油症事件については、ポリ塩化ビフェニル、ポリ塩化ジベンゾフラン等が混入したこめ油の製造及び販売を行ったカネミ倉庫株式会社にその発生の責任があり、その当時、当該こめ油による健康被害発生の危険の切迫を容易に知り得るべき状況になかった国に同事件の発生の責任はないものと考えている。
 政府としては、同事件の発生後、食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)その他関係法令に基づき、地方公共団体と連携し、被害拡大防止のために適切に対応するとともに、同様の事件の発生を防止するため、同法に基づく規制を強化するなどの対策を講じたところである。さらに、カネミ油症患者の治療法の確立等のため、油症研究班が行う調査研究に対する補助を行うなどの措置を講じてきたところであり、カネミ油症事件に係る対策が遅れていたとは考えていない。

(2)について

 政府としては、昭和四十三年十月に、患者の発生が見られた地方公共団体に対して、カネミライスオイルの流通経路を把握し、疫学的調査を行うこと等を指示し、当該調査の結果も踏まえ、カネミ油症事件に係る対策を講じてきたところであり、御指摘の調査を改めて実施する必要はないものと考える。

(3)について

 政府としては、カネミ油症被害患者に対しては、現行の社会保障制度に基づき必要な医療保障及び所得保障が行われてきていると考えている。また、お尋ねの「公害・薬害被害」との比較については、国の被害発生の責任の有無等国が救済措置を行うこととしている具体的な事情を考慮する必要があると考える。

(4)について

 油症診断基準については、油症研究班において、科学的・医学的知見に基づき平成十六年にダイオキシン類の血中濃度を基準に盛り込む改定を行ったところであり、現在の診断基準は妥当なものであると考える。今後、新たな科学的・医学的知見が得られれば、油症研究班が、必要に応じて同診断基準を見直し、これにより、現在未認定の者であっても、新たに認定される可能性があるものと考える。

(5)について

 厚生労働省としては、油症研究班の調査研究に対する国庫補助金の使途について、同研究班から報告を受けているところであり、その内容については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)に基づく開示請求があれば開示するものである。
 油症研究班は、世界的にも、治療法や化学物質の体外排出法の確立には至っていない中で、ダイオキシンの排泄促進効果が期待されるコレスチミドによる臨床試験や漢方療法に積極的に取り組んでいるものと認識している。
 また、御指摘の「健康実態調査」については、平成二十年度に初めて厚生労働省が関係都府県に委託し実施することとしているものであり、御指摘のように以前から油症研究班を「主軸」として実施しているものではない。なお、同調査については、これを効果的に実施するため、油症研究班と連携して実施することとしている。

(6)について

 御指摘の政府米保管費用については、「カネミ油症事件に関する措置について」(昭和六十年二月二十二日法務・厚生・農林水産三大臣確認事項)に基づき、カネミ倉庫株式会社に支出しているものであり、現時点において、この仕組みを変更することは考えていない。



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