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平成二十五年十一月一日受領
答弁第二七号

  内閣衆質一八五第二七号
  平成二十五年十一月一日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 伊吹文明 殿

衆議院議員長妻昭君提出高血圧治療薬の臨床研究データ不正疑惑に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員長妻昭君提出高血圧治療薬の臨床研究データ不正疑惑に関する質問に対する答弁書



一について

 東京慈恵会医科大学及び京都府立医科大学の内部調査並びに高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会(以下「検討委員会」という。)によるヒアリング等の調査の結果、当該大学の研究者(以下「研究者」という。)は、ノバルティスファーマ株式会社の元社員(以下「元社員」という。)のデータ操作が疑われると述べている一方で、元社員は、データ操作等ができる立場にはなかったと述べている等、双方の説明が異なっているところであり、お尋ねの元社員がどのような役割を果たしたかについては、お答えすることが困難である。

二について

 お尋ねの元社員が集計したデータと論文で使われたデータが同一であったか否か及び研究者によってデータ操作が行われたか否かについては、研究者と元社員の説明が異なっているところであり、お答えすることは困難である。

三について

 お尋ねの「不正の疑いのある臨床研究をした大学」の意味するところが必ずしも明らかではないが、降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)を使用し、かつ、元社員の名前が論文に記載された研究を実施した研究者が所属していた大学のうち、検討委員会の中間取りまとめが行われた平成二十五年十月八日時点で、臨床研究の結果に関する内部調査の結果を公表している大学は、東京慈恵会医科大学及び京都府立医科大学である。高血圧症治療薬の臨床研究事案(以下「本事案」という。)における事実関係及びその弁明については、各大学による内部調査の結果によれば、東京慈恵会医科大学は、本事案に係る論文を「信頼性を欠くもの」としており、また、京都府立医科大学は、本事案に係る論文を「本臨床研究で提示された結論には誤りがあった可能性が高い」としている。

四について

 お尋ねの「同様の効果」の意味するところが必ずしも明らかでないが、バルサルタンの後発医薬品は、バルサルタン錠二十ミリグラム「サンド」、バルサルタン錠四十ミリグラム「サンド」、バルサルタン錠八十ミリグラム「サンド」及びバルサルタン錠百六十ミリグラム「サンド」であり、これらの後発医薬品は、いずれも薬価基準に収載されていないため、お尋ねの差額をお答えすることは困難である。

五について

 先の答弁書(平成二十五年八月十三日内閣衆質一八四第九号)六についてでお答えしたとおり、厚生労働省が日本国内の主要な製薬会社を対象として同省又は独立行政法人国立病院機構に在職歴のあった者の在籍状況を確認した調査によると、平成二十二年四月一日時点で、ノバルティスファーマ株式会社に在籍している者は三名であった。このうち一名については、本事案に関する行政指導、事情聴取等を行った際の対応者の中に含まれていたが、平成二十五年八月二十八日に、対応者から外すよう同省から同社に対し要請したため、それ以降、本事案に関しては同省職員と接触しておらず、同社から聴取したところによると、本事案の臨床研究にも関係していない。また、同社から聴取したところによると、他の二名については、本事案に関して同省職員と接触した事実はなく、本事案の臨床研究にも関係していない。

六について

 国家公務員倫理法(平成十一年法律第百二十九号)第六条等において、国家公務員のうち本省課長補佐級以上の職員等に対し、事業者等から贈与等を受けた場合(贈与等により受けた利益等の価額が一件につき五千円を超える場合に限る。)には贈与等の報告を行う義務を課しており、保存義務のある平成二十年度第三四半期から平成二十五年度第一四半期までの贈与等報告書において、把握している限りでは、ノバルティスファーマ株式会社からの贈与等があった府省等について、その人数及び当該贈与等により受けた利益等の価額を示すと、厚生労働省においては延べ九十三人、総額二百九十五万二千六百七十九円、防衛省においては延べ三人、総額九万五千円、独立行政法人国立病院機構においては延べ千十四人、総額五千三百九十二万二千九百十二円である。
 同法により贈与等の報告義務が課されていない、特定独立行政法人を除く独立行政法人及び国立大学法人の役職員等については、政府として把握しておらず、お答えすることは困難である。

七について

 厚生労働省としては、本事案と同様の問題が指摘される研究については、調査が必要と考えており、いまだ詳細な調査結果を公表していない大学の今後の調査結果等を踏まえ、検討委員会において、更なる調査の必要性について検討することとしている。



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