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答弁本文情報

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平成二十年十月三十一日受領
答弁第一四一号

  内閣衆質一七〇第一四一号
  平成二十年十月三十一日
内閣総理大臣 麻生太郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員辻元清美君提出日本の核武装についての麻生首相の認識に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員辻元清美君提出日本の核武装についての麻生首相の認識に関する質問に対する答弁書



一について

 政府としては、非核三原則を政策上の方針として堅持している。また、原子力基本法(昭和三十年法律第百八十六号)において、原子力の研究、開発及び利用は平和の目的に限り行う旨が規定されている。さらに、我が国は、核兵器の不拡散に関する条約(昭和五十一年条約第六号。以下「NPT」という。)上の非核兵器国として、核兵器等の受領、製造等を行わない義務を負っている。
 我が国による核兵器の保有に関し、国民の間でいかなる議論が行われているか、逐一把握しているわけではないが、政府としては、非核三原則の見直しについて議論しておらず、議論することも考えていない。

二について

 原子力基本法において、原子力の研究、開発及び利用は平和の目的に限り行う旨が規定されており、また、我が国は、NPT上の非核兵器国として、核兵器等の受領、製造等を行わない義務を負っており、この義務を誠実に履行しているところである。政府としては、核兵器についての詳細な知識は有しておらず、「プルトニウムを使って核兵器を作る能力」、「核兵器をロケットなどで搬送する技術」に関するお尋ねにお答えすることは困難である。

三の1から5までについて

 外交上の個別のやり取りの具体的内容や、やり取りに係る詳細について明らかにすることは、アメリカ合衆国(以下「米国」という。)との関係もあり差し控えたいが、本年十月十二日午前零時ころ(日本時間。以下同じ。)に行われた米国による北朝鮮のテロ支援国家指定の解除(以下「指定解除」という。)の発表に先立ち、政府は、米国政府との間で緊密な協議を行ってきた経緯があり、例えば、本年十月初旬の米国と北朝鮮との間の協議の後には、事務レベルの協議に加え、同月十日に日米外相電話会談を、また、翌十一日午後十一時三十分ころから日米首脳電話会談をそれぞれ行った。政府は、これらの協議の中で、米国政府から指定解除の発表について事前に説明を受けており、いずれにせよ、政府として、米国政府が我が方の意思とは無関係に指定解除の意思決定を行ったものとは認識していない。

三の6について

 我が国は、安全保障、政治、経済等の分野で米国との協力関係の一層の強化のための不断の努力を行ってきており、日米同盟は一貫して強化されてきている。

四について

 本年十月十九日の航空観閲式において麻生内閣総理大臣は、「日米安全保障体制の信頼性を、一層向上させていくことが重要」と訓示する予定であったところ、「日米安全保障体制の信頼回復を、一層向上させていくことが重要」と誤って述べたものであるが、この点は総理秘書官から報道関係者にその旨の訂正を行ったところである。
 いずれにせよ、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号)に基づく日米安全保障体制は、我が国防衛の柱であり、これまでも日米安全保障体制の信頼性の一層の向上に努めてきたところである。



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