答弁本文情報
平成三十年一月三十日受領答弁第九号
内閣衆質一九六第九号
平成三十年一月三十日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員阿部知子君提出イージス・アショア二基導入の閣議決定に至る経緯等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員阿部知子君提出イージス・アショア二基導入の閣議決定に至る経緯等に関する質問に対する答弁書
一について
陸上配備型イージス・システムの導入には一定の期間が必要となる一方、北朝鮮の核・ミサイル開発が我が国の安全に対するより重大かつ差し迫った新たな段階の脅威となっており、平素から我が国を常時・持続的に防護できるよう弾道ミサイル防衛能力の抜本的な向上を図る必要があることから、可及的速やかにその導入を進めるため、平成二十九年十二月十九日に「弾道ミサイル防衛能力の抜本的向上について」を閣議決定し、陸上配備型イージス・システム二基を導入することとしたものであり、「矛盾している」との御指摘は当たらない。
お尋ねについては、防衛省における新たな弾道ミサイル防衛システムに係る検討状況も踏まえて、平成二十九年八月に防衛大臣が陸上配備型イージス・システムを中心とした新規防衛装備品の導入を行う旨の方針を示し、所要の経費について要求額を明示しないいわゆる事項要求を行った後、米国との調整等を経て、同年十二月十九日に「弾道ミサイル防衛能力の抜本的向上について」を閣議決定し、陸上配備型イージス・システム二基を導入することとしたものであるが、相手方との関係もあることから、その詳細について逐一お答えすることは差し控えたい。
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、平成二十九年度補正予算案及び平成三十年度予算案においては、陸上配備型イージス・システムの整備に要する経費として合計約三十五億円を計上しており、当該経費は、「中期防衛力整備計画(平成二十六年度〜平成三十年度)」(平成二十五年十二月十七日閣議決定。以下「中期防」という。)の総額の範囲内で措置しているものである。
お尋ねの「法的な根拠」の意味するところが必ずしも明らかではないが、F三五A戦闘機については「次期戦闘機の整備について」(平成二十三年十二月二十日閣議了解)においてその導入を決定した上で、中期防において二十八機の整備を決定しているものであり、弾道ミサイル防衛用能力向上型迎撃ミサイル(SM−三ブロックUA)については「平成二十九年度における防衛力整備内容のうちの主要な事項について」(平成二十八年十二月二十二日国家安全保障会議決定)において共同生産・配備段階に移行することを決定しているものであることから、「中期防衛力整備計画の見直しも待たず、現状を大きく変える装備の導入に言及した」との御指摘は当たらない。