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平成二十年五月十六日受領
答弁第三五八号

  内閣衆質一六九第三五八号
  平成二十年五月十六日
内閣総理大臣 福田康夫

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員保坂展人君提出改正建築基準法等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員保坂展人君提出改正建築基準法等に関する質問に対する答弁書



一の1及び2について

 独立行政法人都市再生機構(以下「機構」という。)から聴取したところによれば、日本住宅公団、住宅・都市整備公団又は都市基盤整備公団が分譲した住宅(以下「旧公団分譲住宅」という。)であって、平成十八年四月二十五日現在で機構の文書の管理に関する規程により構造計算書の保存を要するものは五千九百五十二棟あり、それらのうち、平成十九年十二月二十八日現在で構造計算書の保存が確認できず、これを紛失したと考えられるものは、千三百十七棟であるとのことである。

一の3について

 機構から聴取したところによれば、旧公団分譲住宅の構造計算書の所在を確認するため、平成十七年十一月以降、本社から各支社等に対し、三回にわたる調査の指示を行い、各支社等においては、事務所、倉庫等の調査を行ったほか、構造計算書の保存が確認できない場合には、旧公団分譲住宅の設計又は建設工事を行った設計事務所又は施工業者にも問い合わせるなど、できる限り、その所在の確認に努めてきたとのことである。

一の4について

 機構から聴取したところによれば、旧公団分譲住宅の構造計算書については、機構の文書の管理に関する規程により、機構の支社又は地域支社における建築物の設計を担当する部の長が文書管理者としてその管理に関する事務を行うこととされているとのことである。

一の5について

 機構から聴取したところによれば、設計図書に基づき建設工事が施工された後においては通常ほとんど使用することがない構造計算書を適切に管理するために必要な文書管理の方法の周知徹底が不十分であったことが大きな要因であると考えているとのことである。

一の6について

 お尋ねの「行政処分」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一の1及び2についてでお答えした構造計算書の紛失に関し、平成十八年五月二十三日付けで、国土交通大臣が、組織の長として総括責任を負う機構の理事長に対し、文書による厳重注意を行ったところであり、機構においても、機構の理事長が、技術管理を担当する理事及び文書管理を担当する理事に対し、文書による厳重注意を行うなど、再発防止のため必要な措置を講じたとのことである。

一の7について

 お尋ねの「構造計算書再提出」の意味するところが必ずしも明らかではないが、機構から聴取したところによれば、住宅・都市整備公団が分譲した住宅の一部について、構造計算書を紛失したため、設計図書を基に再度構造計算書を作成し、その後、当初設計に瑕疵があったこと及び再度作成した構造計算書に不適切な部分があったことが判明した事案があるが、構造計算書を偽装した事実はないとのことである。なお、この事案に関し、平成十八年十一月二十九日付けで、国土交通大臣が、組織の長として総括責任を負う機構の理事長に対し、文書による厳重注意を行ったところであり、機構においても、機構の理事長が、技術管理を担当する理事及び当該住宅の構造計算書の管理を担当する支社長に対し、文書による厳重注意を行うなど、再発防止のため必要な措置を講じたとのことである。

一の8について

 お尋ねの「耐震強度不足で建て替えたもの」の意味するところが必ずしも明らかではないが、機構から聴取したところによれば、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)の構造耐力に関する規定に違反する旧公団分譲住宅を除却するとともに、これらの存していた土地の全部又は一部に新たに住宅を建設した事例はないとのことである。なお、住宅・都市整備公団が平成元年から平成四年までの間に分譲した住宅で施工上の瑕疵により設計上予定されていた性能が確保されていないと認められるもの(以下「施工瑕疵住宅」という。)であって、補修を行うこととしたものが二十三棟あり、また、施工瑕疵住宅であって、技術的には補修によることが可能であるものの、補修によることとした場合に要する費用及び期間を考慮して、改築を行うこととしたものが二十棟あるとのことである。

一の9について

 機構から聴取したところによれば、施工瑕疵住宅の補修又は改築に要した費用は、平成十九年度末までに約四百九十億円となっており、その財源は、機構の宅地造成等の業務による収入であるとのことである。

一の10について

 機構から聴取したところによれば、施工瑕疵住宅について、施工上の瑕疵を発生させた建設工事の元請負建設業者三十八社に対し、工事請負契約に基づく損害賠償の請求を行い、当該元請負建設業者のうち、二十一社については中央建設工事紛争審査会による建設工事の請負契約に関する紛争処理の手続が行われているところであり、一社については訴訟が係属中であるとのことである。また、平成十九年度末までにおいて、和解又は中央建設工事紛争審査会による仲裁により当該元請負建設業者から支払を受けた金額の合計額は、約二十七億円となっているとのことである。

一の11及び13について

 機構から聴取したところによれば、施工瑕疵住宅は、施工業者の極めて不適切な施工により、設計上予定されていた性能が確保されていないと認められることとなったものであるとのことである。一方、姉歯秀次元建築士により構造計算書が偽装された建築物は、当該構造計算書の偽装により、建築基準法の構造耐力に関する規定に違反することとなったものである。

一の12について

 機構から聴取したところによれば、施工瑕疵住宅は、昭和六十三年から平成四年までの間に施工されているとのことである。一方、姉歯秀次元建築士により構造計算書が偽装された建築物は、平成九年から平成十六年までの間において建築基準法第六条第一項の確認又は同法第六条の二第一項の確認(以下「建築確認」と総称する。)を受けたものであり、それぞれ当該建築確認を受けた後の数年間が施工時期であると考えられる。

一の14について

 機構から聴取したところによれば、旧公団分譲住宅については、耐震性に関する情報の提供等を行うこととしており、また、機構が建設する住宅については、機構の職員が行う検査の回数を増加させるとともに、複雑な設計に基づく工事については複数の者により監督することとするなど、施工上の瑕疵の発生を防止するため必要な措置を講じたとのことである。

一の15について

 老朽化した共同住宅の建替えで市街地の整備改善に資するもの等については、国又は地方公共団体の補助の対象となることがあるが、機構による施工瑕疵住宅の補修又は改築については、国の財政支援は行われていないところである。

一の16について

 機構から聴取したところによれば、機構が設立時に都市基盤整備公団及び地域振興整備公団から承継した十六兆二千七百七十一億円の有利子負債については、平成四十六年度までに償還することとしているとのことである。また、平成十七年七月一日に機構が策定した「経営改善に向けた取組みについて」によれば、機構が設立された時の繰越欠損金七千二百八十八億円を平成三十年度までに解消することを目指した取組を進めることとされており、平成十八年度末においては、繰越欠損金は四千九百五十五億円となっているところである。

一の17について

 機構から聴取したところによれば、その経営改善に向けた取組として、平成十九年度からおおむね五年間で職員の本給の水準を四・八パーセント引き下げるなど、役職員の給与について見直しを進めるとともに、機構の中期計画に基づき、平成十三年度の常勤職員数の約二割にあたる約千人を平成二十年度末までに削減し、また、「独立行政法人整理合理化計画」(平成十九年十二月二十四日閣議決定)に基づき、平成二十五年度末までに平成二十年度末の人員を二割削減し、約三千二百人とすることにより、人件費の削減を行うこととしているとのことである。

二の1について

 機構は、「特殊法人等整理合理化計画」(平成十三年十二月十九日閣議決定)に基づき、都市基盤整備公団の事業及び地域振興整備公団の地方都市開発整備等事業について、市街地整備改善事業を都市再生を図るものに限定すること、新規の宅地分譲事業を廃止すること、自ら土地を取得して行う賃貸住宅の新規建設は行わないこと等の措置を講じた上で、独立行政法人都市再生機構法(平成十五年法律第百号)に基づき設立され、同法の定めるところにより、業務を行っているところである。また、機構から聴取したところによれば、機構は、その業務の実施に当たっては、それぞれの都市の実情に応じて、できる限り民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用し、民間事業者との協力及び役割分担が適切に図られるよう努めているところであり、お尋ねの「子会社への丸投げ」に当たるような業務の実施方法によることはないとのことである。

二の2について

 お尋ねの「URが開発した宅地の建設」の意味するところが必ずしも明らかではないが、機構から聴取したところによれば、機構が、設立された平成十六年七月一日から平成十九年三月三十一日までの間において発注した宅地の造成工事(その請負契約の予定価格が二百五十万円以下の工事を除く。)を受注した者は、機構により競争参加資格の認定を受けた建設業者であり、その入札方法は、法令等の規定に基づき契約の相手方が特定されるもの、災害復旧等緊急の必要性があるものなど随意契約によることができる場合を除き、一般競争入札又は指名競争入札であるとのことである。

二の3について

 機構から聴取したところによれば、機構が設立された平成十六年七月一日から平成十九年三月三十一日までの間において機構の関係法人(独立行政法人会計基準第103、第114及び第125にいう「特定関連会社」、「関連会社」及び「関連公益法人」をいう。以下同じ。)が機構から受注した工事の請負契約(その予定価格が二百五十万円以下の請負契約を除く。以下同じ。)の金額の合計額の当該期間に機構が発注した工事の請負契約の金額の合計額に対する割合は、約四パーセントであり、このうち約九十八パーセントが随意契約によるものであるとのことである。

二の4について

 建設業法(昭和二十四年法律第百号)第二十二条第一項及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(平成十二年法律第百二十七号)第十二条の規定により、建設業者が機構から請け負った工事を一括して他人に請け負わせることは禁止されているところであり、機構から聴取したところによれば、機構から工事を請け負う建設業者との工事請負契約書においてもその旨が明記されており、機構の関係法人が機構から受注した工事についても、一括して他人に請け負わせることはしていないものと認識しているとのことである。

二の5について

 機構から聴取したところによれば、機構の関係法人の職員の正規の勤務時間の平均については、休憩時間を除き、一週間当たり約三十七時間三十分であり、また、給料の額の平均については、その提出について各関係法人の協力を得る必要があるとともに、調査に時間を要することから、お答えすることは困難であるとのことである。

二の6から11までについて

 お尋ねの「二百年住宅仕様」の意味するところが必ずしも明らかではないことから、お答えすることは困難である。なお、第百六十九回国会に提出した長期優良住宅の普及の促進に関する法律案第二条第四項第一号及び第四号の国土交通省令で定める基準並びに同項第二号及び第三号の国土交通省令で定める措置の内容については、現在検討しているところである。

三の1から3までについて

 建築物の安全性の確保を図るための建築基準法等の一部を改正する法律(平成十八年法律第九十二号。以下「改正法」という。)の施行に伴い必要となる関係政令については平成十九年一月二十七日から同年二月二十五日まで、改正法の施行に伴い必要となる関係省令については同年一月二十七日から同年二月二十五日まで、同年三月十四日から同年四月十三日まで及び同年四月十八日から四月二十七日まで、改正法による改正後の建築基準法に基づく確認審査等に関する指針(以下単に「指針」という。)については同年三月十四日から同年四月十三日まで、総務省及び国土交通省のホームページを通じて行政手続法(平成五年法律第八十八号)に基づく意見公募手続を実施したところであり、当該意見公募手続において提出された意見のうち指針の内容の全部に反対していると解される意見及び指針の内容の一部について反対していると解される意見の件数は、それぞれ十八件及び六百十件であった。また、当該意見公募手続において提出された意見については、関係政省令等に適切に反映するとともに、それらのうち主な意見の概要及びそれに対する国土交通省の考え方を国土交通省のホームページを通じて公表したところである。

三の4について

 国土交通省が取りまとめた建築着工統計によると、平成十八年に建築工事に着工した建築物の床面積の合計は一億八千八百八十七万平方メートル、同年の新設住宅着工戸数の合計は百二十九万三百九十一戸、平成十九年に建築工事に着工した建築物の床面積の合計は一億六千九十九万平方メートル、同年の新設住宅着工戸数の合計は百六万七百四十一戸となっている。

三の5について

 お尋ねの「予想」は行っていない。

三の6について

 国土交通省が取りまとめた建築着工統計によれば、平成十九年十月以降の各月における建築工事に着工した建築物の床面積の合計及び新設住宅着工戸数の対前年同月比の伸び率は、それぞれ着実に改善してきており、また、建築基準法の規定による構造計算適合性判定(以下単に「構造計算適合性判定」という。)において建築物の構造計算が適正に行われたものであると判定された建築物の件数についても着実に増加してきていることから、改正法が施行された際の改正法による改正後の建築基準法及び関係政省令等の運用が建築着工に及ぼした影響については解消されつつあると考えている。なお、景気回復がこのところ足踏み状態にある中で、住宅市場についても、原油価格の高騰に伴う資材価格の高騰、分譲マンション販売に係る在庫数量の増加等の懸念材料もあることから、引き続き、今後の動向を注視して参りたい。

三の7について

 民間信用調査機関の調べによれば、建設業に属する事業を行う者(その負債の合計額が千万円以上のものに限る。)について、民事再生手続開始の申立て、会社更生手続開始の申立て、破産手続開始の申立て又は特別清算開始の申立てが行われた件数は、平成十八年においては二千六百六件、平成十九年においては二千九百三十九件である。

三の8について

 建築確認及び建築着工の減少の影響を受ける中小企業については、政府系中小企業金融機関、信用保証協会等に特別相談窓口を設置し、経営上の相談に応ずるとともに、政府系中小企業金融機関による経営環境変化対応資金の貸付け(セーフティネット貸付け)及び信用保証協会によるセーフティネット保証制度の対象業種の追加指定を行っているところであり、政府系中小企業金融機関及び信用保証協会に設置された建築関連中小企業者対策特別相談窓口において相談のあった事案のうち、平成十九年十月九日から平成二十年五月九日までの間における政府系中小企業金融機関が融資を承諾した件数及び信用保証協会が保証を承諾した件数は、それぞれ二千百八件及び九千二百二十六件であり、一定の効果が上がっているものと考えている。

三の9について

 関係省庁において、建築確認及び建築着工の減少に伴う経済的影響に関する情報を共有し、必要に応じ、適切な対応を行うこととしている。また、政府の責任は、建築確認の審査等が適正かつ円滑に実施されるよう建築基準法の施行に関する事務を適確に行うことにあると考えており、引き続き、これに取り組んで参りたい。なお、建設会社の責任については、倒産には様々な要因が考えられることから、一概にお答えすることは困難である。

三の10について

 お尋ねの「技術者」の意味するところが必ずしも明らかではないことから、お答えすることは困難であるが、建築物の質の向上その他建築の発達及び改善のために必要な技術者の確保に努めて参りたい。

三の11及び14について

 改正法附則第八条の規定により、政府は、改正法の施行後五年を経過した場合において改正法による改正後の建築基準法等の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとされているところであるが、建築確認の審査等が適正かつ円滑に実施されるよう建築基準法の施行に関する事務を適確に行うことに取り組んでいるところであること並びに改正法が施行された際の改正法による改正後の建築基準法及び関係政省令等の運用が建築着工の減少に及ぼした影響が解消されつつあることから、現時点において建築確認に係る制度の見直しを行うことは考えていない。

三の12について

 確認審査等に関する指針(平成十九年六月二十日国土交通省告示第八百三十五号)により、建築確認の申請後においては申請書等を訂正することは原則としてできないが、申請書等に軽微な不備がある場合には当該申請書等を補正し、又は申請書等の記載事項に不明確な点がある場合には追加説明書を提出することは認められており、建築物の安全性の確保を図るための建築基準法等の一部を改正する法律等の円滑な運用について(技術的助言)(平成十九年九月二十五日国住指第二千三百二十七号)等により、それらの具体的な事例を示すなど、建築確認の審査が適正かつ円滑に実施されるよう努めているところである。

三の13について

 本年三月に構造計算適合性判定において構造計算が適正に行われたものであると判定した結果を記載した通知書が交付されたものの件数の同月に構造計算適合性判定が行われた件数(構造計算適合性判定の申請が行われた後において建築確認の申請が取り下げられた件数を含む。)に対する割合は、約九十八パーセントである。なお、現在、国土交通省においては、構造計算適合性判定において構造計算が適正に行われていないと判定した事例を収集し、設計者等に対してそれらの事例に関する情報の提供を行うなど、建築確認の審査が適正かつ円滑に実施されるよう努めているところである。

三の15について

 「適合性判定の有効性を実務者の九割は疑っている」との御指摘については承知していないが、構造計算適合性判定の実施など、建築基準法の適切な運用を通じて、いわゆる構造計算書偽装問題の再発を防止することができるものと考えている。

三の16及び17について

 現在、建築基準法第六条の三第一項の規定により読み替えて適用される同法第六条第一項の規定に基づく政令の規定の内容について検討しているところであることから、お答えすることは困難である。

三の18について

 設備設計一級建築士については、建築士法等の一部を改正する法律(平成十八年法律第百十四号)第一条(建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第十条の次に一条を加える改正規定その他設備設計一級建築士制度の創設に関する改正規定に係る部分に限る。)は、建築士法等の一部を改正する法律の施行の日から施行され、同法による改正後の建築士法第二十条の三の規定は、建築士法等の一部を改正する法律附則第三条第十二項の規定により同法の施行の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から適用されることとされている。また、お尋ねの「想定人数」については、同法による改正後の建築士法の円滑な施行のために必要な設備設計一級建築士の人数について精査中であることから、お答えすることは困難であるが、いずれにしても、所要の人数の設備設計一級建築士の確保に努めて参りたい。

三の19について

 お尋ねの「現場審査」の意味するところが必ずしも明らかではないが、建築基準法においては、同法第七条第一項又は第七条の二第一項の規定による建築物に関する完了検査及び同法第七条の三第一項又は第七条の四第一項の規定による建築物に関する中間検査について定めているところである。なお、改正法により、階数が三以上である共同住宅の床及びはりに鉄筋を配置する工事の工程のうち一定のものに係る工事の完了後には中間検査を申請しなければならないこととされたところである。

四の1について

 お尋ねの「保険の余剰金」の意味するところが必ずしも明らかではないが、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(平成十九年法律第六十六号。以下「履行確保法」という。)の規定により、住宅瑕疵担保責任保険法人は、締結した保険契約に基づく債務の履行に備え、受け取った保険料の一部を責任準備金として積み立てなければならないこととされている。

四の2について

 履行確保法による住宅建設瑕疵担保保証金若しくは住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅建設瑕疵担保責任保険契約若しくは住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結は、いずれも、各建設業者又は宅地建物取引業者がそれぞれ住宅の瑕疵担保責任の履行を確保するために必要な資金をあらかじめ準備する場合に比べ、住宅の建設又は販売に要する費用を増大させるものではないと考えている。

四の3について

 財団法人住宅保証機構から聴取したところによれば、同財団法人が行っている住宅の瑕疵担保責任の履行に係る保険契約制度における実績によると、住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成十一年法律第八十一号)第九十四条及び第九十五条に規定する期間における新築住宅の保険事故の発生率は約〇・七五パーセントであるとのことである。

四の4について

 住宅に瑕疵があった場合において、当該住宅の建設工事の発注者又は買主の保護のためには、その瑕疵担保責任の確実な履行を確保することが重要であることにかんがみ、建築基準法の規定による中間検査若しくは完了検査又は住宅の品質確保の促進等に関する法律の規定による住宅性能評価を受けた住宅についても、当該住宅の建設工事の発注者又は買主に瑕疵による損害が生じた場合に備え、履行確保法の規定による措置を講ずることが必要であると考えている。

四の5について

 履行確保法の規定による住宅瑕疵担保責任保険法人の指定、住宅瑕疵担保責任保険法人の保険等の業務に関する規程及び事業計画の認可その他履行確保法の施行に関する事務を適確に行う必要があることから、平成二十年四月一日に国土交通省住宅局住宅生産課住宅瑕疵担保対策室を新たに設置したところである。

五の1について

 我が国において近年滅失した住宅の平均築後年数がおおむね三十年であるという状況にかんがみ、住宅がより一層長期にわたり使用されるよう必要な取組を進めることが必要であると考えており、いわゆる二百年住宅の「二百年」は、実際の二百年間ではなく、現状の住宅の平均的な使用期間を超える長期間を象徴的に表すものとして用いられているものである。また、長期にわたり良好な状態で使用することができる住宅の整備が図られるよう、償還期間を一層長期間のものとした長期固定金利の住宅ローンを民間金融機関が供給することができるよう支援を行うこととする場合には、当該住宅の耐用年数の範囲内で適切な償還期間のものを対象に必要な支援を行って参りたい。

五の2について

 我が国において近年滅失した住宅の平均築後年数がおおむね三十年となっている原因としては、様々なものがあり一概にお答えすることは困難であるが、例えば、耐久性等の住宅の性能に問題があること、適切な維持保全が実施されていないこと、既存住宅の活用に係る国民意識の醸成が不十分であること、世帯構成の変化に対応した改築を行うことが構造上困難であることなどが挙げられる。

五の3について

 いわゆる二百年住宅構想は住宅がより一層長期にわたり使用されるよう必要な取組を進めるものであり、住宅の長寿命化に寄与すると考えている。

五の4について

 既存住宅の市場の活性化を図るため、既存住宅に係る住宅性能表示制度の普及の促進、価格査定マニュアルの策定及び宅地建物取引業者によるその活用の促進、既存住宅の購入に要する費用に係る民間金融機関による長期固定金利の融資の促進、既存住宅の購入に係る税制特例の対象の拡大その他既存住宅の市場環境の整備を進めているところである。

五の5について

 五の1についてでお答えしたとおり、いわゆる二百年住宅の「二百年」とは現状の住宅の平均的な使用期間を超える長期間を象徴的に表すものであり、住宅がより一層長期にわたり使用されるよう必要な取組を進めるに当たっては、住生活の向上及び環境への負荷の低減に資するよう適切な構造及び設備を備えた住宅の整備を促進して参りたい。

五の6及び7について

 お尋ねの「二百年住宅仕様」及び「指示」の意味するところが必ずしも明らかではないことから、お答えすることは困難であるが、機構の業務が効果的かつ効率的に行われるよう努めているところである。

五の8について

 五の1についてでお答えしたとおり、いわゆる二百年住宅の「二百年」とは現状の住宅の平均的な使用期間を超える長期間を象徴的に表すものであり、住宅がより一層長期にわたり使用されるよう必要な取組を進めるに当たっては、住宅の建築及び維持保全の状況に関する記録の整備及び活用並びに適切な期間の保存を促進して参りたい。また、当該記録を管理する主体としては、住宅の所有者、マンションの管理組合等が考えられるところである。

五の9及び10について

 いわゆる二百年住宅構想は機構の業務の範囲及び事業の量とは直接の関係を有するものではなく、住宅がより一層長期にわたり使用されるよう必要な取組を進めるものであり、これにより、住生活の向上及び環境への負荷の低減が図られるものと考えている。



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