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答弁本文情報

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令和二年三月十九日受領
答弁第一〇七号

  内閣衆質二〇一第一〇七号
  令和二年三月十九日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員阿部知子君提出放射性物質に汚染された土壌を環境大臣が鉢植えに利用したことに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員阿部知子君提出放射性物質に汚染された土壌を環境大臣が鉢植えに利用したことに関する質問に対する答弁書


一及び二について

 除去土壌(平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(平成二十三年法律第百十号。以下「法」という。)第二条第四項に規定する除去土壌をいう。以下同じ。)を鉢植えに用い、観葉植物を植えて、環境大臣室等に設置する取組(以下「本取組」という。)については、福島の復興に向けた理解醸成を図る取組の一つとして、環境省において検討した上で、実施することを判断したものである。

三の1について

 御指摘の「除去土壌」は、法第二十五条第一項の規定に基づき、除染特別地域として指定された地域内の仮置場から中間貯蔵(中間貯蔵・環境安全事業株式会社法(平成十五年法律第四十四号)第二条第四項に規定する中間貯蔵をいう。)を行うために必要な施設(以下「中間貯蔵施設」という。)に運搬した除去土壌の一部を環境省に運搬したものである。本取組に係る除去土壌の、中間貯蔵施設に運搬した時点における放射能濃度は、平成二十三年に厚生労働省が公表した「除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドライン」において示された放射能濃度の簡易測定手順に従って算定した結果によると一キログラム当たり四千七百三ベクレルから六千百六十九ベクレルである。

三の2及び四について

 お尋ねについては、環境省が令和二年三月二日に中間貯蔵施設に運搬した除去土壌に対して異物の除去を行い、放射能濃度の測定を実施した。その後、同月三日及び四日に中間貯蔵施設区域内の屋内において、当該除去土壌を鉢植えに用いることが可能かどうかを確認した上、鉢植えに用いることとして、観葉植物を植えたものである。なお、本取組に係る鉢植えに用いた除去土壌の中間貯蔵施設から同省までの運搬は、法第四十一条第一項の規定に基づき定められた平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法施行規則(平成二十三年環境省令第三十三号。以下「規則」という。)第五十七条第一項に定める除去土壌の収集及び運搬の基準(以下「除去土壌収集運搬基準」という。)に従い同省が実施したものである。

五について

 「「基準適合特定廃棄物」にあたり、施行規則の適用を受けるはず」との御指摘については、法第二条第二項に規定する廃棄物に土壌は含まれないことから、除去土壌は、法第二十条に規定する特定廃棄物及び規則第二十三条第一項に規定する基準適合特定廃棄物に該当しない。また、御指摘の「輸送の責任者」の意味するところが必ずしも明らかではないが、本取組に係る鉢植えに用いた除去土壌の中間貯蔵施設から環境省までの運搬は、除去土壌収集運搬基準に従い同省が実施したものである。

六及び七について

 本取組は、福島の復興に向けた理解醸成を図る取組の一つとして、法第四十一条第一項の規定に基づき、除去土壌収集運搬基準等に従い実施したものである。また、覆土の厚さについては、飛散又は流出防止の観点に加え、鉢の大きさや施工性を勘案し、環境省が五センチメートルとすることを決めたものである。一方で、御指摘の「手引き案」は、除去土壌の再生利用に係る安全性確保の観点から、主に再生資材化、再生資材の利用及び維持管理等に係る技術的な留意事項を示すため、検討しているものであり、除去土壌を鉢植えに用いる本取組は、当該「手引き案」で想定している用途ではなく、この対象とならない。

八並びに九の1、2及び4について

 御指摘の「原子炉等規制法では再利用できる金属などの放射性物質」については、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)第六十一条の二第一項及び同項の規定に基づく製錬事業者等における工場等において用いた資材その他の物に含まれる放射性物質の放射能濃度についての確認等に関する規則(平成十七年経済産業省令第百十二号)第二条の規定により、原子力事業者等が工場等において用いた資材その他の物が再生利用される場合を含め、これらの物に含まれる放射性物質についての放射能濃度が基準以下の場合は放射線による障害の防止のための措置を必要としないものとするものとして定められた基準である。
 他方で、本取組は、福島の復興に向けた理解醸成を図る取組の一つとして実施するものであり、お尋ねの「植木鉢」の管理については、環境省において法第四十一条第一項の規定に基づき、除去土壌収集運搬基準等に従うことにより、適切な管理を行うことが可能と考えている。また、現時点で、本取組の終了時期を決めているものではない。
 お尋ねの「被ばくをしないようにどのように管理するのか」については、定期的な放射線の量の測定の実施、飛散又は流出防止のための鉢植えの表面への覆土の実施等の措置を講じている。

九の3について

 お尋ねの「対処」については、環境省において、速やかに御指摘の「植木鉢」内の除去土壌の回収を行い、周囲の放射線の量を測定し、周囲の影響を確認することを考えている。

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