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答弁本文情報

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平成三十年五月二十二日受領
答弁第二九七号

  内閣衆質一九六第二九七号
  平成三十年五月二十二日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員山崎誠君提出タンカー衝突事故により流出した油状物等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員山崎誠君提出タンカー衝突事故により流出した油状物等に関する質問に対する答弁書



一の1及び二について

 お尋ねの「優先順位を含めた政府の対応方針」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、平成三十年一月六日に発生したタンカー「SANCHI」号と貨物船「CF CRYSTAL」号の衝突等(以下「SANCHI号事故」という。)に係る対応について、「油等汚染事件への準備及び対応のための国家的な緊急時計画」(平成十八年十二月八日閣議決定。以下「国家緊急時計画」という。)第三章第二節に基づき、SANCHI号事故発生後速やかに関係省庁連絡会議を開催し、情報共有を行う等適切に対応したところである。

一の2について

 お尋ねの「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第四十二条の二十五にて定義が行われている一号業務」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

三について

 お尋ねの趣旨が明らかではないため、お答えすることは困難である。

四の1について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、SANCHI号事故について、国家緊急時計画第二章第六節に基づき、外務省においては、国土交通省及び海上保安庁を含む関係機関と協力しつつ、中国を始めとする関係国と外交ルート等を通じて連絡を取り合い、海洋汚染に関する協力体制の一層の強化に努めてきている。

四の2及び十三について

 現行の国家緊急時計画において、関係省庁連絡会議等において、油等汚染事件に関する情報共有、応急対策の調整等を行うこととされており、SANCHI号事故についても、国家緊急時計画に基づき、関係省庁等において適切に対応し、特段の支障を生じていないことから、国家緊急時計画について御指摘の「改訂」等の必要はないと考えている。いずれにせよ、油等汚染事件が発生した場合には、政府一体となって対応してまいりたい。

五について

 SANCHI号事故に関して行った、環境省の「奄美大島等における油状の物の漂着による沿岸生態系への影響把握調査」等によれば、海中のサンゴへの油状の物の付着は確認されなかったところであり、水産庁の「東シナ海におけるタンカー沈没事故による水産資源への影響調査」によれば、調査を行った東シナ海の三地点における海水試料の油成分の濃度は、いずれの地点においてもこれまで日本沿岸域で報告されている濃度の範囲内にあったところである。また、環境省が関係する地方公共団体から受けた報告によれば、その死亡が油によるものである可能性が高いと考えられる野生生物はアオウミガメ一頭であったとのことである。

六及び九について

 SANCHI号事故で海洋に流出したコンデンセートについては、揮発性が高く海中に残留しにくいことから、御指摘の「長期的かつ複合的な被害」は想定されず、また、油状の物の海岸への漂着も平成三十年四月以降は確認されていないことから、御指摘の「モニタリング計画」の策定や国家緊急時計画第三章第十二節の調査等の実施は現時点で必要ないと考えているが、タンカー「SANCHI」号の沈没海域及び油状の物の漂着地域の環境の状況を注視してまいりたい。

七について

 SANCHI号事故について、政府としては、中国を始めとする関係国と外交ルート等を通じて連絡を取り合い、緊密に連携してきている。

八について

 政府としては、SANCHI号事故に関し、タンカー「SANCHI」号の沈没海域の周辺海域等において、海水中の油分や水産資源等への影響について、また、タンカー「SANCHI」号の沈没海域に近い奄美大島等の沿岸において、海水の水質や生態系への影響について、それぞれ調査を実施し、結果が判明次第速やかに情報を公表してきたところであり、他方、平成三十年三月十七日に発生したタンカー「第八昭栄丸」と貨物船「DONG KUN7」号の衝突等に関し、積荷の状況や貨物船「DONG KUN7」号の沈没のおそれ等について速やかに情報を公表してきたところであり、「迅速に公開されているとは言い難い」との御指摘は当たらない。
 また、国家緊急時計画第三章第十一節においては、「船舶交通の安全の確保、付近住民の安全確保、防除作業の円滑な実施等を図るため、関係行政機関、地方公共団体等は、それぞれ必要に応じ、他の関係行政機関、地方公共団体等と連絡調整を図り、迅速かつ的確な広報を行うものとする」こととされ、「国民への情報提供の仕組みがなく」との御指摘は当たらない。

十及び十一について

 関係省庁において現時点で把握している限りでは、御指摘の「検体としての活用もなされないまま、埋めたり隠されたりしている例」は確認していない。また、お尋ねの「同様の体制や専門家が参加したモニタリング体制の新たな整備」の意味するところが必ずしも明らかではないが、SANCHI号事故を踏まえ、御指摘の「漂着した生物の死体」について、都道府県が行う傷病鳥獣救護の一環として、鹿児島県が収容の上、油状の物の付着の有無を獣医師が確認し、その死亡が油の影響によるものであるか否かを判断し、その旨環境省に報告されたところである。今後も、油等汚染事件の発生の際は、必要に応じ、同様に対応されるものと考えている。

十二について

 御指摘の「いつ発生するか予測しがたい事故」の意味するところが必ずしも明らかではないが、国家緊急時計画第二章第二節においては、「地方公共団体等は、油等汚染事件への対応について必要な対策を適切に実施するため、それぞれの機関の対応体制及び機関相互の協力体制の整備を図る」こととされ、地方公共団体においても、これに基づき、SANCHI号事故を含め、今後とも適切に対応されるものと考えている。



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