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答弁本文情報

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平成二十年十二月五日受領
答弁第二七八号

  内閣衆質一七〇第二七八号
  平成二十年十二月五日
内閣総理大臣 麻生太郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員長妻昭君提出年金申請遅れによる時効撤廃に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員長妻昭君提出年金申請遅れによる時効撤廃に関する質問に対する答弁書



一の1について

 お尋ねの人数及び金額については把握していないが、社会保険庁において把握している限りでは、平成十一年度から平成十九年度までの間に年金給付を受ける基本的権利(以下「基本権」という。)について新規の裁定が行われた事例のうち、老齢基礎年金又は老齢厚生年金の基本権が発生した月から裁定申請の受付をした月までの間の月数が六十月を超えるものの件数は約十七万件である。また、これらの個々の事例について、基本権発生時点における年金月額に当該六十月を超える月数を乗じて得た額を合計したところ、その額は約二千四百億円である。

一の2について

 お尋ねの件数については、把握していない。
 また、申請が遅れた原因としては、お尋ねの「申請者の責めに帰さない申請遅れがあるケース」を含め、様々なものがあると考えられる。

一の3及び二について

 基本権については、他の公法上の法律関係と同様、早期にその法律関係を安定させる必要があることから、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)及び国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)の制定当初から、民法(明治二十九年法律第八十九号)の一般債権より短い五年の消滅時効の期間が定められているところであるが、やむを得ない理由がある場合は、時効を援用しない取扱いとしているところである。
 また、基本権に基づき支払期日ごとに年金給付の支給を受ける権利(以下「支分権」という。)については、公法上の金銭債権に該当するものであることから、従来、会計法(昭和二十二年法律第三十五号)第三十一条の規定が適用され、時効の援用を要せず、その権利発生から五年で自動的に時効消滅することとされていたが、厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律(平成十九年法律第百十一号。以下「年金時効特例法」という。)による厚生年金保険法及び国民年金法の改正により、支分権についての消滅時効がこれらの法律において規定されるとともに、会計法第三十一条の規定を適用しないこととされたところである。したがって、政府としては、民法の規定に基づき、個別の事情を勘案して時効の援用を行うかどうか判断することとなる。

三及び四について

 時効制度は、一定期間継続した事実関係を尊重して社会の法律関係の安定を図る等の観点から設けられているものであり、基本権及び支分権についても、こうした時効制度の趣旨に照らし、法律関係を早期に安定させることは引き続き必要と考えられることから、消滅時効の規定自体を撤廃するのは適当でないと考えている。政府としては、一の3及び二についてでお答えしたとおり、年金時効特例法による厚生年金保険法及び国民年金法の改正において、会計法第三十一条の規定を適用しないこととされたことから、民法の規定に基づき、個別の事情を勘案して時効の援用を行うかどうか判断することとなる。



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