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答弁本文情報

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平成二十八年四月十九日受領
答弁第二四五号

  内閣衆質一九〇第二四五号
  平成二十八年四月十九日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員赤嶺政賢君提出米軍嘉手納基地周辺で高濃度の有機フッ素化合物(PFOS)が検出された問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員赤嶺政賢君提出米軍嘉手納基地周辺で高濃度の有機フッ素化合物(PFOS)が検出された問題に関する質問に対する答弁書



一について

 ペルフルオロ(オクタン−一−スルホン酸)(以下「PFOS」という。)については、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(昭和四十八年法律第百十七号。以下「化審法」という。)第二条第二項に規定する第一種特定化学物質に平成二十二年四月一日に指定され、他の物に代替することが困難である用途を除き、その使用が禁止されているところである。また、環境省においては、PFOSを、水環境を経由して人の健康や生態系に有害な影響を与えるおそれが比較的大きくない又は不明な物質であるが水環境中での検出状況や複合影響の観点から見て知見の集積が必要なものとして、公共用水域に関する要調査項目に位置付け、情報・知見の収集に努めているところである。
 また、PFOSについては、世界保健機関が影響が懸念される物質に対して設定している飲料水水質ガイドライン値が設定されている物質ではなく、毒性評価が定まらないことから水質基準に関する省令(平成十五年厚生労働省令第百一号)においても、水道により供給される水が適合するものでなければならない基準が設けられている事項とはされていないが、厚生労働省においては、PFOSを、毒性評価が定まらない又は浄水中の存在量が不明な物質であるが必要な情報・知見の収集に努めることとされているものとして、要検討項目に位置付けているところである。
 政府としては、我が国に駐留するアメリカ合衆国軍隊が、環境保護及び安全のための取組を含め、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動すべきことは当然であると考えている。

二について

 平成二十八年二月二十二日付けの沖縄県から沖縄防衛局への照会事項については、これまで米側に対し早期の回答を求めてきているところであり、回答があり次第、当該回答を同県に提示する考えである。

三について

 お尋ねの「航空機や部品等の洗浄剤や作動油へのPFOS含有製品の使用」の意味するところが必ずしも明らかではないが、PFOSについては、化審法第二条第二項に規定する第一種特定化学物質に平成二十二年四月一日に指定され、他の物に代替することが困難である用途を除き、その使用が禁止されているところである。航空機や部品等の洗浄剤や作動油へのPFOSの使用は、当該代替することが困難である用途として認められていない。

四について

 お尋ねの「業界の標準的な慣行」が指す内容については、米側に照会中であり、現時点でお答えすることは困難である。

五について

 お尋ねの嘉手納飛行場における消火剤の流出事案に係る事実関係については、米側に照会中であり、政府の認識及び今後の対応について現時点で確たることを申し上げることは困難である。

六について

 お尋ねの米側から通報があった嘉手納飛行場における泡消火剤や燃料等の漏出事案に関する文書は保存期間が五年であるため、平成二十一年度以前の内容をお示しすることは困難であるが、平成二十二年度から平成二十七年度までにおける年度ごとの@発生年月日、A発生原因、B漏出した品目、C漏出した量、DPFOSを含む含有有害物質の種類、E嘉手納飛行場外への漏出の有無、F回収措置等の内容、G地元自治体への通報の日時及びH地元自治体への通報の内容をお示しすると、次のとおりである。政府としては、引き続き、米側に対して、同種事案の再発防止の徹底を求めていく考えである。
平成二十二年度
 @平成二十二年九月二十七日 A燃料タンクのバルブが外れたため B燃料 C約七百八十ガロン D不明 E無 F吸着及び酵素の散布 G平成二十二年九月二十八日 H事実関係を通報
 @平成二十三年一月二十日 A風により飛散 B泡消火剤 C不明 D不明 E有 F自然消滅 G平成二十三年一月二十日 H事実関係を通報
平成二十三年度
 @平成二十三年六月三日 A燃料タンクのバルブの閉め忘れ B燃料 C約五ガロン D不明 E無 F不明 G平成二十三年六月七日 H事実関係を通報
 @平成二十三年八月十六日 A燃料系統の不具合 B燃料 C約三十から約五十ガロン D不明 E無 F不明 G平成二十三年八月十七日 H事実関係を通報
平成二十四年度
 @平成二十四年六月十五日 A燃料システムへの圧力過剰 B燃料 C約十ガロン D不明 E無 F吸着 G平成二十四年六月十五日 H事実関係を通報
 @平成二十四年六月二十七日 A下水管の破損 B汚水 C不明 D不明 E無 F消毒剤の散布 G平成二十四年六月二十八日 H事実関係を通報
平成二十五年度
 @平成二十五年四月三日 A不明 B燃料 C約二十五ガロン D不明 E無 F清掃 G平成二十五年四月四日 H事実関係を通報
 @平成二十五年四月二十五日 A不明 B燃料 C約十ガロン D不明 E無 F吸着 G平成二十五年四月二十五日 H事実関係を通報
 @平成二十五年六月三日 A下水管の破損 B汚水 C不明 D不明 E無 F別の汚水ポンプによるくみ上げ G平成二十五年六月四日 H事実関係を通報
 @平成二十五年十一月五日 Aフォークリフトが地下道の天井部に衝突 B油圧オイル C約五から約二十ガロン D不明 E無 F不明 G平成二十五年十一月五日 H事実関係を通報
平成二十六年度
 @平成二十六年四月十九日 A風により飛散 B泡消火剤 C不明 D不明 E有 F自然消滅 G平成二十六年四月二十日 H事実関係を通報
 @平成二十六年十月七日 A給油車の不具合 B燃料 C約二十五ガロン D不明 E無 F吸着 G平成二十六年十月七日 H事実関係を通報
平成二十七年度
 @平成二十七年六月一日 A燃料放出弁の不具合 B燃料 C約二百ガロン D不明 E無 F吸着 G平成二十七年六月二日 H事実関係を通報

七について

 外務省としては、沖縄防衛局の対応を踏まえ、平成二十八年二月二十六日、在京アメリカ合衆国大使館に対して早期の回答を求めたが、本件に関する米側とのやり取りの詳細について明らかにすることは、相手国との関係もあり、差し控えたい。

八について

 お尋ねの「理由」は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定を補足する日本国における合衆国軍隊に関連する環境の管理の分野における協力に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定(平成二十七年外務省告示第三百五十一号)の交渉の経緯に係るものであり、これにお答えすることは、相手国との関係もあり、差し控えたい。なお、御指摘の「日本側として環境汚染を疑う場合」には、米側からの通報がない場合においても、昭和四十八年の環境に関する協力についての日米合同委員会合意に従って米側に調査要請や立入申請等を行うことは可能であり、個別具体の事案に即して、適切に対応してまいりたい。

九について

 平成二十八年一月二十一日付けの沖縄県から沖縄防衛局への要請書の英訳については、同局企画部地方調整課の担当職員一名が作成し、同部内でしかるべくチェックを経たところであるが、英訳の一部に必ずしも適切とは言えないものがあったことを確認しており、今後、チェック体制に万全を期してまいりたい。
 他方、同月二十二日、同局は嘉手納飛行場の米側担当者と面会した際、同県からの要請書及び当該英訳を提示するとともに、その内容に関し十分説明も行っていることから、当該要請書の趣旨は米側に正確に伝達されたものと認識しており、また、当該英訳については、同年四月十三日に同県から求めがあったことから、同日、同県に対して提示したところである。
 さらに、同年二月二十二日付けの同局から米側への要請書については、政府としての立場を表明したものであるが、当該要請書についても同年四月十三日に同県から求めがあったことから、同日、同県に対して提示したところである。



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