答弁本文情報
平成二十年十月三日受領答弁第一六号
内閣衆質一七〇第一六号
平成二十年十月三日
内閣総理大臣 麻生太郎
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員鈴木宗男君提出自殺した自衛官を巡る訴訟問題はじめ自衛官自殺問題に対する防衛省の対応並びに認識に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員鈴木宗男君提出自殺した自衛官を巡る訴訟問題はじめ自衛官自殺問題に対する防衛省の対応並びに認識に関する質問に対する答弁書
一について
御指摘の本年八月二十五日の福岡高等裁判所における判決(以下「福岡高裁判決」という。)においては、国の主張について裁判所の理解が得られなかったところであるが、上告及び上告受理申立ての理由に該当する事由が認められないことから、同年九月八日、上告及び上告受理申立てを行わないこととしたものである。
遺族が訴訟において求めていた謝罪については、福岡高裁判決において棄却されたと承知しており、防衛省として謝罪をしていない。
防衛省においては、中長期的な視点に立って、自殺防止対策を継続的に実施することが必要であると考えており、メンタルヘルスに関する啓発教育を反復・継続して実施し、隊員の身上把握及び服務指導の充実・強化に努めているところであり、前途ある隊員を志半ばで失うことや悲しい思いをされる御家族が生じるといったことがないようにするべく、今後とも隊員の自殺防止に全力で取り組んでまいりたい。
現在、自衛官の自殺に係る訴訟は二件係属しているが、それらはいずれも上司のいじめ等を原因として自殺したとして、その遺族が国等に対し損害賠償を求める訴訟である。