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答弁本文情報

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平成三十年六月十五日受領
答弁第三六八号

  内閣衆質一九六第三六八号
  平成三十年六月十五日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員山井和則君提出幼児教育の無償化の予算と効果等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員山井和則君提出幼児教育の無償化の予算と効果等に関する質問に対する答弁書



一及び二について

 お尋ねの「日本全体として」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「保育に係る地方単独事業の実施状況及び各種申請様式に関する調査」の結果の資料を踏まえた場合、「地域ブロックごと」の「地方単独補助による保育料の減免割合」は、北海道東北地方で四十七・〇パーセント、北関東地方で四十一・五パーセント、首都圏で四十二・六パーセント、北陸地方で三十七・〇パーセント、中部地方で四十四・六パーセント、近畿地方で四十・一パーセント、中国地方で三十九・四パーセント、四国地方で四十七・五パーセント、九州沖縄地方で四十二・〇パーセントとなるが、「全国」の「地方単独補助による保育料の減免割合」については、当該資料にその基となる数字が記載されていないため、お答えすることは困難である。

三、五、七及び九について

 お尋ねの「限定する」及び「強制力を持って」の意味するところが必ずしも明らかではないが、平成三十年五月三十一日に「幼稚園、保育所、認定こども園以外の無償化措置の対象範囲等に関する検討会」(以下「検討会」という。)が取りまとめた報告書においては、「今般の無償化により自治体の予算に余剰が生じる場合は、その財源を他の分野に回すことなく、地域における子育て支援の更なる充実や次世代へのつけ回し軽減に活用することを求める」とされており、政府としては、当該報告書を踏まえ対応を検討してまいりたい。

四について

 お尋ねの「認識をしたうえで」の意味するところが必ずしも明らかではないが、検討会において、検討会の庶務を処理していた内閣官房又は検討会の庶務に協力していた内閣府、文部科学省若しくは厚生労働省から、「特定教育・保育施設等の利用者負担について、地方公共団体の単独補助事業により、すでに全体の四割が減免されている」ことについて説明が行われたことはないが、検討会においてヒアリングが行われた地方自治体から、当該地方自治体における特定教育・保育施設等の利用者負担の金額や単独補助事業による減免について説明が行われたことはある。

六及び十二について

 御指摘の試算について現時点で評価することは困難であり、また、お尋ねの「社会保障の理念」、「社会保障の趣旨」及び「子ども貧困対策法違反」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

八について

 幼児教育の無償化に関する制度の詳細については、今後、関係府省において、地方自治体の意見を十分に踏まえつつ検討を進めていくこととしており、現時点において、お尋ねについてお答えすることは困難である。

十について

 御指摘の「この主張」の意味するところが必ずしも明らかではないが、今般の幼児教育の無償化は、@幼児教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培うものであり、全ての子供に質の高い幼児教育の機会を保障することは大変重要であること、A幼児教育が将来の所得の向上や生活保護受給率の低下等に著しい効果をもたらすことを示すエビデンスもあること及びB幼児教育の負担軽減を図ることは重要な少子化対策の一つであることという趣旨から実施するものであり、恵まれない家庭に育つ子供たちに質の高い幼少期の教育を行うことが重要とする主張に反するものではないと考えている。

十一について

 お尋ねの試算については、今後、幼児教育の無償化に関する制度の具体的な検討と併せて、平成三十一年度予算の編成過程において公表してまいりたい。

十三について

 御指摘の「高所得者を優遇」及び「格差拡大を助長」の意味するところが必ずしも明らかではないが、児童養育加算(生活保護法による保護の基準(昭和三十八年厚生省告示第百五十八号。以下「生活保護基準」という。)別表第一に定める児童養育加算をいう。)及び学習支援費(生活保護基準別表第二及び別表第七に定める学習支援費をいう。)の額については、社会保障審議会生活保護基準部会報告書(平成二十九年十二月十四日)において、「夫婦子一人世帯の年収階級第一・十分位の学校外活動費用の平均額が約六千円であるのに対し、中位階層(年収階級第五〜六・十分位の平均)の平均額は約一万六千円であり、一万円の差が確認された」及び「学習支援費においては、学校教育費用のうち、教科外活動費用であるクラブ活動費用として、活動の状況に応じて必要な費用が賄える水準を、実費で支給することが考えられる」とされており、これらを踏まえて平成三十年から段階的に生活保護基準の見直しを実施することを予定している。
 一方、幼児教育の無償化は、十についてで述べた趣旨から三歳から五歳までの子供及び零歳から二歳までの住民税非課税世帯の子供を対象として実施するものであるとともに、当該無償化と併せて、平成三十二年度から低所得世帯を対象とした高等教育の無償化を実施するものであることから、今般の教育の無償化は、低所得世帯に手厚い政策であり、格差の固定防止にもつながると考えている。

十四について

 御指摘の「アンバランス」の意味するところが必ずしも明らかではないが、保育士の処遇改善については、平成二十五年度以降、保育士の給与について月額約三万五千円、約十一パーセントの改善を実現するなど必要な取組を実施しているところであり、また、幼児教育の無償化については、三歳から五歳までの全ての子供の幼稚園、保育所及び認定こども園の費用等を無償化することとしているところである。

十五について

 お尋ねの「〇歳から一歳」の「配置基準の引き上げ」の意味するところが必ずしも明らかではないが、子ども・子育て支援新制度に基づき幼児教育・保育・子育て支援の量的拡充及び質の向上を図るためには、消費税引上げにより確保する〇・七兆円程度を含め一兆円超程度の財源が必要とされており、このうち、〇・三兆円超程度の財源により実施することとされている一歳児並びに四歳児及び五歳児の職員配置の改善等の施策については、平成二十九年度予算及び平成三十年度予算において保育士の処遇改善等その一部を実施しているとともに、「経済財政運営と改革の基本方針二〇一七」(平成二十九年六月九日閣議決定)等において、「子ども・子育て支援の更なる「質の向上」を図るため、消費税分以外も含め、適切に財源を確保していく」と示しているところである。



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