答弁本文情報
平成三十年三月十六日受領答弁第一二二号
内閣衆質一九六第一二二号
平成三十年三月十六日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員中谷一馬君提出ヘイトスピーチに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員中谷一馬君提出ヘイトスピーチに関する質問に対する答弁書
一から四までについて
国は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律(平成二十八年法律第六十八号)第四条第一項の規定に基づき、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組に関する施策を実施する責務を有するところ、具体的には、同法第五条第一項に規定する「必要な体制」の整備として、法務省において、平成二十九年四月から、「外国語人権相談ダイヤル」及び「外国人のための人権相談所」における対応言語を六か国語に拡大するとともに、従来一部の法務局・地方法務局で取り扱っていた「外国人のための人権相談所」の業務を全ての法務局・地方法務局で行うこととするなどし、同法第六条第一項に規定する「教育活動」の実施及び「そのために必要な取組」として、文部科学省において、都道府県教育委員会等に対する「「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」の施行について」(平成二十八年六月二十日付け二十八生社教第一号文部科学省生涯学習政策局社会教育課長、初等中等教育局児童生徒課長及び高等教育局高等教育企画課長連名通知)の発出や都道府県教育委員会の担当者等を集めた会議等各種の機会を通じ、同法の趣旨等についての周知を図るとともに、学校における人権教育の一層の推進を図るため、学校における外国人の人権尊重に関する実践事例を文部科学省のホームページに掲載すること等の取組を実施するなどし、同法第七条第一項に規定する「啓発活動」の実施及び「そのために必要な取組」として、法務省において、外国人に対する偏見や差別を解消し、国際化時代にふさわしい人権意識を育てることを目指して、「外国人の人権を尊重しよう」を強調事項の一つとして掲げ、啓発ビデオ、啓発ポスター及び啓発冊子等の作成・配布等、各種啓発活動を実施するなどしている。また、同法第四条第一項に規定する「地方公共団体が実施する・・・取組に関する施策を推進するために必要な・・・措置」としては、法務省において、関係省庁や地方公共団体の担当者が出席する人権教育・啓発中央省庁連絡協議会ヘイトスピーチ対策専門部会を開催したほか、地方公共団体が本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組に関する施策を推進するに当たって参考となる情報を希望する地方公共団体に対し提供するなどしている。このように、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組に関する施策を、いずれも、適切に推進してきているところであり、引き続き、これらを推進してまいりたい。
また、御指摘の「国の施策より効果的な規制を設けることは法の趣旨に反しない」の具体的に意味するところが明らかではないため、これについてのお尋ねにお答えすることは困難である。
お尋ねの「不当な差別的言動を伴うデモや街頭宣伝」、「同様の取組を全国的なものにする施策」及び「地方公共団体の・・・インターネットにおける差別的言動規制」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。
あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約(平成七年条約第二十六号)第四条(a)及び(b)は、締約国に対し、一定の行為につき処罰立法措置等をとることを義務付けるものであるが、我が国は、この規定に基づく義務については、憲法の下における集会、結社及び表現の自由その他の権利の保障と抵触しない限度において履行する旨の留保を付しており、当該限度において刑法(明治四十年法律第四十五号)等によりその履行を担保している。