答弁本文情報
平成二十一年十二月十一日受領答弁第一五七号
内閣衆質一七三第一五七号
平成二十一年十二月十一日
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員高市早苗君提出鳩山内閣における政務三役の「権限」と「責任」等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員高市早苗君提出鳩山内閣における政務三役の「権限」と「責任」等に関する質問に対する答弁書
一について
「平成二十二年度予算編成の方針について」(平成二十一年九月二十九日閣議決定)に基づく平成二十二年度予算の概算要求は、各府省の大臣、副大臣及び大臣政務官がそれぞれの事業の必要性、緊要性等についてゼロベースで検討した上で、各府省の長である大臣が提出したものである。
一般論として、御指摘の「予算の効率化を競う作業」は、各府省において、概算要求の内容を決定する段階だけでなく、決定した後においてもなされるべきものであると考えている。また、先の答弁書(平成二十一年十一月二十四日内閣衆質一七三第七八号。以下「先の答弁書」という。)一についてで述べたとおり、平成二十一年十月二十二日に開催した第一回行政刷新会議において了承された「事業仕分けを含む今回の歳出見直しの考え方」において、「各省政務三役が、国民の目線から「予算の効率化を競うもの」」と位置付けられているところである。こうした考え方に基づき、副大臣又は大臣政務官は、「説明者」ではなく「評価者」としたところである。
ワーキンググループは、財務大臣、総務大臣等を構成員とする行政刷新会議の分科会として設置されたこと等を踏まえ、副大臣又は大臣政務官が参加することとしたものである。
平成二十一年十一月十日の各大臣の記者会見においては、例えば、事業仕分け作業について必要な協力を行うとの姿勢が示されていたところである。また、各府省は、事業仕分け作業を行ったワーキンググループに対し必要な協力を行ったところであり、各大臣は事業仕分けの意義を十分に理解しているものと認識している。
事業仕分けについては、平成二十一年十二月一日の閣僚懇談会において、鳩山内閣総理大臣から「この結果を具体的な成果に結び付けていくのは、内閣の責任。平成二十二年度予算編成に当たって、事業仕分けの評価結果を踏まえ大胆な歳出見直しを行う。その一方、殊に政治的判断を要する事業については、予算編成の過程において、必要な結論を得るものとする。」旨の発言があったところである。平成二十二年度予算編成については、この発言に沿って行うこととなるが、現在予算編成作業を進めているところであり、お尋ねについて詳細にお答えをすることは差し控えたい。
お尋ねについては、長妻厚生労働大臣は、平成二十一年十一月十八日の衆議院厚生労働委員会において「事業仕分けについては、一言で言えば非常にすばらしい、画期的な取組であると考えている。これまでは予算の査定が財務省主計局と各省庁で密室的に行われ、無駄削減という観点からの指摘が不十分だったが、今度は全面公開されることとなった。」旨を述べている。なお、御指摘の発言は、同年十二月二日の記者会見における同大臣の発言を指すものと考えられるが、この会見において同大臣は「事業仕分けの対象となった厚生労働省所管の五十一事業について、三十二の事業については評価結果通りに対応し、残りの十九事業についてもなるべく評価結果に沿った対応を行う。」旨を述べたところである。
御指摘の記者会見において、仙谷国務大臣は「事業仕分けの評価とやや異なる予算措置が行われるような場合には、相当の国民が納得できる説明責任が課される。これは査定当局もそうでありますし、要求をされているところもそうである。」旨を述べたところである。
先の答弁書一についてで述べたとおり、ワーキンググループにおいては、説明者から事業仕分けの対象となる事業・組織等に関する説明を聴取した上で事実に関する意見交換を行っていたものであり、御指摘のような「官僚たたき」ではなく、「官僚の士気が著しく低下する」とは考えていない。また、お尋ねの「意識調査」を実施することは考えていない。
ワーキンググループにおける事業仕分け作業については、担当府省及び財務省から事前の説明を聴取し、一部の事業については現場視察を行う等により、議論が効率的になされるよう準備した上で実施したものであり、また、「事業説明」及び「質疑・議論」の際には、説明者が意見を述べる機会が与えられていたところである。このように、ワーキンググループにおいては、全体として丁寧な議論を行っており、「一方的な質問に終始」していたという事実はなく、「公平性を欠く」とは考えていない。
ワーキンググループの会場については、内閣府行政刷新会議事務局において、主に四名の職員が各府省の庁舎の周辺に所在するホテル等の使用料金、空き状況及び収容人数を調査した上で、継続して使用できない場合の問題点も考慮しつつ、費用等について独立行政法人国立印刷局市ヶ谷センターと比較し、決定したものである。
なお、お尋ねの「出身省庁、社名」については、氏名の公表されていない個人が特定されるおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。
ワーキンググループについては、議論の透明性の確保を徹底する観点から、公開の場で事業仕分け作業を行うため、十分な傍聴者を収容できる施設で開催することとしたものである。なお、御指摘の「インターネット」による中継については、傍聴が困難な国民を念頭に置いて実施したものである。
ワーキンググループについては、平成二十一年十一月三十日に開催した第四回行政刷新会議において、終了することとしたところである。また、行政刷新会議においては、事業仕分けに関し、透明性を確保した上で、国民がきちんと意見が言える仕組みが必要である等の意見が出されているところであり、今後事業仕分けを実施するかどうかについては、必要に応じ、その対象や手法も含め検討してまいりたい。