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令和元年十月十八日受領
答弁第二〇号

  内閣衆質二〇〇第二〇号
  令和元年十月十八日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員早稲田夕季君提出インクルーシブ防災を実現するための避難所や仮設住宅に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員早稲田夕季君提出インクルーシブ防災を実現するための避難所や仮設住宅に関する質問に対する答弁書


一について

 都道府県又は市町村は、災害時における避難所の管理運営及び応急仮設住宅の供与に当たって、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成二十五年法律第六十五号)第七条第二項の規定により、一定の要件の下で、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならないとされている。

二について

 御指摘の「災害時における合理的配慮のガイドライン」の意味するところが必ずしも明らかではないが、災害時における避難所の管理運営及び応急仮設住宅の供与については、都道府県又は市町村の事務であることを踏まえ、政府としては、「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」(平成二十五年八月内閣府(防災担当)公表)、「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」(平成二十八年四月内閣府(防災担当)公表)、「災害救助事務取扱要領」(平成三十一年四月内閣府政策統括官(防災担当)公表)等に基づき、都道府県又は市町村が社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をするよう促している。

三について

 御指摘の「災害時における不当な差別的取扱いや合理的配慮の不提供に関する相談や苦情申立」については、様々なものがあると考えられるところ、災害時における避難所の管理運営及び応急仮設住宅の供与に係る障害を理由とする差別に関する相談については、一義的には、当該事務を行っている都道府県又は市町村において受け付けているものであるが、政府においては内閣府政策統括官(防災担当)が都道府県を通じて対応しているところである。

四について

 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成十八年法律第九十一号。以下「法」という。)第二条第十六号において多数の者が利用する政令で定める建築物を「特定建築物」と、同条第十七号において特定建築物のうち不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する建築物であって、移動等円滑化が特に必要なものとして政令で定めるものを「特別特定建築物」と定義し、このうち特別特定建築物については、法第十四条第一項において、一定の規模以上の建築を行う建築主等に対し建築物移動等円滑化基準に適合させることを義務付けるとともに、同条第三項において、地方公共団体は、条例で同条第一項の規定により義務付け対象となる建築の規模を引き下げ、又は特別特定建築物以外の特定建築物を義務付け対象に追加することができることとし、同条第五項において、同条第一項に規定する建築以外の建築を行う建築主等に対し建築物移動等円滑化基準に適合させるよう努めることとしている。また、特別特定建築物以外の特定建築物についても、法第十六条第一項において、建築を行う建築主等に対し、建築物移動等円滑化基準に適合させるよう努めることとしている。
 その上で、指定避難所については、平時から多数の者が利用する建築物であるものが大部分であるため、通常、特定建築物に該当していると考えられ、この場合建築主等に対し法第十四条第一項若しくは第五項又は第十六条第一項の規定が適用される。また、仮設住宅については、当該仮設住宅が共同住宅である場合には特定建築物に該当し、建築主等に対し同項の規定が適用される。これら以外の場合の指定避難所及び仮設住宅については、特定建築物に該当しないことから、建築主等に対してこれらの規定は適用されない。
 また、「避難所に指定されることの多い公立の小中学校に、車いすで利用できるトイレが無かったり、段差解消のスロープが設置されていないのはなぜか」とのお尋ねについては、その趣旨が必ずしも明らかではないため、お答えすることが困難であるが、公立小中学校の施設整備の具体的方策については、各地方公共団体が地域の実情に応じて判断すべきものであるところ、文部科学省においては、各学校の施設の計画及び設計における留意事項として、「小学校施設整備指針」(平成三十一年三月二十二日文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部策定)及び「中学校施設整備指針」(平成三十一年三月二十二日文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部策定)において、「施設のバリアフリー対応」として「障害のある児童、教職員等が安全かつ円滑に学校生活を送ることができるように、障害の状態や特性、ニーズに応じた計画とすることが重要である。その際、スロープ、手すり、便所、出入口、エレベーター等の計画に配慮することが重要である」、「地震等の災害発生時には地域の避難所としての役割を果たすこと等、高齢者、障害者を含む多様な地域住民が利用することを踏まえて計画することが重要である」等と示すとともに、公立小中学校における障害者用トイレやスロープ等の整備について、地方公共団体の要望に応じ、学校施設環境改善交付金によりそれに要する経費の一部について補助を行い、公立小中学校のバリアフリー化を推進しているところである。
 さらに、公立の小中学校に対する法第十四条第一項の適用については、地方公共団体が条例で特別特定建築物に追加した場合を除き、特別特定建築物に該当しない。

五について

 指定避難所及び仮設住宅に対する法の適用については、四についてで述べたとおりである。
 お尋ねの「バリアフリー法改正以外の対策を検討」についての意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、高齢者や障害者の良好な生活環境が確保されるよう必要に応じて適切に対応してまいりたい。

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