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平成二十二年十月二十六日受領
答弁第五九号

  内閣衆質一七六第五九号
  平成二十二年十月二十六日
内閣総理大臣 菅 直人

       衆議院議長 横路孝弘 殿

衆議院議員河野太郎君提出原子力行政に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員河野太郎君提出原子力行政に関する質問に対する答弁書



一、二及び五について

 お尋ねについては、調査に膨大な作業を要することから、お答えすることは困難であるが、平成十七年度から平成二十二年度までの各年度における関係行政機関の原子力の研究、開発及び利用に関する経費(以下「原子力関係経費」という。)については、原子力委員会が毎年度取りまとめている「原子力研究、開発及び利用に関する計画」において、その項目名、予算額等を示しており、当該計画は、内閣府のホームページで公表しているところである。

三について

 我が国において、原子力の研究、開発及び利用は、原子力基本法(昭和三十年法律第百八十六号)第二条の規定により、平和の目的に限り行うものとされている。

四について

 現行制度においては、原子力関係経費の一部について、エネルギー対策特別会計の電源開発促進勘定に計上されているが、これは当該勘定の財源となる電源開発促進税が目的税であるため、その課税目的に沿って電源立地対策及び電源利用対策の経理を明確にするものである。

六及び七について

 高速増殖炉サイクルについては、「エネルギー基本計画」(平成二十二年六月十八日閣議決定)において、「原子力政策大綱」(平成十七年十月十一日原子力委員会決定)等を踏まえ、「二千五十年より前の商業炉の導入に向け・・・研究開発を推進する。」としており、政府としては、高速増殖炉サイクルを含めた核燃料サイクルの確立のために必要な予算を計上しているところである。

八について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、特定放射性廃棄物の最終処分については、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律(平成十二年法律第百十七号)に基づき最終処分の実施主体として設立された原子力発電環境整備機構(以下「機構」という。)において、最終処分施設の建設、操業及び閉鎖の各段階を通じて、有効な環境保全対策、放射線安全対策及び作業安全対策がとられていることをモニタリングによって確認することとしており、その後も必要に応じてモニタリングを行うことを想定している。なお、最終処分の費用を算定するに当たっては、最終処分施設の閉鎖後三百年間、モニタリング等の措置を実施することを前提としている。

九について

 「特定放射性廃棄物の最終処分に関する計画」(平成二十年三月十四日閣議決定)においては、「特定放射性廃棄物の最終処分は、平成四十年代後半を目途として開始する」こととし、機構は「平成二十年代中頃を目途に精密調査地区を選定し、平成四十年前後を目途に最終処分施設建設地を選定する」こととしている。

十について

 原子炉設置者が、実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則(昭和五十三年通商産業省令第七十七号。以下「規則」という。)等に基づき、毎年度経済産業省に対して行っている放射線業務従事者の一年間の被ばく線量等に関する報告によれば、平成二年度から平成二十一年度までの二十年間に報告された放射線業務従事者数は延べ約百三十五万人である。被ばく線量(実効線量)ごとの人数は、五ミリシーベルト以下が延べ約百二十六万人、五ミリシーベルトを超え十ミリシーベルト以下が延べ約六万二千人、十ミリシーベルトを超え十五ミリシーベルト以下が延べ約二万人、十五ミリシーベルトを超え二十ミリシーベルト以下が延べ約六千五百人、二十ミリシーベルトを超え二十五ミリシーベルト以下が延べ約五百人、二十五ミリシーベルトを超え三十ミリシーベルト以下が延べ約五十人であり、三十ミリシーベルトを超えているものはいない。
 これらの被ばくの状況については、規則第九条第一項第一号の規定による線量限度をいずれも下回っており、問題ないと考えている。
 また、電離放射線障害防止規則(昭和四十七年労働省令第四十一号)第五十六条の規定により、事業者は、放射線業務に常時従事する労働者のうち同令第三条第一項に規定する管理区域に立ち入るものに対し、雇入れ又は当該業務に配置替えの際及びその後六月以内ごとに一回、定期に、被ばく歴の有無の調査及びその評価、白血球数及び白血球百分率の検査等について、医師による健康診断を行わなければならないこととされている。

十一について

 お尋ねの食品規制については、輸入食品中の放射能濃度に関する基準として、チェルノブイリ原子力発電所事故による放射性降下物の核種の構成及び輸入食品の摂取量等を勘案し、欧州共同体及びアメリカにおける基準を参考に、国際放射線防護委員会の勧告値を十分に下回るよう、セシウム一三四及びセシウム一三七の合計で食品一キログラム当たり三百七十ベクレル以下と設定しているところである。政府においては、輸入時検査において当該基準値を超える放射能が検出された場合には、食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第六条第二号に該当するものとして取り扱うこととしており、また、食品の安全性を確保する観点から、輸入時検査における輸入食品の検査結果等に基づき、対象国及び対象食品の見直しも実施しているところである。



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