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答弁本文情報

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令和元年十二月十三日受領
答弁第一三七号

  内閣衆質二〇〇第一三七号
  令和元年十二月十三日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員長妻昭君提出旧ソ連抑留死没者遺骨問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員長妻昭君提出旧ソ連抑留死没者遺骨問題に関する質問に対する答弁書


一について

 御指摘の「誤って日本に持ち込んだままになっている日本人以外の遺骨」の意味するところが必ずしも明らかではないが、令和元年九月十九日に厚生労働省が公表した「これまでの「戦没者遺骨のDNA鑑定人会議」において日本人でない遺骨が収容された可能性が指摘された埋葬地について」において日本人でない遺骨が収容された可能性が指摘された埋葬地に係る遺骨については、同省の「戦没者遺骨収集推進法に基づく指定法人への指導監督等に関する有識者会議」(以下「有識者会議」という。)の下に設置された「戦没者遺骨の所属集団の鑑定及び鑑定方法の検討等に関する専門技術チーム」において、日本人の遺骨であるかを確認するためのDNA鑑定等を行っているところであり、その結果を踏まえ、適切に対応してまいりたい。

二について

 長年収容されずに戦地に置かれた遺骨を早期かつ丁重に慰霊すべきとの要請に応える等の理由から、現地での遺骨の形質の鑑定や、遺留品の有無等から慎重に判断し、日本人の遺骨である蓋然性が高い遺骨については、DNA鑑定のための検体を採取した上で現地で焼骨し、本邦に送還することとしている。現地での焼骨については、厚生労働省の「戦没者の遺骨収集の推進に関する検討会議」における議論も踏まえ、遺族等関係者の理解を得つつ、慎重に今後の在り方を検討しているところである。

三について

 現地で収容した遺骨が日本人の遺骨であるかどうかについては、遺骨の形質の鑑定に加え、歴史的背景や遺留品の有無等から総合的に判断しており、相手国側に対しては、人種の鑑定等の鑑定作業を行う遺骨鑑定人の派遣を依頼しているところである。相手国側は、我が国の依頼に対応した専門家を派遣していると承知しているが、個々の鑑定人の能力については、承知していない。

四について

 戦没者の遺骨のDNA鑑定については、その知見及び技術の蓄積を有する国内の機関に委託して実施しており、現在までにロシア連邦において実施した例はない。
 お尋ねの「極東・シベリア地域のロシア側施設でDNA鑑定の能力を有している機関」については承知していない。

五について

 戦没者の遺骨のDNA鑑定については、その知見及び技術の蓄積を有する機関に委託して実施しており、具体的には、国内の十二の大学に委託している。また、鑑定に要する時間については、DNAの劣化の状況等によって抽出・分析に要する時間が様々であることから、一概にお答えすることは困難である。
 お尋ねの「現在鑑定待ちの検体」の意味するところが必ずしも明らかではないが、令和元年八月末時点において、検体を採取できた遺骨であって、現在鑑定を行っているもの及び今後鑑定を行う予定であるものは、厚生労働省の「戦没者遺骨のDNA鑑定人会議」(以下「DNA鑑定人会議」という。)において鑑定を行ったが身元の特定に至らなかった遺骨及びDNA鑑定人会議において鑑定が行われていない遺骨であり、そのうち、旧ソヴィエト社会主義共和国連邦及びモンゴル人民共和国の地域において収集された遺骨の数が七千六百八十六柱、それ以外の地域において収集された遺骨の数が二千七百九十六柱である。

六について

 戦没者の遺骨収集については、厚生労働省設置法(平成十一年法律第九十七号)第四条第一項第百四号の二の規定に基づき、厚生労働省が所掌している。さらに、戦没者の遺骨収集の推進に関する法律(平成二十八年法律第十二号。以下「遺骨収集推進法」という。)第三条第三項の規定及び遺骨収集推進法第五条第一項の規定に基づき策定した「戦没者の遺骨収集の推進に関する基本的な計画」(平成二十八年五月三十一日閣議決定。以下「基本計画」という。)に基づき、戦没者の遺骨収集については、例えば関係国政府等との協議についての外務省の協力や、東京都小笠原村硫黄島における遺骨収集に係る輸送その他必要な支援等について防衛省の協力を得るなど、厚生労働省が外務省、防衛省その他の関係行政機関に必要な協力を求めながら実施している。政府としては、引き続き厚生労働省設置法及び遺骨収集推進法並びに基本計画に基づき、また、有識者会議における検討も踏まえ、戦没者の遺骨収集を推進してまいりたいと考えている。

七について

 お尋ねについては、政府としては、捕虜収容所に収容されていた者に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定(平成三年外務省告示第三百十一号)に基づき、ロシア連邦政府に対して日本人の抑留中死亡者の名簿及び埋葬地に関する資料の提供並びに死亡者の遺骨の引渡し等に係る協力を求めるなど、引き続き着実な取組を進めてまいりたいと考えている。

八について

 ウズベキスタン共和国については、遺族から遺骨の返還について要望が寄せられており、平成六年以降、政府として、同国での遺骨収集の実施申入れを累次行っており、遺骨収集推進法が施行されたことを踏まえ、平成二十八年八月、厚生労働省から駐日ウズベキスタン共和国大使に対して、遺骨収集推進法の趣旨を説明し、改めて申入れを行った。また、平成二十九年二月にも同国外務省と協議を実施しており、今後も同国側と必要な協議等を行ってまいりたい。
 カザフスタン共和国においては、平成七年度から現在までに、遺骨収集を九回実施したところである。

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