答弁本文情報
平成二十六年三月二十八日受領答弁第八三号
内閣衆質一八六第八三号
平成二十六年三月二十八日
衆議院議長 伊吹文明 殿
衆議院議員河野正美君提出医療費にかかる消費税のあり方に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員河野正美君提出医療費にかかる消費税のあり方に関する質問に対する答弁書
一について
政府としては、医療機関等が仕入れに要した消費税負担分に対し、診療報酬において適切に対応してきているところである。
社会保険診療については非課税取引とされているため、これに対応する課税仕入れについては、仕入税額控除の対象とはならない。このため、医療機関等が社会保険診療を行うために必要な薬剤費等の課税仕入れについては、その仕入れに係る消費税相当額を診療報酬に上乗せしている。一方、総費用のうち、人件費等の課税仕入れ以外の部分に対応する額についての国民の負担は、社会保険診療が非課税取引とされていることにより、課税取引とした場合に比して抑制されており、「医療費を消費税非課税とする理由が、国民負担を抑えるためであることと矛盾している」との御指摘は当たらない。
医療に係る消費税については、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律(平成二十四年法律第六十八号)第七条第一号トにおいて、「医療機関等における高額の投資に係る消費税の負担に関し、新たに一定の基準に該当するものに対し区分して措置を講ずることを検討し、医療機関等の仕入れに係る消費税については、診療報酬等の医療保険制度において手当をすることとし、医療機関等の消費税の負担について、厚生労働省において定期的に検証を行う場を設けることとするとともに、医療に係る消費税の課税の在り方については、引き続き検討する」こととされていることを踏まえつつ、検討してまいりたい。
消費税率を地方消費税率と合わせて八パーセントとし、社会保険診療を課税の対象とした上で、税率を零とする制度を仮定した場合、平成二十六年度予算を編成した際に試算した医療費に、中央社会保険医療協議会が平成二十五年十一月に示した第十九回医療経済実態調査報告に基づいて推計した医療機関等の収入に対する課税仕入れの割合を乗じた金額の百五分の八に相当する額が、医療機関等に還付されると仮定して、機械的に試算すれば、一・五兆円程度の減収となると見込まれる。