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平成二十八年二月二日受領
答弁第八三号

  内閣衆質一九〇第八三号
  平成二十八年二月二日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員照屋寛徳君提出海上自衛隊における公益通報者及び情報公開請求者に対する不利益取扱いなどの是正措置等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員照屋寛徳君提出海上自衛隊における公益通報者及び情報公開請求者に対する不利益取扱いなどの是正措置等に関する質問に対する答弁書



一について

 平成十六年に発生した護衛艦「たちかぜ」乗員であった隊員の自殺事案に関連し調査した結果を取りまとめた行政文書としては、平成十七年一月二十七日に海上自衛隊横須賀地方総監部が「護衛艦「たちかぜ」の一般事故調査結果について(通知)」を、同月二十八日に海上幕僚監部衛生企画室が「自殺事案後のアフターケアについて(報告)」を、平成十八年一月三十一日に海上自衛隊護衛艦隊司令部幕僚長が「「たちかぜ」自殺事案について(報告)」を作成している。

二について

 御指摘の「自殺原因事故調査報告書」の意味するところが必ずしも明らかではないが、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)の規定に基づき平成二十五年十二月二十四日付けでなされた行政文書開示請求に対して防衛省が開示した「「たちかぜ」自殺事案について(報告)」は、当該開示請求の内容に該当するため開示したものであり、当該文書は平成二十三年六月三日付けでなされた行政文書開示請求の内容には該当しないため開示しなかったものである。
 したがって、「「不存在」として処理された文書が、一転してその後の文書開示請求によって提出された」との御指摘は当たらない。
 また、「「たちかぜ」自殺事案について(報告)」については個人に関する情報が含まれており、その取扱いについては慎重な検討が必要であるが、いずれにせよ、これを国会へ提出するか否かについては、国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第百四条の規定に基づき報告又は記録の提出を求められたときに、具体的に判断すべきと考える。

三から五までについて

 お尋ねは個別の人事に関するものであり、その詳細を公にすることは、人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあることから、答弁を差し控えたい。
 その上で申し上げれば、昇任等については、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)及び防衛省の職員の給与等に関する法律(昭和二十七年法律第二百六十六号)並びにこれらの法律に基づく命令等の規定に基づき、当該職員の勤務成績等の様々な要素を考慮して行っているものであるが、公益通報等をしたことを理由として不利益な取扱いは行われていないと認識している。

六の@について

 御指摘の「調査結果」については、情報公開・個人情報保護審査会が防衛大臣宛てに平成二十五年七月八日に交付した答申書(平成二十五年度(行情)答申第八十九号)に記載のように「本件対象文書の完成後も自殺の原因を特定すべく検証を続けたが、自殺した本人の供述が得られない以上事実関係の裏付けが取れず、これ以上の調査を行うことができないと判断したことから、改めて調査の結果を記した文書を作成するには至らなかった」ことから、その結果に係る文書は作成されていない。したがって、御指摘の「自殺原因事故調査報告書」が二についてにおいて述べた平成二十五年十二月二十四日付けでなされた行政文書開示請求に対して防衛省が開示した「「たちかぜ」自殺事案について(報告)」を指すものであるとすれば、当該文書は御指摘の「調査結果」には当たらない。

六のAについて

 御指摘の事案について、これ以上の調査を行うことができないとの判断は、防衛省として行ったものであり、「「たちかぜ」自殺事案について(報告)」を作成した海上自衛隊護衛艦隊司令部幕僚長が判断したものではない。防衛省としては、「護衛艦「たちかぜ」の一般事故調査結果について(通知)」及び「自殺事案後のアフターケアについて(報告)」の作成後も、自殺の原因を特定すべく検証を続けたが、自殺した本人の供述が得られない以上事実関係の裏付けが取れず、これ以上の調査は行うことができないと判断したものである。



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