答弁本文情報
平成二十年十月十七日受領答弁第八九号
内閣衆質一七〇第八九号
平成二十年十月十七日
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員岩國哲人君提出高速道路料金引き下げに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員岩國哲人君提出高速道路料金引き下げに関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねの「料金徴収経費の縮減実績額」については、様々な要因が影響するものであるが、例えば、平成十九年度における東日本高速道路株式会社、首都高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社、阪神高速道路株式会社及び本州四国連絡高速道路株式会社(以下「会社」と総称する。)の道路整備特別措置法(昭和三十一年法律第七号。以下「法」という。)第二条第五項に規定する料金(以下単に「料金」という。)の徴収事務に係る委託費の合計額は、約七百五十億円であり、平成十四年度における日本道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団及び本州四国連絡橋公団の料金の徴収事務に係る委託費の合計額である約千二百六十億円と比較すると、約五百十億円縮減されている。
法第三条第一項の国土交通大臣の許可を受けて新設され、又は改築された高速道路(高速道路株式会社法(平成十六年法律第九十九号)第二条第二項に規定する高速道路をいう。以下同じ。)の料金の額を変更しようとするときは、会社は、法第三条第六項の規定により、国土交通大臣の許可を受けなければならないこととされており、お尋ねの「料金引き下げ」については、会社において具体的に検討されるべきものであると認識している。
また、国においては、地域の活性化、物流の効率化等の政策課題に対応する観点から、高速道路の料金の割引による既存の高速道路ネットワークの有効活用及び機能強化を推進するため、会社等と連携して、高速道路の料金の割引が交通量や料金収入に与える影響を実測する社会実験を実施しているところである。
なお、道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律(昭和三十三年法律第三十四号)第七条第一項及び第四項の規定により、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構等が作成した高速道路利便増進事業に関する計画に国土交通大臣が同意した場合には、当該機構の債務の一部を一般会計において承継することとされている。
国土交通省においては、お尋ねの「一部または特定の高速道路につき無料化した場合の経済効果の試算」及び「無料化にかかわる経費の試算」を行ったことはない。
お尋ねの「経済効果およびそれにかかわる経費について試算」の意味が必ずしも明らかではないが、例えば、平成十六年九月から同年十一月までの間に、北陸自動車道富山西インターチェンジから同朝日インターチェンジまでの区間において、料金を終日半額にする社会実験を行っており、その結果に基づき、並行する一般国道八号線朝日町インターチェンジ入口から富山市本郷西までの区間及び一般国道四十一号線富山市街地区間の渋滞緩和の効果を試算したところ、渋滞による損失額が、一日当たり約九百三十八万円縮減されたとの結果が得られた。
料金については、法第三条第一項又は第六項の許可の申請を行う会社において具体的に検討されるべきものであると考えているが、その際には、国及び会社等が連携して、料金の割引による交通量等の実績や料金に係る社会実験の結果を分析し、活用することが重要であると考えている。