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答弁本文情報

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平成二十年六月三日受領
答弁第四一八号

  内閣衆質一六九第四一八号
  平成二十年六月三日
内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 町村信孝

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員階猛君提出金融商品取引法改正案等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員階猛君提出金融商品取引法改正案等に関する質問に対する答弁書



一について

 政府が今般提出した金融商品取引法等の一部を改正する法律案(以下「本法案」という。)においては、金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第三十六条等を改正し、特定金融商品取引業者等、銀行、保険会社等(以下「対象金融機関」という。)は、自己又はその親金融機関等若しくは子金融機関等が行う取引に伴い、自己又はその子金融機関等が行う金融商品関連業務等に係る顧客の利益が不当に害されることのないよう、内閣府令で定めるところにより、金融商品関連業務等に関する情報を適正に管理し、かつ、当該金融商品関連業務等の実施状況を監視するための体制の整備その他必要な措置を講じなければならない旨の規定を設けることとしている。
 これらの規定においては、親金融機関等及び子金融機関等について、それぞれ、対象金融機関の総株主等の議決権の過半数を保有する者等のうち、金融商品取引業者、銀行、協同組織金融機関その他政令で定める金融業を行う者、及び対象金融機関が総株主等の議決権の過半数を保有する者等のうち、金融商品取引業者、銀行、協同組織金融機関その他政令で定める金融業を行う者をいうものとされている。また、金融商品関連業務等については、金融商品取引行為に係る業務その他の内閣府令で定める業務等をいうものとされている。このように、親金融機関等、子金融機関等及び金融商品関連業務等については、法律においてその骨格となる内容が規定されており、内閣府令等においては、このような法律の規定の趣旨に沿って、法律に示されている者及び業務に準ずるものを規定することを想定している。
 顧客の利益保護のための体制整備等については、その目的が法律に具体的に規定されており、内閣府令においては、その趣旨に沿って、顧客の利益を不当に害するおそれのある取引が行われる可能性がある場合における情報の集約化と適正な判断を行うための体制の整備、当該取引に係る管理方針の策定等を行わなければならない旨を規定することを想定している。

二について

 顧客の利益保護のための体制整備を求める範囲を、銀行、証券、保険のうち複数を併営する金融グループ会社に限定していないのは、当該金融グループ会社のみならず、すべての対象金融機関について、一般的に、組織形態の多様化や金融サービスの多様化・高度化に伴い、様々な形で利益相反による弊害が生じ得る状況となっていることを踏まえたものである。

三について

 本法案によるいわゆるファイアーウォール規制の見直しは、役職員の兼職規制という画一的な規制について、金融機関の組織形態や金融サービスの多様化等を踏まえて見直しを行うとともに、利益相反による弊害の防止等の観点から、より実効性のある規制とすべく、顧客の利益保護のための体制整備等を行わなければならない旨を新たに規定するものである。
 他方、お尋ねの顧客情報の共有規制の緩和については、顧客情報の授受の在り方について、顧客に対する多様で質の高い金融サービスの提供といった観点から、顧客の属性も勘案した上で適正な規制とすべく見直しを予定しているものであり、現行の金融商品取引法第四十四条の三第一項第四号の規定において委任されている範囲内で行うものであることから、憲法第四十一条に違反するものではないと考えている。

四について

 お尋ねの顧客情報の共有規制の緩和については、顧客に係る非公開情報の共有禁止の例外として、法人顧客に対し、情報共有について不同意の機会をあらかじめ付与した上で、当該不同意の表明がない場合には、当該法人顧客に係る非公開情報を親法人等若しくは子法人等から受領し、又は当該親法人等若しくは子法人等に提供することができる旨を新たに規定することを想定している。

五について

 国内において外国銀行が業として行う貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)第二条第一項に規定する貸付けのうち同項各号に掲げるもの以外のもので、外国銀行の業務の代理又は媒介に係る貸金業法の特例の規定(本法案による改正後の銀行法第五十二条の二の四等)の適用を受けないものは、同項に規定する貸金業に該当し、貸金業法の適用を受けることとなる。



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