答弁本文情報
平成二十八年一月二十二日受領答弁第三九号
内閣衆質一九〇第三九号
平成二十八年一月二十二日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員福田昭夫君提出なぜ日本がここまで貧乏になってしまったのかという疑問に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員福田昭夫君提出なぜ日本がここまで貧乏になってしまったのかという疑問に関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねの日本の一人当たり名目GDPについて、平成六年につき「平成二十六年度国民経済計算確報(フロー編)」(平成二十七年十二月二十五日内閣府公表)等、平成五年につき「支出系列簡易遡及平成十七年基準」(平成二十六年一月二十日内閣府公表)等を用いて計算すれば、米ドル換算で、それぞれ三万八千八百四十四米ドル及び三万五千五百四米ドルとなり、いずれも経済協力開発機構(以下「OECD」という。)加盟国中第三位となっている。
御指摘の「貧乏」の定義が必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難であるが、我が国の一人当たり名目GDPのOECD加盟国内の順位が低下した要因としては、世界経済が成長する中で、我が国経済はデフレ状況にあって、名目GDP成長率が相対的に低かったこと等があると考えている。
政府としては、長引くデフレからの早期脱却と日本経済の再生のため、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の三本の矢からなる経済政策を一体的に推進してきた。今後の経済財政運営に当たっては、アベノミクス第二ステージにおいて、名目GDP六百兆円を平成三十二年頃に達成することを目標とし、これまでの三本の矢を束ねて一層強化した新たな第一の矢である希望を生み出す強い経済の推進に取り組むとともに、その果実を第二、第三の矢である夢をつむぐ子育て支援、安心につながる社会保障にもつなげることで、新・三本の矢が一体となって成長と分配の好循環を強固なものとしていく。
社会保障制度を次世代に引き渡していく責任を果たすとともに、市場や国際社会における我が国の信認を確保するため、平成二十九年四月の消費税率の十パーセントへの引上げは、リーマンショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り、確実に実施することとしている。その上で、政府としては、経済財政運営に万全を期してまいりたい。
御指摘の「貧乏」の定義が必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難であるが、平成二十九年四月の消費税率の十パーセントへの引上げは、市場や国際社会における我が国の信認を確保するとともに、社会保障制度を次世代に引き渡していくためのものである。その増収分は全額、社会保障の充実・安定化に充てることとしている。
ハイパーインフレーションは、戦争等を背景とした極端な物不足や、財政運営及び通貨に対する信認が完全に失われるなど、極めて特殊な状況下において発生するものであり、現在の我が国の経済・財政の状況において発生するとは考えていない。
我が国の財政については、極めて厳しい状況にあり、デフレ脱却・経済再生を図りつつ、その持続可能性を確保することが重要である。政府としては、「経済財政運営と改革の基本方針二〇一五」(平成二十七年六月三十日閣議決定)に盛り込まれた「経済・財政再生計画」に基づき、平成三十二年度の財政健全化目標の達成に向けて、経済と財政双方の再生を目指す経済・財政一体改革に取り組むこととしている。