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答弁本文情報

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平成二十六年五月三十日受領
答弁第一六九号

  内閣衆質一八六第一六九号
  平成二十六年五月三十日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 伊吹文明 殿

衆議院議員辻元清美君提出集団的自衛権の解釈に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員辻元清美君提出集団的自衛権の解釈に関する再質問に対する答弁書



一から四まで並びに六の1及び2について

 政府は、従来から一貫して、我が国は国際法上いわゆる集団的自衛権を有しているとしても、これを行使することは、憲法の容認する自衛の措置の限界を超えるものであって許されないとの立場に立っているが、その考え方については、昭和四十七年十月十四日に参議院決算委員会に提出した資料において、「憲法は、第九条において、同条にいわゆる戦争を放棄し、いわゆる戦力の保持を禁止しているが、前文において「全世界の国民が・・・平和のうちに生存する権利を有する」ことを確認し、また、第一三条において「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、・・・国政の上で、最大の尊重を必要とする」旨を定めていることからも、わが国がみずからの存立を全うし国民が平和のうちに生存することまでも放棄していないことは明らかであって、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じているとはとうてい解されない。しかしながら、だからといって、平和主義をその基本原則とする憲法が、右にいう自衛のための措置を無制限に認めているとは解されないのであって、それは、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底からくつがえされるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るための止むを得ない措置としてはじめて容認されるものであるから、その措置は、右の事態を排除するためとられるべき必要最小限度の範囲にとどまるべきものである。そうだとすれば、わが憲法の下で武力行使を行うことが許されるのは、わが国に対する急迫、不正の侵害に対処する場合に限られるのであって、したがって、他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないといわざるを得ない。」としているところである。

五について

 平成二十五年五月八日の参議院予算委員会における安倍内閣総理大臣の答弁は、一から四まで並びに六の1及び2についてで示した従来からの政府の考え方を踏まえつつ、我が国を取り巻く安全保障環境がますます厳しさを増しているという状況の中で、いかにして国民の生命、財産を守るかとの問題意識を投げかけたものである。

六の3及び4について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の記者会見における安倍内閣総理大臣の発言は、「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が平成二十六年五月十五日に提出した報告書において、憲法第九条の解釈に関する従来からの政府の基本的な立場に言及した上で、「政府のこれまでの見解である、「(自衛のための)措置は、必要最小限度の範囲にとどまるべき」という解釈に立ったとしても(中略)「必要最小限度」の中に集団的自衛権の行使も含まれると解釈して、集団的自衛権の行使を認めるべきである。」との考え方が示されたことを受けて、この考え方について更に研究を進めていきたい旨を述べたものである。

七の1及び2について

 お尋ねの「事例」の対象範囲が必ずしも明らかではないが、例えば、平成二十三年二月、リビアにおける情勢悪化を受け現地から邦人四名が米国政府のチャーター船により輸送された例がある。
 なお、御指摘の「民間人」の定義が必ずしも明らかでないため、輸送された邦人のうち、「民間人」の人数・割合についてお答えすることは困難である。

七の3及び4について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、七の1及び2についてでお答えしたとおり、安全を確保するために、ある国の国民の輸送を他国の艦船が行うことは現実にあり得ると考えている。他方、我が国が当事国ではない事例については、事実関係を十分把握することが困難なこともあり、お答えすることは差し控えたい。



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