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平成二十年六月二十四日受領
答弁第五三四号

  内閣衆質一六九第五三四号
  平成二十年六月二十四日
内閣総理大臣 福田康夫

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員照屋寛徳君外二名提出米兵によるあらゆる事件・事故を防止するための政府の施策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員照屋寛徳君外二名提出米兵によるあらゆる事件・事故を防止するための政府の施策に関する質問に対する答弁書



一について

 政府としては、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号。以下「日米地位協定」という。)については、その時々の問題について日米地位協定の運用の改善により機敏に対応していくことが合理的であると考える。

二及び三について

 政府としては、これまで累次にわたり米側に対し、在日米軍の綱紀粛正や事件・事故の再発防止を求めてきたにもかかわらず、沖縄県に駐留する在日米海兵隊に所属する二等軍曹による日本人女子中学生に対する暴行被疑事案(以下「本件事案」という。)が発生したことは極めて遺憾であると考えている。政府としては、本件事案の発生以降、沖縄県等地元自治体の意向を踏まえつつ、在日米国大使館及び在日米軍とともに、在日米軍関係者による事件・事故の再発防止策がより実効的かつ包括的なものとなるよう検討を進め、本年二月二十二日に当面の措置を発表した。現在、日米両政府は、日米地位協定第二十五条1に基づいて設置された日米合同委員会や米軍人・軍属等による事件・事故防止のための協力ワーキング・チームの枠組みを通じて、様々な犯罪防止策や米軍教育プログラム等について協議している。
 また、日米両政府は、本年五月十五日、在日米軍人の脱走が判明した場合には、そのすべてについて、直ちに米側から関係都道府県警察に対して逮捕要請を行うとともに、日本国政府に対して当該脱走兵に関する情報を提供すること等について合意した。
 政府としては、在日米軍関係者による事件・事故の再発防止のためには、このような地道な努力を継続的に積み重ねていくことが必要であると考えており、米側とともに、これらの措置を含め、在日米軍関係者による事件・事故の再発防止策が着実に実施されるよう取り組んでいく考えである。

四について

 政府としては、これまでも平成八年十二月二日の日米安全保障協議委員会の際に発表された「沖縄に関する特別行動委員会」の最終報告等を踏まえ、沖縄における在日米軍の施設及び区域の整理・統合・縮小に努めてきているところである。政府としては、今般の在日米軍の再編においても、平成十八年五月一日の日米安全保障協議委員会の際に発表された「再編実施のための日米のロードマップ」に従い普天間飛行場の移設及び返還、約八千名の第三海兵機動展開部隊の要員のグアムへの移転並びに嘉手納飛行場以南の人口が密集している地域の相当規模の土地の返還などを着実に進めてまいりたい。

五について

 政府としては、在日米軍の再編や在日米軍関係者による事件・事故の再発防止に関し、米兵によるあらゆる事件・事故に抗議する沖縄県民大会決議等も踏まえつつ、不断に検討を行っており、二及び三について並びに四についてで述べたとおり、その着実な実施に取り組んでいく考えである。



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