答弁本文情報
平成二十八年一月十二日受領答弁第七号
内閣衆質一九〇第七号
平成二十八年一月十二日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員長妻昭君提出日本の労働生産性が低い理由に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員長妻昭君提出日本の労働生産性が低い理由に関する質問に対する答弁書
一について
労働生産性について、各国で産業構造に違いなどがある中、その水準について適切に国際比較することは困難であるが、経済開発協力機構のウェブサイトで公表されている我が国の時間当たりの労働生産性は、二千十四年は約四十一米ドルとなっている。なお、同ウェブサイトにおいて現在の同機構への全加盟国のデータを遡ることが可能な二千年以降について、我が国の時間当たりの労働生産性の数値を単純に当該加盟国と比較した順位をお示しすると、二千年から二千二年までは第二十位、二千三年は第十九位、二千四年は第二十位、二千五年から二千七年までは第十九位、二千八年から二千十四年までは第二十位となっており、また、同ウェブサイトにおいて一人当たりの労働生産性については、現時点での数値は公表されていないと承知している。
お尋ねの「日本の労働生産性が先進国の中でも低い理由」については、各国で産業構造に違いなどがある中、その要因の順位をお示しすることは困難であるが、我が国の労働生産性上昇率については、製造業は千九百九十年以降おおむね横ばいで推移している一方、非製造業は二千年代後半に低下している。我が国の非製造業の労働生産性上昇率が低い水準となっている要因としては、ICT資本蓄積が少ないことなどが考えられる。
御指摘の文書においては、一般的には、非正規雇用労働者は正規雇用労働者に比べて職業教育訓練による人材育成機会が少ないと見られることから、非正規雇用比率が高まると、必要な技能や労働者の熟練の蓄積がなされず、労働の質が低下し、労働生産性を押し下げる可能性がある旨を申し上げたものである。他方、非正規雇用比率と労働生産性との関係については、例えば、知識や経験が蓄積された高齢労働者が非正規雇用者として再雇用される場合など、様々な要素が労働生産性に影響を与えると考えられることから、同文書においても、その関係については一概には申し上げられない旨、併せて記載している。
非正規雇用労働者の増加が我が国経済に対して与える影響は、労働生産性に与える影響と同様に様々であることから、一概にお答えすることは困難である。