答弁本文情報
平成二十二年十二月十日受領答弁第二一八号
内閣衆質一七六第二一八号
平成二十二年十二月十日
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員阿部知子君提出「留学生三〇万人計画」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員阿部知子君提出「留学生三〇万人計画」に関する質問に対する答弁書
一について
「留学生三〇万人計画」は、海外から多くの優秀な留学生を積極的に受け入れることにより、我が国を世界により開かれた国とするとともに、我が国の大学等の国際化や国際競争力の強化、活力ある経済社会の構築等を図ることを目的としている。政府としては、円滑な入国・在留審査の実施や、大学等における専門科目の外国人教員の増員、留学生宿舎の確保、留学生に対する就職促進の支援など、学生の入国前から卒業後の就職までの総合的な留学生受入れのための施策を推進しており、大学等に在籍する留学生数が平成二十一年五月一日現在で十三万二千七百二十人と過去最高となるなどの進展が見られるところである。
「留学生三〇万人計画」については、法務省、外務省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省及び国土交通省において関連施策を実施しており、それぞれの担当課室は、法務省が入国管理局入国在留課、外務省が広報文化交流部人物交流室、文部科学省が高等教育局学生・留学生課、厚生労働省が職業安定局派遣・有期労働対策部外国人雇用対策課、経済産業省が経済産業政策局産業人材政策担当参事官室、国土交通省が住宅局住宅政策課である。
「留学生三〇万人計画」については、進捗状況の取りまとめは文部科学省で行い、また、関連施策の情報共有や調整等を行うため、文部科学省を事務局とする関係省庁による連絡会議をこれまでに計六回開催している。また、平成二十三年度予算の概算要求に当たっては、関連施策ごとに関係省庁間で必要な調整を行ったところである。
法務省及び国土交通省の関連施策並びに外務省の一部の関連施策に係る予算額及び決算額については、「留学生三〇万人計画」に係る経費として整理することが困難であるためお答えすることは困難であるが、それ以外の「留学生三〇万人計画」の関連施策の平成二十年度及び二十一年度における省庁別の予算額及び決算額は、それぞれ次のとおりである。
平成二十年度
外務省 四十五億五千七百四十五万三千円 三十六億千三百六十八万八千円
文部科学省 三百七十六億千九百八十九万四千円 三百七十億五千三百七十九万円
厚生労働省 二億千六百十五万二千円 二億千三百八十九万円
経済産業省 三十一億三千七百四十一万五千円 二十六億九千六百二十万九千円
平成二十一年度
外務省 四十五億四千六百七十四万六千円 三十四億四千三百二十三万円
文部科学省 五百七十三億九千九百十万三千円 五百二十七億六千百二万千円
厚生労働省 三億九千六百四十五万六千円 二億二千五百十九万二千円
経済産業省 三十五億五千七百八十万円 二十九億七百四十八万千円
国費外国人留学生に支給された奨学金及び私費外国人留学生に支給された学習奨励費の合計額は、平成二十年度の決算額が二百七十二億九千八百四十九万円、平成二十一年度の決算額が三百四十九億七千二百四十九万三千四百円であり、「留学生三〇万人計画」の関連施策全体の決算額(四についてで述べた法務省及び国土交通省の関連施策並びに外務省の一部の関連施策に係る額を除く。)に占めるその割合は、それぞれ、約六十二・六パーセント、約五十八・九パーセントとなっている。
「留学生三〇万人計画」の進捗状況については、留学生数の推移や同計画に盛り込まれた各種施策の進捗状況等を文部科学白書や文部科学省のホームページに掲載するなど、国民に対し広く周知しているところである。
また、留学生からの意見については、国費外国人留学生に関しては文部科学省において、私費外国人留学生については独立行政法人日本学生支援機構において、それぞれ調査を行うこと等により、その把握に努めているところである。
「留学生三〇万人計画」の関連施策については、各省庁等において、それぞれ実施している施策の評価を行い、また、関係省庁による連絡会議において、進捗状況の確認や連携方策の検討などの総合的な調整を行っているところである。
平成二十三年度の「留学生三〇万人計画」関連予算については、法務省、外務省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省及び国土交通省より要求、要望がなされており、今後の予算編成過程で更なる精査を行うこととしている。