答弁本文情報
平成二十年十月二十四日受領答弁第一二八号
内閣衆質一七〇第一二八号
平成二十年十月二十四日
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員鈴木宗男君提出海上自衛隊の特殊部隊における隊員の死亡事件に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員鈴木宗男君提出海上自衛隊の特殊部隊における隊員の死亡事件に関する質問に対する答弁書
一について
海上自衛隊特別警備隊は、海上における警備行動時に不審船の立入検査を行う場合、予想される抵抗を抑止し、その不審船の武装解除等を行うための専門の部隊として、平成十三年三月、海上自衛隊に新編されたものであり、射撃、高速ボートの操縦、潜水、個人格闘技、爆発物の処理等の訓練を実施している。
特別警備隊の格闘訓練において、一人に対して多数の者が順次一対一で組手を行う連続組手は、御指摘の海上自衛隊における死亡事案(以下「当該事案」という。)のほかに平成二十年五月にも行われたことが判明しているが、それ以外のケースがあったか否かは、現在、海上自衛隊の事故調査委員会における調査とともに、海上自衛隊警務隊による捜査が行われているところである。
当該事案を除き、特別警備隊の隊員が、これまで死亡した事例はない。
平成二十年九月二十五日にお尋ねの海上自衛隊員(以下「当該隊員」という。)が死亡した後、同月二十六日に海上自衛隊呉地方総監部において、当該隊員の死亡について対外公表を行った。なお、防衛省としては、当該事案が発生した同月九日に警務隊による捜査を開始するとともに、同月十日には事故調査委員会を設置している。
呉地方総監部は、平成二十年九月二十五日に当該隊員が急性硬膜下血腫のため死亡した旨、同月二十六日に公表した。
当該隊員の遺族は、当該隊員が入院していた病院において、当該隊員の死亡を確認されたものと承知している。
お尋ねの「特殊部隊」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、海上自衛隊において、特別警備隊に類する部隊はほかに無い。
当該事案については、現在、事故調査委員会における調査とともに、警務隊による捜査が行われているところであり、現時点においては、事実関係の詳細についてお答えすることは困難であるが、教育訓練管理が適切であったか、当該隊員に対して連続組手を行う必要性が本当にあったか等の観点に立って、更なる解明を進める必要があると考えている。
防衛省としては、訓練中に隊員が死亡したことは誠に遺憾であり、事実関係の全容解明に向けて厳正に調査を進めるとともに、再発防止を徹底してまいりたい。
防衛省としては、今後、事実関係の詳細を調査し、それに基づき厳正に対処したいと考えている。