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答弁本文情報

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令和元年十二月十三日受領
答弁第一二四号

  内閣衆質二〇〇第一二四号
  令和元年十二月十三日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員早稲田夕季君提出外来生物法の改正に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員早稲田夕季君提出外来生物法の改正に関する質問に対する答弁書


一について

 お尋ねの附帯決議(以下「附帯決議」という。)第一項については、分類群ごとに設けた専門家会合における有識者の科学的知見を踏まえて、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(平成十六年法律第七十八号。以下「外来生物法」という。)第二条第一項に規定する特定外来生物を順次指定しており、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の一部を改正する法律(平成二十五年法律第三十八号。以下「改正法」という。)の施行後、現在までに四十八種類を指定している。また、特定外来生物の防除についても、外来生物法第十一条第一項の規定に基づく主務大臣等による防除のため同条第二項に規定する公示を行った件数が三十五件、外来生物法第十八条第一項及び第二項の規定に基づく地方公共団体等による防除に関する主務大臣の確認及び認定の件数が三百十六件となっており、国としての優先度や地域の実態に応じ、地方公共団体等とも連携して各種取組を進めているところである。
 附帯決議第二項については、改正法の施行後、外来生物法第二条第一項に規定する「交雑することにより生じた生物」(以下「交雑種」という。)に該当する生物のうち、八種類を、同項に規定する特定外来生物に指定し、必要に応じ地方公共団体等と連携して対策に取り組んでいる。例えば、和歌山県のタイワンザルとニホンザルの交雑種については、国が県を支援し、平成二十九年十二月に根絶が宣言されるなど、一定の成果を上げているところである。
 附帯決議第三項については、改正法の施行後、外来生物法第九条の二第一項の規定に基づく放出等の許可の申請はない。
 附帯決議第四項については、外来生物法の実施に係る定員について、平成二十五年度は十八人であったが、令和元年度は十九人に増員しており、また、予算について、平成二十五年度は四億七千九百九万五千円であったが、令和元年度は八億八百四十八万六千円に増加している。また、非意図的に導入される特定外来生物のうち、特にヒアリについては、平成二十九年六月に国内において初めて確認されたことを受けて同年七月二十日に関係閣僚会議を開き、関係府省が連携して防除等を行っている。
 附帯決議第五項については、国内由来の外来種について、外来生物法に法的位置付けはないが、その影響に鑑み、科学的知見に基づき「生態系被害防止外来種リスト」(以下「リスト」という。)に掲載して、対応の必要性を呼び掛けているほか、リストにおいて国内由来の外来種として掲載している白山等の高山帯のコマクサについて各地のDNA分析の結果や防除の方法を公表し、情報提供を行っているところである。また、白山等の高山帯のコマクサや同じくリストにおいて国内由来の外来種として掲載している小笠原諸島等のリュウキュウマツ等については、地方公共団体等の防除を支援するため、技術的助言をするとともに、連携して防除に取り組んでいる。
 附帯決議第六項については、東日本大震災の被災地において、沿岸域植生等の自然環境の変化についての調査や外来種防除事業を実施しているほか、地方公共団体等が実施する在来植生回復のための外来植物防除等の取組について、生物多様性保全推進交付金による支援等を行っている。

二について

 お尋ねの「外来種被害防止行動計画」(平成二十七年三月二十六日環境省・農林水産省・国土交通省策定。以下「行動計画」という。)の「効果」については、行動計画において目標の進捗状況の把握等を平成二十九年度を目途に行うこととしているが、平成二十九年六月にヒアリが国内で初めて確認され、ヒアリの防除等緊急に対応すべき事案が多く生じたことなどから、行動計画に関する目標の進捗状況の把握や点検、見直し等については、現在準備を進めているところである。

三について

 環境省、農林水産省及び国土交通省の役割分担と連携については、行動計画に記載しているところであり、関係部局への周知については、例えば、行動計画に関するパンフレットを作成し、配布しているところである。

四について

 行動計画の進捗については、「環境白書/循環型社会白書/生物多様性白書(令和元年版)」(令和元年六月環境省編集。以下「環境白書」という。)には記載していないが、外来種対策全体の進捗について、環境白書第二部第二章第五節三において記載しているところである。また、「外来種被害防止行動計画を実効あるものとするために、これを外来生物法に位置付けるべきではないか」とのお尋ねの意味するところが必ずしも明らかではないが、行動計画は、「生物多様性国家戦略二〇一二―二〇二〇」(平成二十四年九月二十八日閣議決定)において、平成二十二年に開催された生物多様性条約第十回締約国会議において採択された生物多様性に関する世界目標である愛知目標の達成に向けた我が国の国別目標の主要行動目標の一つとして策定が位置付けられたものであり、政府としては、外来生物法第四条の規定に基づく規制等と、国内由来の外来種を含む外来種による生態系等への被害を防止するための考え方等を示す行動計画を踏まえた取組により、外来種対策を着実に推進してまいりたい。

五について

 お尋ねについては、地方公共団体等が外来生物法第十八条第一項の規定に基づく確認又は同条第二項の規定に基づく認定を受けるため、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行規則(平成十七年農林水産省・環境省令第二号)第二十三条第二項又は第二十五条第二項の規定に基づき主務大臣に提出する申請書に添付する防除実施計画書において、特定外来生物被害防止基本方針(平成二十六年農林水産省・環境省告示第一号)第四の二(二)により、防除の目標、区域、期間、方法等を、防除の主体ごと及び地域ごとに具体的に定めることとされており、政府として現時点において、御指摘のような外来生物法の改正が必要とは考えていない。

六について

 特定外来生物に指定されていない外来生物については、各地方公共団体等が自主的な取組を進めている場合には、環境省において必要に応じて技術的な助言を行っているところであり、現時点において、御指摘のような「法定化」を行うことは考えていない。

七について

 「外来生物」の「死んだ個体の運搬などが安易に行われ、十分な感染防止対策が行われていない実態がある」との御指摘については、その事実関係については承知していないが、人畜共通感染症の予防に関しては、その対象生物が在来種であるか外来種であるかを問わず、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)に基づき適切な対応を行うこととされている。

八について

 国内由来の外来種への対応については、改正法附則第五条に基づき外来生物法の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講じてまいりたい。

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