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平成二十三年五月十三日受領
答弁第一六二号

  内閣衆質一七七第一六二号
  平成二十三年五月十三日
内閣総理大臣 菅 直人

       衆議院議長 横路孝弘 殿

衆議院議員佐藤勉君提出東日本大震災における福島第一原子力発電所の事故への対応に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員佐藤勉君提出東日本大震災における福島第一原子力発電所の事故への対応に関する質問に対する答弁書



一について

 東京電力株式会社福島第一原子力発電所(以下「福島第一原子力発電所」という。)の事故に関し、平成二十三年三月十一日の東北地方太平洋沖地震の発生から同月二十日までの間において、福島第一原子力発電所の第一号機から第六号機までの各原子炉施設で生じた問題、これらに関して政府が東京電力株式会社に対し法律に基づいて行った指示及び命令並びに当該指示及び命令を受けて同社が現地で行った対応は、各号機ごとに、それぞれ次のとおりである。
 第一号機については、同月十一日午後三時四十二分に、全交流電源喪失を理由とする原子力災害対策特別措置法(平成十一年法律第百五十六号。以下「原災法」という。)第十条第一項に基づく通報が同社から経済産業省にあった。同日午後四時四十五分には、原災法第十五条第一項第二号の事象である非常用炉心冷却装置注水不能に該当するとの通報が同社から同省にあった。同月十二日未明には、同号の事象である原子炉格納容器内圧力異常上昇に該当するとの通報が同社から同省にあった。同日午前六時五十分には、海江田経済産業大臣が、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号。以下「原子炉等規制法」という。)第六十四条第三項の規定に基づき、同社に対し同容器内の圧力を抑制することを命令し、これを受け、同日午前十時十七分には、同社が同容器内の圧力を抑制する操作を行った。同日午後三時三十分過ぎには、水素爆発と思われる爆発が発生した。同日午後八時五分には、同大臣が同項の規定に基づき、同社に対し原子炉容器への海水注入等の実施を命令し、これを受け、同日午後八時二十分には、同社は原子炉圧力容器への海水の注入を開始した。
 第二号機については、同月十一日午後三時四十二分に、全交流電源喪失を理由とする原災法第十条第一項の通報が同社から同省にあった。同日午後四時四十五分には、原災法第十五条第一項第二号の事象である非常用炉心冷却装置注水不能に該当するとの通報が同社から同省にあった。同月十二日午前三時過ぎには、原子炉隔離時冷却系の作動を確認した旨の連絡が同社から同省にあった。同日午前六時五十分には、同大臣が、原子炉等規制法第六十四条第三項の規定に基づき、同社に原子炉格納容器内の圧力を抑制することを命令した。同月十四日午後には、原災法第十五条第一項第二号の事象である原子炉冷却機能喪失に該当するとの通報が同社から同省にあった。同日午後七時五十分頃には、同社は原子炉圧力容器へ海水の注入を開始した。その後、原子炉格納容器内の圧力を抑制する操作を行った。同月十五日午前十時三十分には、同大臣が原子炉等規制法第六十四条第三項の規定に基づき、同社に対し原子炉への極力早期の注水及び必要に応じたドライウェルのベントの実施を命令した。
 第三号機については、同月十一日午後三時四十二分に、全交流電源喪失を理由とする原災法第十条第一項の通報が同社から同省にあった。同月十三日午前五時頃には、原災法第十五条第一項第二号の事象である原子炉冷却機能喪失に該当するとの通報が同社から同省にあった。その後、同容器内の圧力を抑制する操作を行った。同日午前には、原子炉圧力容器への真水の注入を開始し、同日午後にはこれを海水に切り替えた。同月十四日午前十一時頃には、水素爆発と思われる爆発が発生した。
 第四号機については、同月十一日午後三時四十二分に、全ての交流電源を喪失した旨の連絡が同社から同省にあった。同月十五日午前八時前には、原子炉建屋の五階屋根付近に損傷を確認した旨の連絡が同社から同省にあった。その後、同建屋の三階北西部付近より火災が発生した旨の連絡が同社から同省にあった。同日午前十時三十分には、同大臣が原子炉等規制法第六十四条第三項の規定に基づき、同社に対し消火及び再臨界の防止を行うことを命令した。同日午前十一時頃には、同社が自然に同建屋の火が消えていることを確認した。同日午後十時には、同大臣が同項の規定に基づき、同社に対し使用済燃料プールへの注水の可及的速やかな実施を命令した。
 第五号機については、同月十一日午後三時四十二分に、全ての交流電源を喪失した旨の連絡が同社から同省にあった。同月二十日には、冷温停止状態となった旨の連絡が同社から同省にあった。
 第六号機については、同日に、冷温停止状態となった旨の連絡が同社から同省にあった。

二について

 菅内閣としては、福島第一原子力発電所の事故発生以来、国内外のあらゆる知見、技術等得られる限りの全ての力を結集し、一日も早い事態の収束に向けて努力してきたところであり、菅内閣総理大臣の指示により平成二十三年四月十七日に東京電力株式会社において取りまとめられた「福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」が着実かつ極力前倒しされて実施されるよう、定期的に同社の作業の進捗確認を行うとともに、必要な安全性の確認を行ってまいりたい。また、事故の原因について徹底的な検証を行ってまいりたい。さらに、被災者への支援について、これまで避難・受入れ先の確保等に取り組んでいるところであるが、引き続き地方自治体等との調整を行いながら、総合的かつ迅速に取り組んでまいりたい。
 また、菅内閣としては、福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、同様の事故が発生しないようにすることが重要であると認識している。そのため、当面の対応として、電気事業者等に対して、平成二十三年三月三十日に、津波による電源機能等の喪失時においても炉心損傷等を防止し、放射性物質の放出を抑制しつつ原子炉施設の冷却機能を回復することを可能とするための緊急安全対策の実施を指示し、また同年四月九日に、定期検査中等の原子炉について非常用交流高圧電源母線に接続する非常用発電機を二台動作可能とすることを指示し、さらに同月十五日に、外部電源の信頼性の確保に向け、複数の電源線からの全ての送電回線と各号機との接続、発電所内の電源線の送電鉄塔の強化、電気設備の浸水防止等の対策実施を指示したところである。今後、福島第一原子力発電所の事故の原因についての徹底的な検証を踏まえ、抜本的な対策を講じてまいりたい。



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