答弁本文情報
平成二十八年一月二十二日受領答弁第三八号
内閣衆質一九〇第三八号
平成二十八年一月二十二日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員篠原豪君提出人事院資料及び勧告に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員篠原豪君提出人事院資料及び勧告に関する質問に対する答弁書
一から三までについて
人事院としては、各給与所得者に支給される給与については、一般的に、職種のほか、役職段階、勤務地域、学歴、年齢等が異なることによりその水準が異なっており、官民の給与比較の際には、それぞれの給与の単純な平均で比較することは適当ではないと考えられることから、職種、役職段階等の主な給与決定要素を同じくする者を対比させて精密に比較を行っているところであり、国税庁の民間給与実態統計調査については、その対象に、常勤の国家公務員とは勤務形態が異なるパートタイマー、アルバイト等や、国家公務員に類似する職種とは評価しがたい生産労働者、販売員等が含まれていることなどから、国家公務員の給与水準との精密な比較に用いるにはなじまないものと考えているところである。
御指摘の平成二十八年一月五日の「勉強会」においては、人事院として、このような説明を行った上で、参考として、例えば勤続年数の要素に着目し、国税庁の平成二十六年民間給与実態統計調査において、その勤続年数が国家公務員の経験年数の平均に比較的近いと考えられる勤続二十年から二十四年までの男性の年間の平均給与(六百七十・八万円)をみると、一年を通じて勤務した全ての給与所得者の年間の平均給与(四百十五・〇万円)とは大きく異なっており、結果的に平成二十六年度における国家公務員の行政職俸給表(一)適用職員の年間の平均給与(六百六十一・八万円)に近くなっていることをお示ししたところである。なお、国税庁の民間給与実態統計調査による民間の年間の平均給与とお示しした国家公務員の年間の平均給与とでは、その対象に含まれる手当等が異なっている。
人事院としては、人事院の職種別民間給与実態調査において、調査対象となった民間事業所の従業員に支給された四月分の月例給の総額並びにその内数である時間外手当等(超過勤務手当等の勤務実績に応じて支給される手当をいう。以下同じ。)の額及び通勤手当の額は把握しているものの、二でお尋ねの「非課税分以外の全ての手当を対象とする給与調査データ」は保有していない。また、人事院としては、人事院勧告を行う際の月例給に係る官民の給与比較に当たっては、時間外手当等や実費弁償性を有する通勤手当等を比較に含めることは適当ではないとの考え方から、国家公務員の給与と民間給与の双方から、こうした比較に含めることは適当ではないと考えられる手当を除いた上で、比較を行っているところである。
政府としては、人事院勧告の前提となる官民の給与比較の手法については、第三者機関としての人事院において専門的見地から判断するものであると考えているが、人事院において、国民の理解が得られるよう説明することが重要であると認識している。