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答弁本文情報

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平成二十三年五月十三日受領
答弁第一五八号

  内閣衆質一七七第一五八号
  平成二十三年五月十三日
内閣総理大臣 菅 直人

       衆議院議長 横路孝弘 殿

衆議院議員木村太郎君提出特別支援学校の過密化に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員木村太郎君提出特別支援学校の過密化に関する質問に対する答弁書



一について

 公立の特別支援学校に在籍する児童生徒等の数は、平成二十二年五月一日時点で約十一万八千人となっており、平成十二年五月一日時点の数と比較すると、約三万二千人増加している。平成十九年度に文部科学省が都道府県教育委員会に対して行った調査によれば、公立の特別支援学校に在籍する児童生徒等の数が増加している要因として、保護者の間に特別支援学校における教育に対する理解が深まったこと等が挙げられているところである。

二について

 特別支援学校における教職員の具体の配置については、地域の実情等を踏まえ、各教育委員会等において適切に行われるべきものであると考えるが、各都道府県ごとの公立の特別支援学校の小学部及び中学部に係る教職員定数の標準については、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律(昭和三十三年法律第百十六号)において、各都道府県等ごとの公立の特別支援学校の高等部に係る教職員定数の標準については、公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律(昭和三十六年法律第百八十八号)において、それぞれ定められており、これらの教職員定数については、特別支援学校において自立活動に係る指導を担当する教員の必要数を考慮の上、算定されているところである。

三について

 公立の小中学校の特別支援学級に在籍する児童生徒の数は、平成二十二年五月一日時点で約十四万五千人となっており、平成十二年五月一日時点の数と比較すると、約七万三千人増加している。特別支援学級に在籍する児童生徒の数が増加している要因は明らかではないが、教育上特別の支援を必要とする児童生徒について、特別支援学校に在籍させて指導を実施するか、小中学校の特別支援学級に在籍させて指導を実施するか等については、当該児童生徒の障害の状態等に応じて、各教育委員会や各学校の校長が適切に判断しているものと考える。

四について

 小中学校における特別支援教育の充実を図るためには、教員の特別支援教育に関する専門性の向上を図る必要があると考えており、特別支援学校以外の学校の教員の普通免許状を取得する際に修得することが必要な科目に、「障害のある幼児、児童及び生徒の心身の発達及び学習の過程」に関する事項を含めているほか、文部科学省から都道府県教育委員会等に対し、小中学校において教員向けの特別支援教育に関する研修を実施するよう指導しているところである。また、公立の小中学校等において教員と連携しながら障害のある児童生徒等に対して学習活動上の支援等を行う「特別支援教育支援員」の配置に係る経費について、地方財政措置を行っているところである。今後とも、小中学校において適切な特別支援教育が行われるよう必要な支援を行ってまいりたい。

五について

 特別支援学校については、在籍する児童生徒等の障害の状態に応じ、必要となる施設や設備が様々であること等から、その施設や設備について一律の基準を設けることは困難であると考える。なお、文部科学省においては、都道府県教育委員会等に対し、特別支援学校における教室不足について教育上の支障が生じないよう適切な対応に努めるよう指導しているほか、「特別支援学校施設整備指針」(平成二十三年三月二十四日文部科学省大臣官房文教施設企画部策定)を策定し、災害時における学校の安全性の確保を促しているところである。

六について

 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第七十四条において、特別支援学校は、小中学校等の要請に応じて、障害のある児童生徒等の教育に関し必要な助言又は援助を行うよう努めるものとされているところ、文部科学省においては、都道府県教育委員会等に対し、特別支援学校が、その専門的な知識や技能をいかし、小中学校等の要請に応じて、障害のある児童生徒等のための個別の指導計画の作成等の援助を行うこと等により、各地域における特別支援教育の中心的役割を果たすよう指導しているところである。

七について

 平成二十三年度予算においては、特別支援教育のための就学奨励に係る負担金等や、特別支援教育の体制整備を総合的に推進するための「特別支援教育総合推進事業」に要する経費など、特別支援教育の推進に必要な経費として、九十億七百十万四千円を計上しているところである。今後とも、教育上特別の支援を必要とする児童生徒等の一人一人に対し、きめ細かな対応を行うことができるよう、特別支援教育の推進に努めてまいりたい。



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