答弁本文情報
平成二十三年八月十二日受領答弁第三七四号
内閣衆質一七七第三七四号
平成二十三年八月十二日
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員柿澤未途君提出放射性物質による土壌汚染地域における国の責任による除染の実施等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員柿澤未途君提出放射性物質による土壌汚染地域における国の責任による除染の実施等に関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねの点について、平成二十三年度第二次補正予算における措置として、内閣府においては、放射線量低減基準策定調査等委託費(約二億円)による除染に係るガイドラインの作成等及び放射線量低減対策特別緊急事業費補助金(約百八十億円)による福島県原子力被災者・子ども健康基金に対する公共施設や通学路等の線量低減等の事業経費の助成を、文部科学省においては、公立諸学校建物其他災害復旧費補助金等(約四十五億円)による学校の校庭における表土除去等の支援を、厚生労働省においては、社会福祉施設等災害復旧費補助金(約五億円)による児童福祉施設等の園庭における表土除去等の支援を、それぞれ行うこととしている。
また、政府としては、このような財政的支援だけでなく、除染に関する技術的支援を行うため、地域のニーズを踏まえた専門家の派遣等を検討している。
お尋ねの点については、「東日本大震災からの復興の基本方針」(平成二十三年七月二十九日東日本大震災復興対策本部決定。以下「復興基本方針」という。)において、「国の責任において、除染に関する考え方や手法を早期に確立するとともに、地方公共団体の協力を得つつ、現場レベルでの実証や汚染土壌等の除染、下水汚泥等の適切な処理及び災害廃棄物の最終処分に必要な措置を講じる」としているところであり、政府としては、これに従って、平成二十三年度第三次補正予算等において必要な措置を講じてまいりたい。
「避難区域等の見直しに関する考え方」(平成二十三年八月九日原子力災害対策本部決定)において、「八月中を目処に除染に関する基本方針を取りまとめ、関係者の連携の下、徹底的かつ継続的な除染を実施する」としているところであり、政府としては、これに従って検討を進めてまいりたい。
お尋ねの点については、復興基本方針において、「放射性物質による大気・水・土壌・森林等の汚染を除去する必要があることから、環境修復技術の早期確立等を目指す。このため、大学、研究機関、民間企業等の協力の下、福島県に国内外の叡智を結集する開かれた研究拠点を形成する」としているところであり、政府としては、これに従って取り組んでまいりたい。
原子力災害対策特別措置法(平成十一年法律第百五十六号)第二十条第五項に基づき、内閣府原子力安全委員会が平成二十三年八月四日に示した意見においては、避難、屋内退避等の緊急時等に実施すべき放射線防護のための措置である緊急防護措置の解除に当たっては、「当該区域において住民が受ける被ばく線量が、解除日以降年間二十ミリシーベルト以下となることが確実であり、年間一から二十ミリシーベルトの範囲で長期的には参考レベルとして年間一ミリシーベルトを目指して、合理的に達成可能な限り低減する努力がなされること」等の条件を満たすことが基本となると考えられるとされており、これを踏まえ、今後、原子力災害対策本部において、計画的避難区域等の見直しの考え方を取りまとめることとしている。
お尋ねの点については、関係する地方自治体とも相談しつつ、政府としての対応を検討してまいりたい。
現在、東京電力株式会社の福島第一原子力発電所の事故の収束に向け、同社とともに全力で取り組んでいるところであり、御指摘の「年明けには周辺住民の帰宅の判断ができる」との見通しについては、現時点において変わるところはない。
お尋ねの「警戒区域、計画的避難区域内の土地の管理」の主体について法令上特段の定めはなく、また、土地の状況も様々であると考えられることから、一概にお答えすることは困難である。