衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成二十八年十二月十三日受領
答弁第一八七号

  内閣衆質一九二第一八七号
  平成二十八年十二月十三日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員逢坂誠二君提出東海再処理施設のずさんな管理に対する政府の認識に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員逢坂誠二君提出東海再処理施設のずさんな管理に対する政府の認識に関する質問に対する答弁書



一から四までについて

 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(以下「原子力機構」という。)が平成二十八年十一月三十日に原子力規制委員会に提出した「国立研究開発法人日本原子力研究開発機構東海再処理施設の廃止に向けた計画等の検討について(報告)」(以下「報告書」という。)によると、同年一月三十一日時点における原子力機構の核燃料サイクル工学研究所再処理施設(以下「東海再処理施設」という。)における放射性廃棄物の保有状況について、@建家の名称、A放射性廃棄物の種類、B量、C保管状態及びD放射線量は、次のとおりであるとのことである。なお、Dの記載がない放射性廃棄物の放射線量については、報告書に記載がない。
 @分離精製工場 A高放射性廃液(濃縮液) B約二十四立方メートル C貯槽に保管
 @分離精製工場 A高放射性廃液(未濃縮液) B約二十六立方メートル C貯槽に保管
 @分離精製工場 Aヨウ素フィルタ(銀ゼオライト) B二十九基 C容器に保管
 @プルトニウム転換技術開発施設 Aスラッジ(中和沈殿焙焼体) B約十一キログラム C容器に保管
 @プルトニウム転換技術開発施設 Aスラッジ(凝集沈殿焙焼体) B約四百四十キログラム C容器に保管
 @クリプトン回収技術開発施設 Aクリプトンガス Bシリンダ四本 C貯蔵シリンダで保管
 @高放射性廃液貯蔵場 A高放射性廃液 B約三百七十立方メートル C貯槽に保管
 @ガラス固化技術開発施設 A高放射性廃液 B約九立方メートル C貯槽に保管
 @ガラス固化技術開発施設 Aガラス固化体 B二百五十本(平成二十八年三月九日時点) Cピットに保管
 @ガラス固化技術開発施設 Aヨウ素フィルタ(銀ゼオライト) B六基 C容器に保管
 @高放射性固体廃棄物貯蔵庫 A高放射性固体廃棄物 B約四千三百本(ドラム缶(二百リットル)換算) Cハル缶及びフィルタ類を水中保管並びに分析廃棄物用容器をセル内保管 Dハル貯蔵庫で毎時約〇・四ミリシーベルト及び予備貯蔵庫で毎時約七ミリシーベルト
 @第二高放射性固体廃棄物貯蔵施設 A高放射性固体廃棄物 B約二千五百本(ドラム缶(二百リットル)換算) C標準ドラム等を水中保管及びセル内保管
 @廃棄物処理場 A低放射性濃縮廃液 B約五百四十立方メートル C貯槽に保管
 @廃棄物処理場 A低放射性廃液 B約六百五十立方メートル C貯槽等に保管
 @廃棄物処理場 A廃溶媒 B約十五立方メートル C貯槽に保管
 @廃棄物処理場 A低放射性固体廃棄物 B約二十四トン Cカートンボックス及び袋に保管
 @廃棄物処理場 Aヨウ素フィルタ(銀ゼオライト) B二十八基 C容器に保管
 @廃棄物処理場 Aヨウ素フィルタ(活性炭) B三基 C容器に保管
 @第二低放射性廃液蒸発処理施設 A低放射性廃液 B約六立方メートル C貯槽等に保管
 @第三低放射性廃液蒸発処理施設 A低放射性廃液 B約二百立方メートル C貯槽等に保管
 @第三低放射性廃液蒸発処理施設 A低放射性濃縮廃液 B約八百立方メートル C貯槽に保管
 @放出廃液油分除去施設 A低放射性廃液 B約千二百立方メートル C貯槽に保管
 @放出廃液油分除去施設 A廃活性炭 B約九十立方メートル C貯槽に保管
 @放出廃液油分除去施設 Aスラッジ B約三立方メートル C貯槽に保管
 @スラッジ貯蔵場 A化学スラッジ B約二百九十立方メートル C貯槽に保管
 @スラッジ貯蔵場 A廃溶媒 B約三十立方メートル C貯槽に保管
 @第二スラッジ貯蔵場 A化学スラッジ B約八百七十立方メートル C貯槽に保管
 @第二スラッジ貯蔵場 A低放射性濃縮廃液 B約五百八十立方メートル C貯槽に保管
 @廃溶媒貯蔵場 A廃溶媒 B約六十立方メートル C貯槽に保管
 @低放射性濃縮廃液貯蔵施設 A低放射性濃縮廃液 B約千三十立方メートル C貯槽に保管
 @低放射性濃縮廃液貯蔵施設 A低放射性廃液(リン酸) B約二十立方メートル C貯槽に保管
 @アスファルト固化処理施設 A低放射性濃縮廃液 B約百立方メートル C貯槽に保管
 @廃溶媒処理技術開発施設 A廃溶媒 B約三十立方メートル C貯槽に保管
 @焼却施設 A低放射性固体廃棄物(可燃) B約千六百キログラム Cカートンボックス及び袋に保管
 @焼却施設 A工程内焼却灰 B約百二十キログラム(焼却炉内) C炉内等に保有
 @焼却施設 A工程内焼却灰 B約〇・五立方メートル(焼却灰受槽) C炉内等に保有
 @焼却施設 A工程内焼却灰 B約〇・二立方メートル(焼却灰貯槽) C炉内等に保有
 @焼却施設 A希釈剤 B約〇・二立方メートル C貯槽に保管
 @焼却施設 A廃活性炭 B約六百四十キログラム C貯槽に保管
 @第一低放射性固体廃棄物貯蔵場 A低放射性固体廃棄物(不燃) B約二万七千本(ドラム缶(二百リットル)換算) Cドラム缶及びコンテナに保管 D毎時二ミリシーベルト未満(受入時ドラム缶表面線量率)
 @第一低放射性固体廃棄物貯蔵場 A低放射性固体廃棄物(可燃) B約六千本(ドラム缶(二百リットル)換算) Cドラム缶及びコンテナに保管 D毎時二ミリシーベルト未満(受入時ドラム缶表面線量率)
 @第二低放射性固体廃棄物貯蔵場 A低放射性固体廃棄物(不燃) B約一万本(ドラム缶(二百リットル)換算) Cドラム缶及びコンテナに保管 D毎時二ミリシーベルト未満(受入時ドラム缶表面線量率)
 @第二低放射性固体廃棄物貯蔵場 A低放射性固体廃棄物(可燃) B約千四百本(ドラム缶(二百リットル)換算) Cドラム缶及びコンテナに保管 D毎時二ミリシーベルト未満(受入時ドラム缶表面線量率)
 @アスファルト固化体貯蔵施設 Aアスファルト固化体、ポリ塩化ビニル固化体及びエポキシ固化体 B約一万五千本 Cドラム缶に保管
 @第二アスファルト固化体貯蔵施設 Aアスファルト固化体、エポキシ固化体並びにシリカゲル及び汚泥 B約一万七千本 Cドラム缶に保管
 @分析所 A分析廃液 B約十立方メートル C貯槽に保管
 なお、お尋ねの「ドラム缶の腐食により内容物が漏れている可能性」があるかどうかについては、現時点では承知していない。
 また、お尋ねの「ずさんな管理体制」の意味するところが必ずしも明らかではないが、東海再処理施設における放射性廃棄物の管理については、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号。以下「原子炉等規制法」という。)及び関係法令に基づく措置が講じられているものと認識している。

五について

 お尋ねの「高放射性固体廃棄物貯蔵庫内のプール表面の放射線量は具体的にどの程度であるのか」については、承知していない。

六及び七について

 お尋ねの「この施設の廃止には、どの程度の年数と費用を要すると考えているのか」については、政府としてお答えする段階にない。なお、報告書によると、東海再処理施設の廃止については、管理区域の解除までに約七十年を要する予定であり、平成二十八年度から平成三十七年度までの当面十年間の計画に必要な費用は、現時点では二千百七十三億円と試算しているとのことである。
 また、お尋ねの「当該施設の廃止はどのような財源によって行われるのか」については、政府としてお答えする段階にない。なお、報告書によると、東海再処理施設の廃止に当たり必要な費用は、エネルギー対策特別会計運営費交付金(電源開発促進勘定・電源利用対策運営費交付金)、エネルギー対策特別会計施設整備費補助金(電源開発促進勘定・電源利用対策施設整備費補助金)、電力負担金等により充当することを検討しているとのことである。

八及び九について

 お尋ねの「高レベル廃棄物」の意味するところが必ずしも明らかではないが、東海再処理施設に保管されている放射性廃棄物については、廃棄物埋設施設又は廃棄物管理施設に搬出されるまでの間は、東海再処理施設で保管するものと認識している。
 また、お尋ねの「ずさんな管理体制」の意味するところが必ずしも明らかではないが、東海再処理施設における放射性廃棄物の管理については、原子炉等規制法及び関係法令に基づく措置が講じられているものと認識している。

十及び十一について

 お尋ねの「日本原子力研究開発機構の田口副理事長が朝日新聞のインタビューで答えた」及び「日本原子力研究開発機構の副理事長が当該施設の現状を「けしからん」と他人事のように述べること」については、承知していない。
 また、お尋ねの「政府は、現状の当該施設のずさんな管理体制について、「できていない」と認識し、「けしからん」とも認識するのか。」の意味するところが必ずしも明らかではないが、東海再処理施設における放射性廃棄物の管理については、原子炉等規制法及び関係法令に基づく措置が講じられているものと認識している。
 さらに、お尋ねの「このような事態」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、原子力機構に対し、東海再処理施設の廃止を、安全確保を大前提として、着実かつ責任を持って進めるように、今後とも指導してまいりたい。



経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.