答弁本文情報
平成三十年七月二十七日受領答弁第四五二号
内閣衆質一九六第四五二号
平成三十年七月二十七日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員逢坂誠二君提出国際海底ケーブルの保護についての法制に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員逢坂誠二君提出国際海底ケーブルの保護についての法制に関する質問に対する答弁書
一、二及び七について
お尋ねの「わが国の領海外にも適用し得る海底ケーブルの保護、管理についての法令」の意味するところが必ずしも明らかではなく、また、犯罪の成否については、捜査機関が収集した証拠に基づいて個々に判断すべき事柄であるため、一概にお答えすることは困難であるが、一般論としては、お尋ねの「海底ケーブル」の保護に関しては、例えば、海底電信線保護万国連合条約罰則(大正五年法律第二十号)、有線電気通信法(昭和二十八年法律第九十六号)や公海に関する条約の実施に伴う海底電線等の損壊行為の処罰に関する法律(昭和四十三年法律第百二号)が制定されていると承知している。
お尋ねの「わが国のEEZや大陸棚、公海を通過する海底ケーブル」及び「わが国の領土に位置する陸揚局を終端あるいは中継点として接続しない海底ケーブルの敷設・修理に関するもの」の意味するところが必ずしも明らかではないが、電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)における御指摘の「ケーブル敷設のための届出手続」等に係る規定は、認定電気通信事業者が我が国領海内において公共の用に供する水面に認定電気通信事業の用に供する水底線路を敷設しようとするときの届出等について規定しており、我が国の領海外の「海底ケーブル」等には適用されないと解される。
御指摘の「わが国とアメリカとの間の海底ケーブルの本数は十数本と推定されるが、このうちの一本ないし数本、全部が破壊された場合」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お尋ねにお答えすることは困難であるが、一般論としては、電気通信事業法第四十一条第一項、第二項及び第四項の技術基準等において、電気通信事業者に対し、伝送路設備の多重化に関する義務等が定められている。
お尋ねの「物理的に複数の海底ケーブルを破壊し、わが国のサイバー空間に混乱を生じさせようとする」の意味するところが必ずしも明らかではないが、いかなる場合が「武力の行使」の三要件を満たすかは、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して客観的、合理的に判断することとなるため、お尋ねについて、一概にお答えすることは困難である。