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平成二十年六月二十日受領
答弁第五一三号

  内閣衆質一六九第五一三号
  平成二十年六月二十日
内閣総理大臣 福田康夫

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員阿部知子君提出中国遺棄化学兵器処理事業に関する第三回質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員阿部知子君提出中国遺棄化学兵器処理事業に関する第三回質問に対する答弁書



一の(一)について

 お尋ねの「実処理が決定できない」の趣旨が明らかではないが、中国吉林省ハルバ嶺における実処理施設の基本的な処理技術については、既に加熱爆破方式を採用する旨を日中間で合意している。

一の(二)について

 前回答弁書(平成二十年四月二十五日内閣衆質一六九第三〇〇号)一の(一)及び(二)についてで述べたハルバ嶺において遺棄化学兵器を処理するため、発掘回収施設及び実処理施設(以下「処理施設」と総称する。)を建設するに当たって中国政府から取得する事業承認については、中国外交部が平成十六年三月から当該事業承認取得のための申請の手続を進めており、その承認申請の内容については、事業の名称、事業実施の理由、建設を予定している施設の概要、廃棄のための技術等であると承知している。

二の(一)について

 移動式処理設備については、リース方式によって調達する予定であり、平成二十年度予算において計上している五億円については、本年度必要と見込まれる当該設備のリース経費を計上したものである。その積算根拠については、今後入札を行うこととしており、公表すれば予定価格を類推されるおそれがあることから、お示しすることは差し控えたい。

二の(二)について

 移動式処理設備の導入については、中国側から提案されていたことを踏まえ、昨年四月の日中首脳会談において、日本側から表明し、中国側はこれを歓迎したものであるが、その際、当該設備の処理能力の試算について中国側に提示したことはない。

三の(一)について

 中国において遺棄化学兵器を廃棄処理する事業(以下「処理事業」という。)については、中国において長期間埋設された大量の遺棄化学兵器を処理するものであり、知見及び技術を新たに蓄積しながら進めていくという特殊性を有すること、また、ハルバ嶺における事業が本格化するに当たり、行政組織の運営の効率化の観点等の理由により、内閣府が処理施設等を調達、維持・管理することは困難であったことから、コンサルティング業務及び調達業務を一体的に処理する管理会社が必要であると判断したものであり、平成十六年度から平成十九年度までの間に株式会社遺棄化学兵器処理機構と契約してきたことは適切であったものと考えている。

三の(二)、五の(二)及び六について

 中国における遺棄化学兵器については、ハルバ嶺に埋設されていると推定される約三十万から四十万発のほか、ハルバ嶺以外の中国各地において、これまで約四万四千発を発掘回収した。他方、日中双方に遺棄化学兵器の所在に関する資料は十分なものがなく、すべての埋設地等を特定することは困難であり、今後も新たに発見される可能性も否定できない。また、昨年四月の日中首脳会談において表明した移動式処理設備の導入等、合理的かつ迅速に処理を実施するとの観点から処理事業全体の在り方について検討を行っているほか、近年も中国各地で遺棄化学兵器が発見されているところである。したがって、現時点において、化学兵器の開発、生産、貯蔵及び使用の禁止並びに廃棄に関する条約(平成九年条約第三号)の廃棄期限までの「処理計画」を示すことは困難であるが、いずれにしても、政府としては、その廃棄期限を念頭に置き、これらの遺棄化学兵器の廃棄を一日も早く完了すべく最大限の努力を行っているところである。

四の(一)について

 これまで、日中間においては、処理事業の実施中に万一事故が発生した場合に備え、化学剤による負傷者に対する治療方法、事故発生時の緊急時対応計画、処理事業の実施場所の近隣に所在する医療機関等について、調査や協議を行ってきている。

四の(二)について

 先の大戦に係る日中間の請求権の問題は、昭和四十七年の日中共同声明発出後、存在しておらず、政府として御指摘の「救済措置」を行うことは考えていない。

五の(一)について

 これまで、旧日本軍関係者等からの聴取等を通じて得られた中国における遺棄化学兵器の所在に関する情報については、逐次、中国側に提供してきている。



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