答弁本文情報
平成二十年六月三日受領答弁第四一九号
内閣衆質一六九第四一九号
平成二十年六月三日
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員階猛君提出株式担保融資・手形割引に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員階猛君提出株式担保融資・手形割引に関する質問に対する答弁書
一について
銀行による株式担保融資の残高は承知していないが、日本銀行の金融経済統計における貸出金の担保内訳によれば、平成十九年三月末の国内銀行の有価証券担保貸出残高は三兆五千八百十億円であり、貸出金残高全体に占める割合は〇・八二パーセントであると承知している。
銀行による株式担保融資のうち、保管振替制度を利用して担保権を設定している融資の残高は承知していない。
株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律(平成十六年法律第八十八号)の施行によるいわゆる株券電子化については、金融庁、法務省、全国銀行協会、日本証券業協会等を構成員とする証券受渡・決済制度改革懇談会(以下「懇談会」という。)において、その円滑な実施に向けて準備を行っている。
政府としては、懇談会の事務局である証券決済制度改革推進センターと連携し、リーフレットの作成・配布、各種の説明会の開催等の広報活動を行い、株式担保取引の手続に関する事項を始めとする株券電子化全般について周知を図っている。
また、全国銀行協会においても、株券電子化に伴う株式担保取引の手続についての取扱手引書を作成し、各金融機関に対し配布、指導を行っていると承知している。
株券電子化に伴い、株式を担保とする場合については、口座の開設や振替の手続が必要となる一方、株券の券面の確認や株券の差入・保管が不要になることで簡素化される面もあることから、一概に株式担保融資の事務手続が煩雑になるとはいえないと考えられる。いずれにせよ、御指摘の株式担保融資の取扱いを含め、株券電子化について周知徹底を図り、その円滑な実施に向けて努めてまいりたい。
日本銀行の金融経済統計における国内銀行の資産・負債等の内訳によれば、平成二十年三月末の国内銀行の割引手形残高は三兆九千四百八十五億円であり、貸出金残高全体に占める割合は〇・八八パーセントであると承知している。
電子記録債権法(平成十九年法律第百二号)施行後における手形の流通量等については、経済情勢等の様々な事情により影響を受けるものであり、一概にお答えすることは困難である。
電子記録債権制度は、事業者の資金調達の円滑化等を図る観点から設けられたものであり、電子記録債権については手形割引と同様に資金調達手段としても利用できることが重要であると認識している。政府としては、電子記録債権法の円滑な施行に向け、電子債権記録機関の設立に向けた関係者との連携を行うとともに、利用者への普及啓発等の取組を推進してまいりたい。