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平成三十年四月六日受領
答弁第一八九号

  内閣衆質一九六第一八九号
  平成三十年四月六日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員奥野総一郎君提出日本年金機構のデータ入力外部委託に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員奥野総一郎君提出日本年金機構のデータ入力外部委託に関する質問に対する答弁書



一について

 お尋ねの「事業内容」の意味するところが必ずしも明らかではないが、日本年金機構(以下「機構」という。)からは、機構が発足した平成二十二年一月以降の機構と株式会社SAY企画(以下「SAY企画」という。)との契約に係る@契約年月日、A契約件名及びB契約額は次のとおりであると聞いている。
 @平成二十二年四月一日 A健康保険・厚生年金保険適用関係届書パンチ委託(東京都)(協会けんぽ分) B約六百五十万円
 @平成二十三年一月二十六日 A平成二十二年公的年金加入状況等調査のデータ入力業務 B約二百四十万円
 @平成二十四年九月四日 A第三号被保険者該当届書パンチ(CD/DVD作成)委託 B約八百万円
 @平成二十四年十月三日 A扶養親族等申告書データ入力業務委託 B約三百四十万円
 @平成二十五年十一月十二日 A平成二十五年公的年金加入状況等調査のデータ入力業務 B約四百三十万円
 @平成二十六年七月八日 A磁気媒体(CD―RW)による所得情報依頼結果媒体作成業務委託 B約百十万円
 @平成二十六年八月七日 A厚生年金被保険者名簿等の氏名追加のパンチ入力作業 B約五百万円
 @平成二十六年八月八日 A執行停止付属調書パンチ委託 B約三百二十万円
 @平成二十六年九月三日 A国民年金保険料免除・納付猶予申請書等OCR帳票転記作成委託 B約二千七百六十万円
 @平成二十六年九月三日 A国民年金第三号被保険者該当届パンチ(CD/DVD作成)委託 B約千二百六十万円
 @平成二十六年九月十二日 A「国民年金被保険者実態調査(郵送調査)に係るデータ入力業務」 B約百七十万円
 @平成二十六年九月三十日 A扶養親族等申告書データ入力業務 B約三百九十万円
 @平成二十六年十二月三日 A磁気媒体(CD―RW)による所得情報依頼結果媒体(文京区分)作成業務 B約三十万円
 @平成二十七年三月二十日 A住民税情報データ作成等業務 B約百五十万円
 @平成二十七年七月七日 A磁気媒体(CD―RW)による所得情報依頼結果媒体作成業務委託 B約九十万円
 @平成二十七年八月七日 A執行停止付属調書パンチ委託 B約三百万円
 @平成二十七年八月三十一日 A国民年金第三号被保険者該当届パンチ(CD/DVD作成)委託 B約千八百六十万円
 @平成二十七年九月八日 A厚生年金保険業態別規模別適用状況調集計業務委託 B約四十万円
 @平成二十七年十月七日 A年末調整審査等業務 B約六百六十万円
 @平成二十七年十月二十一日 A磁気媒体(CD―RW)による所得情報依頼結果媒体(文京区分)作成業務 B約四十万円
 @平成二十七年十一月二十五日 A国民年金被保険者名簿の電子画像化及び索引データの作成業務 B約六十万円
 @平成二十七年十二月一日 A「お客様満足度アンケート」回答票データ入力業務 B約六十万円
 @平成二十八年一月十三日 A付加保険料の特例納付申込書データ入力業務 B約百八十万円
 @平成二十八年三月三十一日 A住民税情報データ作成等業務 B約二百六十万円
 @平成二十八年四月十一日 A付加保険料の特例納付申込書データ入力業務 B約百万円
 @平成二十八年六月十日 A年金返納金にかかる返納金額計算及び債務者調査結果の入力等業務 B約八百六十万円
 @平成二十八年七月四日 A磁気媒体(CD―RW)による所得情報依頼結果媒体作成業務委託 B約百万円
 @平成二十八年九月六日 A厚生年金保険業態別規模別適用状況調集計業務 B約五十万円
 @平成二十八年十月七日 A年末調整審査等業務 B約七百十万円
 @平成二十八年十月二十一日 Aデータ入力委託業務「平成二十八年公的年金加入状況等調査」 B約四百八十万円
 @平成二十八年十一月二十五日 A国民年金第三号被保険者該当届パンチ(CD/DVD作成)委託 B約千五百三十万円
 @平成二十九年八月九日 A扶養親族等申告書・個人番号申出書データ入力及び画像化業務 B約一億八千二百五十万円
 @平成二十九年九月五日 A磁気媒体(CD―R)による所得情報依頼結果媒体作成業務【南関東】 B約百二十万円

二について

 お尋ねの「開札結果」の意味するところが必ずしも明らかではないが、機構からは、御指摘の「今回問題となったSAY企画に対する契約」である「扶養親族等申告書・個人番号申出書データ入力及び画像化業務」(以下「本件業務」という。)は、一般競争入札により、機構から委託を受けて業務を行う業者(以下「委託先業者」という。)を選定したものであり、SAY企画が約一億八千二百五十万円の調達見込み総額により落札したと聞いている。

三について

 機構からは、SAY企画の運用仕様書によれば、一日当たり約八百人の業務委託員で作業が行われるとされているところ、SAY企画が百数十人の業務委託員で本件業務を行っていたことが平成二十九年十月十六日に判明したため、同日以降、機構がSAY企画に対して複数回の業務委託員の増員の指示を行ったが、当該運用仕様書にのっとった体制が整備されるには至らなかったと聞いている。

四について

 機構からは、平成二十九年十月の時点で御指摘の措置はとられていないと聞いている。

五について

 機構からは、「日本年金機構外部委託規程」(平成二十二年日本年金機構規程第十号。以下「委託規程」という。)第十七条第二項及び第三項の規定に基づき、SAY企画に対して平成二十九年十月二十七日以降複数回業務の実施状況についての報告を求めるとともに、同年十二月八日以降複数回立入検査を行ったと聞いている。

六について

 機構からは、平成二十九年十二月三十一日に、機構の法令等違反通報窓口に、匿名で、委託先業者であるSAY企画が、契約上原則として禁止されている再委託を中国の関連事業者に対して行っていることを推測させる情報提供があり、これを受けて平成三十年一月六日に「日本年金機構内部監査規程」(平成二十二年日本年金機構規程第十四号)第十条に規定する特別監査を行ったと聞いている。

七について

 機構からは、五についてで述べたとおり、平成二十九年十月の時点において、SAY企画に対して委託規程第十七条第二項に規定する報告を求めており、また、同月時点でSAY企画が再委託を行っていることは把握していなかったと聞いている。

八について

 機構からは、SAY企画から御指摘の「再委託」の発注が行われたのは、平成二十九年十月十六日から十二月二十五日までと聞いている。

九について

 機構からは、五についてで述べた立入検査の際に、併せて「日本年金機構個人情報保護管理規程」(平成二十二年日本年金機構規程第十三号。以下「個人情報保護規程」という。)第四十九条第三項に規定する定期的検査等(以下「定期的検査等」という。)を行ったと聞いている。

十について

 機構からは、御指摘の「等」に含まれるものとして、外部委託の契約終了時において、当該外部委託の処理の段階で作成した個人情報等の複写物等の廃棄及び消去の状況の検査等があると聞いている。

十一について

 機構からは、御指摘のような例はないと聞いている。

十二について

 機構からは、平成三十年三月一日の時点において、委託先業者の数は百十七であり、そのうち事前に機構の承認を受けて再委託を行っている業者の数は十六であると聞いている。

十三について

 機構からは、平成三十年三月一日の時点において、二百三十六件の業務委託契約を締結しており、このうち百八十七件については定期的検査等を実施しており、二十三件については今後実施予定となっており、残る二十六件については「日本年金機構外部委託実施要領」(平成二十二年日本年金機構要領第二十六号。以下「委託要領」という。)に基づく例外措置として検査を省略していると聞いている。

十四について

 機構からは、委託要領に基づき、個人情報等が目に触れる業務を再委託することはできないこととしているため、事前に機構の承認を受けて再委託を行っている委託先業者から業務を委託された業者に対する定期的検査等は行われていないと聞いている。

十五及び十六について

 機構からは、個人情報保護規程第四十九条第二項に規定する確認について、書面等により行っているものの、業務委託員との守秘義務契約書が締結されたことの報告の遅れ、業務委託員の氏名等の届出の遅れ等不十分な点があったと聞いている。また、同条第四項に規定する監督については、定期的検査等により行われているものの、不十分な点があったと考えている。加藤厚生労働大臣の指示を受け、機構において外部の専門家による調査組織が設置される予定であり、当該確認や当該監督の不十分な点については、当該調査組織による調査等の過程で更に検証されるものと考えている。

十七について

 平成三十年三月二十日に、加藤厚生労働大臣から、機構の水島理事長に対して、一連の事案に適切に対処すること、組織の中で意識改革を進め、年金受給者の立場に立って、正しく確実に業務を行うこと、今後、業務を委託する場合における事務処理の在り方を見直し、こうした事態が二度と生じないよう措置すること等の指示を行った。また、同大臣の指示を受け、機構において外部の専門家による調査組織が設置される予定であり、当該調査組織における調査等の結果を踏まえ、機構において、再発防止に万全を期すものと承知している。厚生労働省としては、この調査等の結果を踏まえ、社会保障審議会の部会にも諮りつつ、機構に対し、十分な監督を行っていきたいと考えている。

十八について

 平成三十年三月二十日に、機構がプレスリリースを行い、機構の水島理事長が記者会見においてお詫びと詳細な説明を行うとともに、機構のホームページにおいても、そのトップページの大切なお知らせ欄にプレスリリースの概要を記載したページへのリンクを掲載したと承知している。

十九について

 日本年金機構法(平成十九年法律第百九号)第五十一条の規定は、機構の運営の透明性を確保する趣旨のものであり、同条第一項の規定において機構が定める規程のうち同法に作成等の根拠があるものが公表の対象とされているが、同法第二条第一項において、機構が業務運営における透明性の確保に努めなければならないことが定められていることを踏まえれば、お尋ねの「委託規程」については、今後、同法第五十一条第二項の規定に基づく公表をすべきものであると考えている。

二十について

 機構からは、SAY企画に対して損害賠償を請求する予定であり、その金額及び賠償請求の時期については現在検討中であると聞いている。



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