答弁本文情報
平成三十年七月二十七日受領答弁第四八五号
内閣衆質一九六第四八五号
平成三十年七月二十七日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員松原仁君提出わが国の排他的経済水域である小笠原諸島・南鳥島沖に存在する莫大なレアアース(ジスプロシウム、テルビウム、イットリウム、ユウロビウム等を含む希土類)の発見に関連し、日本国が新時代の海洋大国として発展を遂げるための国家戦略に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員松原仁君提出わが国の排他的経済水域である小笠原諸島・南鳥島沖に存在する莫大なレアアース(ジスプロシウム、テルビウム、イットリウム、ユウロビウム等を含む希土類)の発見に関連し、日本国が新時代の海洋大国として発展を遂げるための国家戦略に関する質問に対する答弁書
一の1について
御指摘の論文(以下「論文」という。)については承知している。
論文が調査対象とした海域の位置とは異なるものの、論文発表前である平成二十五年度から平成二十七年度にかけて経済産業省及び独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構が実施したレアアース堆積物に関する概略資源量・賦存状況調査の結果として、南鳥島の周辺海域にレアアースが含まれる堆積物(以下「レアアース泥」という。)が賦存することを確認していた。
同調査では、試料採取、試料分析及び音響データの解析等により、南鳥島の周辺海域におけるレアアース泥の概略資源量の試算等を行い、調査段階で算出可能なレアアース概略資源量(総レアアース酸化物量)を約七十七万トンと試算した。
我が国の領海等には、メタンハイドレート、海底熱水鉱床、レアアース泥等の海洋由来のエネルギー・鉱物資源の賦存が確認されている。これらの国産資源の開発が進めば、地政学リスクに左右されず安定的なエネルギー・鉱物資源の供給が可能となると認識している。
「海洋基本計画」(平成三十年五月十五日閣議決定)において、「世界有数の広大な管轄海域を活かし、海洋資源の開発・・・等豊かな海の恵みの活用を進めるべきであり、このため、我が国自身の力で国力の源泉となる資源やエネルギーの確保、産業の振興、それらを可能にする研究及び技術開発を着実に図る」こととしており、具体的には、南鳥島の周辺海域に賦存が確認されているレアアース泥については、将来の開発・生産を念頭に、まずは、各府省連携の推進体制の下で、戦略的イノベーション創造プログラム「革新的深海資源調査技術」において、本年度から、賦存量の調査・分析を行うとともに、広く海洋鉱物資源に活用可能な水深二千メートル以深の海洋資源調査技術、生産技術等の開発・実証の中で取組を進める方針である。