答弁本文情報
平成二十五年二月二十六日受領答弁第二三号
内閣衆質一八三第二三号
平成二十五年二月二十六日
衆議院議長 伊吹文明 殿
衆議院議員石川知裕君提出中国艦船による我が国の海上自衛隊護衛艦への射撃用レーダー照射を巡る一連の政府の対応に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員石川知裕君提出中国艦船による我が国の海上自衛隊護衛艦への射撃用レーダー照射を巡る一連の政府の対応に関する質問に対する答弁書
一について
御指摘の「中国艦船による射撃用レーダー照射」は、不測の事態を招きかねない危険な行為であり、極めて遺憾であると考えている。政府としては、中国側に対し、外交ルートを通じて抗議を行ったところであり、引き続き、中国側が説明責任を適切に果たし、再発防止のために誠実に対応するよう求めていく考えである。
本年一月三十日午前十時頃、東シナ海において、海上自衛隊の護衛艦が中国海軍のジャンウェイU級フリゲート一隻から火器管制レーダーを照射される事案(以下「本事案」という。)が発生した。本事案については、黒江哲郎防衛省運用企画局長の指示により、同年二月五日午前十一時三十分頃、土本英樹同局事態対処課長から防衛大臣に、同日午後零時頃、中西礎之同課企画調整官から島田和久内閣総理大臣秘書官を通じて内閣総理大臣に、それぞれ第一報を伝えたところである。
防衛大臣及び内閣総理大臣に第一報を伝えるのが同日となったのは、海上自衛隊の護衛艦が中国海軍艦艇から火器管制レーダーの照射を受けたと確認するまで、事柄の性質上、慎重かつ詳細な分析を行っていたためであり、確認することができ次第、速やかに防衛大臣及び内閣総理大臣に第一報を伝えたところであるが、今後は、本事案のような危険な行為が疑われる事案が発生した際には、当該行為が行われたと断定するに至らない場合においても、基本的に、内閣総理大臣等に第一報を伝えることとしたところである。
本事案に関し政府が公表した内容について、中国側は、事実に合致しない旨説明しているが、政府としては、海上自衛隊の護衛艦の機材が収集したデータを慎重かつ詳細に分析して確認した事実を公表したものであり、中国側の説明は全く受け入れられない。政府としては、引き続き、中国側が説明責任を適切に果たし、再発防止のために誠実に対応するよう求めていく考えである。
本事案に係る証拠の開示については、中国側の反応や、当該開示により自衛隊の情報収集・分析能力が明らかになるおそれがあることを踏まえ、関係省庁において慎重に対応しているところである。