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平成二十八年十一月四日受領
答弁第九〇号

  内閣衆質一九二第九〇号
  平成二十八年十一月四日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員仲里利信君提出TPPの今国会での承認と関連法の成立に反対しTPPの交渉見直しを求めることに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員仲里利信君提出TPPの今国会での承認と関連法の成立に反対しTPPの交渉見直しを求めることに関する質問に対する答弁書



一から五まで及び十について

 政府としては、我が国以外の環太平洋パートナーシップ(以下「TPP」という。)協定交渉参加国の国内の議論についてお答えする立場にないが、昨年十一月のTPP首脳会合において、十二箇国の首脳は、TPP協定の早期発効を目指すことを確認している。
 TPP協定は、アジア太平洋地域に、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった普遍的価値を共有する国々と共に、二十一世紀にふさわしい新たな経済ルールを作り、人口八億人、世界経済の四割近くを占める広大な経済圏を生み出すものであり、安倍内閣の「成長戦略の柱」となるものである。政府としては、TPP協定を早期に発効させ、その効果を実現させることが極めて重要であると考えており、我が国が率先して動くことで、早期発効に向けた機運を高めていきたいと考えている。

六及び七について

 米国にとってのTPP協定の意義や影響等については、米国政府が様々な形で対外的に説明を行っていることは承知している。我が国としては、昨年十二月二十四日に内閣官房が公表した「TPP協定の経済効果分析」において、農林水産物への影響を個別品目ごとに精査し積み上げ、この結果を一般均衡モデル(いわゆるGTAPモデル)に組み入れ、その上で、TPP協定の広範な合意内容及び生産性向上や労働供給増の効果を含めた成長メカニズムを明らかにする必要があることを踏まえ、TPP協定の経済効果についての包括的な分析を行ったものであり、政府の試算が楽観的である等との御指摘は当たらないと考える。

八について

 「TPP協定の経済効果分析」において、「TPPが発効し、その効果により我が国が新たに成長経路(均衡状態)に移行した時点において、実質GDPは二・六%増、二〇一四年度のGDP水準を用いて換算すると、約十四兆円の拡大効果が見込まれる」との分析結果を示しているところである。この分析は、GTAPの静学モデルを使用しているが、時系列でどれだけ増えるかではなく、最終的に新しい均衡状態になった時に、今よりどれだけGDPが増えるかを示すものである。具体的に何年後にGDPの増加が達成されるのか、モデル上示すものではない。また、この分析は、TPP協定が我が国経済全体に与える効果を示す目的で行ったものであり、産業別の影響は算出していない。
 政府としては、昨年十一月二十五日に「総合的なTPP関連政策大綱」を決定し、必要な対策を順次講ずるとともに、農産物の重要品目が確実に再生産可能となるよう、交渉で獲得した措置と合わせて、引き続き万全の措置を講じていくこととしている。

九について

 「TPP協定の経済効果分析」は、事前に、この分野に精通した国際経済学者三名による学術的な確認を得ているものである。また、分析に用いたモデルは、GTAPモデルという世界で一般的に使われているものであり、世界銀行による試算や海外の著名な研究所であるピーターソン研究所による試算も同様のモデルを用いており、その結果もそれぞれGDP二・七%増、実質所得二・五%増とほぼ同じとなっており、見直しの必要はないと考える。

十一及び十二について

 TPP協定はアジア太平洋地域に開かれた協定であり、中国が協定の求める高い水準を満たす用意があることを示した上で、正式に参加表明する場合には、これを歓迎したい。

十三について

 政府としては、合意内容を正確かつ丁寧に説明することを通じて、国民の懸念や不安を払拭するよう最大限努力してきた。昨年十月の大筋合意後、国会や全国で約三百回実施してきた説明会等で合意内容について情報を全て提供して丁寧に説明をしてきた。この過程において、協定内容等に関する各種資料、分野別や中小企業向けの資料など計四千ページ以上の資料を内閣官房のホームページに掲載する形で公表した。
 また、交渉中は、情報開示に関して厳しい制約がある中においても、交渉の現状等に関し記者ブリーフィング等でできる限り丁寧に説明を行った。その内容も内閣官房のホームページに掲載する形で公表し、約五百ページに及ぶ。
 今後とも、国会の御審議に十分応えられるよう、TPP協定の各規定の内容や趣旨、解釈等について、丁寧に説明していく考えである。



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