答弁本文情報
平成二十五年十一月五日受領答弁第三四号
内閣衆質一八五第三四号
平成二十五年十一月五日
衆議院議長 伊吹文明 殿
衆議院議員鈴木貴子君提出一九六〇年の日米安全保障条約改定時における核持ち込みに係る密約に対する安倍晋三内閣の認識に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員鈴木貴子君提出一九六〇年の日米安全保障条約改定時における核持ち込みに係る密約に対する安倍晋三内閣の認識に関する質問に対する答弁書
一から四までについて
いわゆる「密約」問題については、この問題により、外交に対する国民の理解と信頼が失われているとの観点から、過去の事実を徹底的に明らかにするため、平成二十一年九月から外務省が徹底した調査(以下「外務省調査」という。)を行い、その結果を平成二十二年三月に公表したところである。この結果は徹底した調査によるものであり、お尋ねのような調査を更に行う考えはない。
また、「いわゆる「密約」問題に関する有識者委員会報告書」では、核搭載艦船の寄港について「広義の密約」があったとの見解が示されているが、他方で、外務省調査の報告書は、「核搭載艦船の領海通過、寄港を事前協議の対象から除外するとの日米間の認識の一致があったかどうかについては、それを否定する多くの文書が見つかった。現実はむしろ、この点について日米間で認識の不一致があったということと思われる。」としている。
当時の状況については、簡単に判断できるものではなく、「いわゆる「密約」問題に関する有識者委員会報告書」においても、外交には、ある期間、ある程度の秘密性はつきものであるとした上で、外交に対する評価は、当時の国際環境や日本国民全体の利益・国益に照らして判断すべきものである旨述べられている。しかし一方で、この問題が、これほどの長期間にわたり、国民に対し、明らかにされてこなかったことは遺憾であると考えている。政府としては、今後とも、国民と共に歩む外交を実践し、国民の負託に応える外交の実現に努力していきたいと考えている。
外務省としては、引き続き文書管理体制の強化・改善を進め、国民の信頼回復に努めてまいりたい。