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平成二十八年六月七日受領答弁第三二九号
内閣衆質一九〇第三二九号
平成二十八年六月七日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員落合貴之君提出世界経済見通しと伊勢志摩サミットに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員落合貴之君提出世界経済見通しと伊勢志摩サミットに関する質問に対する答弁書
一及び二について
安倍内閣総理大臣は、御指摘の会見において、新興国の経済をめぐる、いくつかの重要な指標にリーマンショック以来の落ち込みが見られており、新興国経済に陰りが見える中、世界的な需要の低迷や成長の減速が懸念されるとのリスクについて説明したものである。お尋ねの「英国やフランス、ドイツ等から批判が上がっている」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないが、かかるリスクに関する認識については、平成二十八年五月に行われた伊勢志摩サミットにおいて、参加した多くの首脳からも、同様の言及があり、首脳間で共有したところである。
お尋ねの「我が国のみが「危機」に陥るリスクに直面している」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないが、平成二十八年四月に公表された国際通貨基金の「世界経済見通し」では、世界経済の成長率は、平成二十八年は三・二パーセントと前年からほぼ横ばい、平成二十九年は三・五パーセントと回復がやや強まると見込まれているものの、世界経済の不確実性が増しており、成長が下振れするリスクがより明確になっているとしている。当該リスクについて、具体的には、新興国からの資本流出と金融不安定化、中国の経済構造の転換の国際的な影響、原油輸出国の経済状況の悪化等が挙げられている。
平成二十六年四月の消費税率引上げが消費に大きな影響を与えたのは事実であるが、消費税率の引上げが経済に与える影響については、内外経済状況等様々な要因によって変動するため、一概に申し上げることはできない。
なお、お尋ねの「消費税率の十%への引上げを行った場合の我が国経済、消費への影響についての試算」は政府として作成していない。
お尋ねの「我が国が「危機」に陥る「リスク」に直面している状況」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないが、アベノミクス「三本の矢」の政策によって、デフレではないという状況を作り出す中で、雇用・所得環境も確実に改善していると考えている。