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答弁本文情報

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平成二十二年十二月三日受領
答弁第一九一号

  内閣衆質一七六第一九一号
  平成二十二年十二月三日
内閣総理大臣 菅 直人

       衆議院議長 横路孝弘 殿

衆議院議員赤嶺政賢君提出脳脊髄液減少症の診断・治療の確立の研究促進に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員赤嶺政賢君提出脳脊髄液減少症の診断・治療の確立の研究促進に関する質問に対する答弁書



一の1について

 厚生労働省としては、御指摘の研究班による研究(以下「確立研究」という。)については、確立研究に参加した医療機関(以下「研究参加医療機関」という。)において倫理委員会の審査に予想以上の時間を要したこと等により、当初予定していた三年間で終わらなかったものと認識しているが、脳脊髄液減少症の診断・治療法を確立するためには、確立研究の継続は必要であると考え、平成二十二年度以降も、確立研究に対し、厚生労働科学研究費補助金による助成を行っているところである。

一の2について

 厚生労働省としては、確立研究の進捗状況について確認しつつ、必要な支援を行ってまいりたいと考えている。

一の3について

 御指摘のブラッドパッチ療法を公的医療保険の適用対象とするためには、脳脊髄液減少症の診断・治療法が確立していること等が必要である。確立研究においては、脳脊髄液減少症に関する診断基準の作成を行い、これに基づいて脳脊髄液減少症の治療法や原因疾患の検討を行うこととしており、まずは、できるだけ早く診断基準を作成していただきたいと考えている。

二の1について

 確立研究の研究代表者に確認したところ、研究事務局に登録されている患者(以下「登録患者」という。)の数は、平成二十二年十一月二十五日現在で、百十七名であるとのことである。

二の2について

 確立研究の研究代表者に確認したところ、各研究参加医療機関における登録患者の数は、最低零名から最高三十三名までとなっているが、お尋ねの研究参加医療機関ごとの登録患者の数の内訳については、依然として、これを明らかにすることにより、個々の医療機関における登録患者が特定されるおそれがあることから、お答えすることは差し控えたいとのことである。

二の3について

 確立研究の研究代表者に確認したところ、お尋ねの施設の数は、平成二十二年十一月二十五日現在で、三施設であるとのことである。

二の4について

 確立研究の研究代表者に確認したところ、お尋ねの施設の数は、平成二十二年十一月二十五日現在で、二の3についてでお答えした三施設を含め十三施設であるとのことである。

二の5について

 確立研究の研究代表者に確認したところ、個人情報の保護のため、患者登録票には生年月日が記載されておらず、研究事務局においては、年齢別の登録患者の数を把握していないとのことである。

二の6及び7について

 確立研究の研究代表者に確認したところ、お尋ねの研究会議については、平成十九年度は四回、平成二十年度は一回、平成二十一年度は一回開催したとのことである。また、同年度においては、研究会議の開催のほか、研究代表者や研究分担者が電子メール等により連絡を取り合うこと等により、研究の進め方や登録患者を確保するための研究参加医療機関の追加等について議論が行われたとのことである。

二の8について

 確立研究の研究代表者に確認したところ、今年度の研究会議については、これまでのところ、開催していないが、現在実施している登録患者のデータに係る中間的な分析(以下「中間分析」という。)の結果を踏まえ、今後、開催する予定であるとのことである。

二の9及び10について

 確立研究の研究代表者に確認したところ、お尋ねの発表の方法及び医療機関の追加については、中間分析の結果を踏まえ、検討することとしているとのことである。

二の11について

 確立研究の研究代表者に確認したところ、お尋ねの「誰がみても納得できる診療指針(ガイドライン)」を作成するためには、科学的根拠に基づいた診断基準を作成する必要があり、そのためには、脳脊髄液減少症に関する文献及び研究班の研究者がこれまで臨床において扱った症例に関する検討を踏まえると、座位又は立位により発生、あるいは増悪する頭痛の症状のある患者を研究対象とする必要があると判断したとのことである。

二の12について

 確立研究の研究代表者に確認したところ、中間分析において十分な結果が出れば、今年度中に診断基準の作成が終了する見込みであり、今年度、当該診断基準の作成が終了した場合には、次年度以降、治療法の有効性について研究を行う予定であるとのことである。

三の1について

 「病院や地域によって医療行為に差がある」の意味するところが必ずしも明らかではないが、厚生労働省としては、都道府県等によって保険適用の取扱いに差が生じることのないよう、平成二十二年四月に、脳脊髄液減少症に係る検査等の保険適用の取扱いを明確化するための事務連絡を都道府県等に対して発出しており、引き続き、当該事務連絡の周知を図ることとしている。また、確立研究においては、最終的に脳脊髄液減少症に関する診療指針を作成することとしており、これにより脳脊髄液減少症に対する標準的な治療法が確立されるものと考えている。

三の2及び3について

 文部科学省においては、御指摘の「学校におけるスポーツ外傷等の後遺症への適切な対応について」(平成十九年五月三十一日付け文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課事務連絡。以下「本事務連絡」という。)の発出後、毎年、都道府県及び政令指定都市の教育委員会の学校安全担当者が参加する会議等において、各学校に対しその趣旨の周知を図るよう要請するとともに、ホームページに本事務連絡の内容を掲載するなど周知徹底を図っているところである。今後とも、周知内容や周知方法の改善について検討しつつ、これらの会議等の場を通じ、脳脊髄液減少症への適切な対応について周知を図ってまいりたい。

三の4について

 文部科学省としては、これまでも、各学校においては、児童生徒等に対して健康相談や保健指導等を行うに当たり、学校保健安全法(昭和三十三年法律第五十六号)第十条の規定に基づき、必要に応じ地域の医療機関その他の関係機関との連携を図るよう努めるとともに、市町村教育委員会等により障害があると認められた児童生徒等に対しては、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第八十一条等の規定に基づき、障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育を行ってきているものと承知しているが、特に脳脊髄液減少症については、本事務連絡等により、各学校において必要に応じ、養護教諭を含む教職員が適切に連携しつつ、個々の児童生徒等の心身の状態に応じ、学習面を含め学校生活の様々な面で適切に配慮するよう求めているところである。

三の5について

 独立行政法人日本スポーツ振興センターの実施する災害共済給付は、学校等の管理下における児童生徒等の災害に関し、必要な給付を行うものであり、脳脊髄液減少症としての診断を受けているか否かにかかわらず、児童生徒等の障害について、学校の管理下における負傷等と相当因果関係が認められる場合は、その障害の程度等に応じて障害見舞金が支給されるものである。

三の6について

 脳脊髄液減少症の認知度を向上させるためにも、まずは、確立研究においてできるだけ早く診断基準を作成していただくことが重要であると考えている。



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