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平成二十八年五月十七日受領
答弁第二六一号

  内閣衆質一九〇第二六一号
  平成二十八年五月十七日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員近藤昭一君提出米軍機オスプレイの配備に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員近藤昭一君提出米軍機オスプレイの配備に関する質問に対する答弁書



一、二及び五について

 日本国外で起こった米軍機の事故全般については、米国政府が公表しているとおりであり、政府としてお答えする立場にないが、これまでに垂直離着陸機MV二二オスプレイ(以下「MV二二」という。)及び垂直離着陸機CV二二オスプレイ(以下「CV二二」という。)のクラスAの飛行事故が発生した際には米国政府に対し情報提供を要請してきており、平成二十四年四月にモロッコで発生したMV二二の事故及び同年六月に米国フロリダ州で発生したCV二二の事故に係る事故報告書については、米国政府において必要な編集を行った上で提供を受け、防衛省のホームページ等において公表したところである。
 お尋ねの「マニュアル操作とコンピューター制御による自動操縦の関連性について、パイロットがいかなる心理状態にあったか」の意味するところが必ずしも明らかではないが、MV二二については、そもそも、平成十七年に米国政府がその安全性・信頼性を確認した上で、量産が開始されたものであり、また、平成二十四年四月にモロッコで発生したMV二二の事故及び同年六月に米国フロリダ州で発生したCV二二の事故の各調査結果の分析評価や同年九月十九日の「日本国における新たな航空機(MV−22)に関する日米合同委員会合意」(以下「合同委員会合意」という。)等を総合的に勘案し、我が国におけるMV二二の運用について、その安全性を確認している。
 また、平成二十六年に我が国も垂直離着陸機V二二オスプレイ(以下「V二二」という。)を導入することを決定したが、その検討過程において、各種技術情報を収集・分析し、V二二が安全な機体であることを改めて確認している。なお、MV二二の普天間飛行場への配備以降、国内におけるMV二二の訓練等の機会も増加しているが、これまで国内において安全に運用されてきている。
 さらに、政府としては、CV二二がMV二二と同じ推進システムを有し、構造は基本的に共通していると承知しており、また、米国政府がCV二二の我が国における運用に際してMV二二の運用と同様に安全を徹底することも確認しており、我が国におけるCV二二の運用の安全性は、MV二二と同様に確保されるものと考えている。

三について

 政府として把握しているMV二二の十万飛行時間当たりのクラスAの飛行事故の件数としての事故率は、平成二十四年四月時点で一・九三、同年九月末時点で一・六五、平成二十五年九月末時点で二・六一、平成二十六年九月末時点で二・一二、平成二十七年九月末時点で二・六四である。
 また、CV二二の十万飛行時間当たりのクラスAの飛行事故の件数としての事故率については、米国政府から十万飛行時間に達しない段階で有意な事故率を算出することは困難である旨説明を受けているところ、CV二二は総飛行時間が十万飛行時間にはるかに達していないことから、お答えすることは差し控えたい。

四について

 御指摘の事故について、オートローテーションに係る機能の有無が事故の原因と関係があるとは承知していないが、いずれにせよ、米国政府からは、MV二二は、オートローテーションに係る機能を有し、実機による試験も行われてきており、オートローテーションによる飛行により着陸する手順が確立されているとの説明を受けており、また、陸上自衛隊のV二二の導入を決定した機種選定の際にも、各種技術情報を収集し、V二二がオートローテーションに係る機能を有することを確認している。なお、MV二二は、片方のエンジンが停止しても、もう一方のエンジンのみで両翼のローターを回転させ、飛行を継続できる設計となっている。

六について

 米国政府内での個別の予算要求の背景にある考え方の一々について、政府としてお答えする立場にない。いずれにせよ、米国政府から、CV二二の配備先については、CV二二の任務を踏まえた上で、運用上や訓練上のニーズ、機体整備のための施設が活用できること、十機のCV二二やその要員を受け入れるための地積を有していることなど、様々な点を総合的に勘案した結果、横田飛行場を選定したとの説明を受けているところである。

七及び八について

 御指摘の「接受国通報」の用語は、様々な意味を有するものと承知しているが、お尋ねの「接受国通報」とは、一般に、米軍が、米国外における機材(機種・艦種)の変更に当たって、自主的に接受国に対して行う事前通報をいい、「接受国通報」に係る米国政府内での検討・調整の具体的内容について、政府としてお答えする立場にない。また、お尋ねの「接受国通報」を含む在日米軍に関する事項については、日頃から米国政府と緊密に意見交換を行っているところであるが、意見交換の具体的な内容については、米国政府との関係もあり、お答えすることは差し控えたい。

九について

 米国政府が作成したCV二二の横田飛行場配備に関する環境レビュー(以下「環境レビュー」という。)に記述のある「六つの訓練区域」のうち、我が国に所在する訓練区域での訓練内容について米国政府に確認したところ、東富士演習場においては、離着陸訓練、人員降下訓練、物料投下訓練、空対地射撃訓練及び夜間飛行訓練を、ホテル地区においては、飛行訓練及び夜間飛行訓練を、三沢対地射爆撃場においては、空対地射撃訓練、物料投下訓練及び夜間飛行訓練を、沖縄の訓練場においては、離着陸訓練、空対地射撃訓練及び夜間飛行訓練を、それぞれ行う旨説明を受けている。
 また、環境レビューにおいては、CV二二が配備される同飛行場及び周辺地域を含め、運用が想定される地域を対象として、空域、騒音、大気質、安全性等の評価項目について現状を把握した上で、影響を予測するとともに、環境への影響を最小限にとどめるための措置について検討が行われ、その結果、地域住民や周辺環境に対して著しい悪影響はないとの評価がなされていると承知している。

一〇から一二までについて

 米軍の飛行訓練については、米軍が、飛行訓練の目的達成、飛行の安全確保、住民への影響抑制等の必要性を安定的に満たすとの観点から、一定の飛行経路を念頭に置いて行われていると承知しているが、その詳細については承知していない。
 政府としては、環境レビューについて、環境レビューの対象とされた米軍施設等が所在する地方公共団体のほか、その他の地方公共団体に対しても、その御要望等を踏まえ、説明を行ってきたところであり、引き続き、適切に対応してまいりたい。
 横田飛行場周辺におけるCV二二の訓練については、離着陸訓練、人員降下訓練、物料投下訓練、編隊飛行訓練及び夜間飛行訓練を行うことを想定している旨、米国政府から説明を受けているが、これ以上の説明は受けておらず、具体的にお答えすることは困難である。
 また、訓練の実施に当たり、米国政府から情報が得られた場合には、速やかに関係地方公共団体等に伝達する考えである。

一三について

 CV二二の騒音については、現在、横田飛行場に配備されている航空機と比較すると、C一二の騒音よりは大きいものの、多数を占めるC一三〇やUH一の騒音とはほぼ同程度であることから、同飛行場周辺における騒音に著しい影響はない旨、米国政府から説明を受けている。
 また、環境レビューによれば、同飛行場周辺の騒音を受ける複数の代表的な地点における騒音暴露レベルの予測値は、例えば、農協瑞穂店地点で、現状の最大値百二十デシベルのところ、CV二二配備後も最大値百二十デシベルであり、現況から変化しないとされていると承知している。

一四について

 MV二二の飛行等により発生する低周波音については、平成二十四年十二月十八日に沖縄県知事に送付し、同月二十七日から公告し、縦覧に供し、現在防衛省沖縄防衛局のホームページにおいて公表している「普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価書」六−五−二十一ページから六−五−二十三ページまでに示された図に、防衛省が米国で行った計測の結果を掲載しているところである。
 また、環境レビューは、米国政府が作成したものであり、図の出典を含め、その記載理由について、政府としてお答えすることは困難である。

一五について

 お尋ねについては、仮定の質問であり、お答えすることは差し控えたいが、防衛省としては、引き続き、米国政府に対し、米軍機の飛行に際し、安全を確保するとともに、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう求めていく考えである。

一六について

 政府としては、CV二二の横田飛行場への配備について、平成二十七年五月十二日以降、同飛行場周辺の地方公共団体をはじめ、環境レビューにおいて運用が想定されている地方公共団体等に対し、CV二二についての資料を使用し、説明や情報提供を行ってきたところであり、引き続き、地方公共団体等からの御要望を踏まえ、適切に対応してまいりたい。

一七について

 木更津駐屯地において定期機体整備を行う米軍のMV二二は、米海兵隊による飛行によって同駐屯地に搬入される予定である。

一八について

 お尋ねの「民間機の航行と空域の区別」の意味するところが必ずしも明らかではないが、木更津駐屯地所属の航空機の安全には十分配慮した上で、民間航空機への影響を局限できるような高度により航行している。
 お尋ねの同駐屯地に定期機体整備で搬入されるMV二二及びV二二については、いまだ搬入が開始されていないため、現時点において申し上げることは困難であるが、航空機の安全には十分配慮した上で、民間航空機への影響を局限できるような高度により航行することとなる。

一九について

 お尋ねの「管制下に入る場合」の意味するところが必ずしも明らかではないが、木更津駐屯地に所属する航空機が通常行う航行において東京国際空港及び成田国際空港に指定された航空交通管制圏に入ることはない。

二〇について

 合同委員会合意については、木更津駐屯地での定期機体整備後に行う試験飛行も含め、我が国における米軍のMV二二の飛行運用に適用されるものである。
 当該合同委員会合意においては、運用上必要な場合を除き、通常、米軍の施設及び区域内においてのみ垂直離着陸モードで飛行し、転換モードでの飛行時間をできる限り限定するとされているところ、同駐屯地での試験飛行におけるモードの転換は、米軍の運用上必要な場合に該当するものと認識している。なお、当該試験飛行については、海上等、なるべく人家の少ない区域の上空において実施するよう米軍と調整を進めているところである。

二一について

 お尋ねの「緊急時に基地外から着陸を試みようとしても滑走路に到達できない場合がある」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一般的に、航空機の危難が生じた場合、機長は危難の防止に必要な手段を尽くすこととなる。

二二について

 防衛省では、佐賀空港に隣接する土地を陸上自衛隊に導入するV二二等の配備のための最適な候補地として選定し、現在、V二二が納入される時期に合わせて、当該候補地における約三十ヘクタールの施設整備等を念頭に置いた具体的な検討を進めているところである。



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